第八話 色々な雰囲気
基本会話重視のため、物語の進みは遅めです
雑草の神ウィードと、タンスの神のタンちゃんとの騒動を終え、僕達はタンちゃんが買い物をしていたと言う街に向かって歩いていた。
彼女達とはあそこで分かれ…………。
「破壊神様、どこに行くの?」
「破壊神様ぁ~待ってくださいよぉぉ……」
…………ていなかった。
騒動の後、放置して歩き出したんだけど……ついてくるんだよ、こいつら。破壊神怖い怖いって泣き叫んでいたくせに、どうなってんだよ……。
『お前達、何故ついて来るのだ? 友達と合流出来たのなら神界に帰ればよかろう?』
ヴァルの言う通りだ、ウィードはタンちゃんを待っていたのだし、タンちゃんは買い物を終えた……もう下界に留まる必要ないじゃないか。
二人の女神はお互いの顔を見合わせながら、示し合わせたように僕達に美しい笑顔を見せる。
「だって最上位神とお友達になれるなんて、凄い事だもんっ!」
「そうですよぉ~もう少しお話聞かせて下さいぃ!」
いつお友達になったんだ?
あぁ、でもお友達……いい響きだ。女性では初めての友達かもしれない。
ビッチ? なにそれ? 知らないね。
『ふははははは!! よかろう! では我らの破壊生活を聞かせてやる! 心して聞くがよい!』
「「わぁぁぁぁぁぁパチパチパチパチ」」
(おいヴァル? 僕達の破壊生活って……まだ何もしてないだろう? 無銭飲食くらいだぞ?)
〈まぁまぁよいではないか! 女神と友達になったのは初めてなんだ! ……みんな我を怖がって近づいて来なかったからな……〉
お前もかよ!? モテない僕とモテない破壊神……旅のタイトルの変更が必要か?
「さすがぁぁぁぁ!」
「知らなかったですぅぅぅ!」
乗せ上手の女神達の反応に気分を良くしたのか、盛大な脚色をして今までの破壊生活を話しているヴァル……。
いつ世界を滅亡から救ったんだよ? もう少し自重しろよ……。
「すごぉぉぉぉぉぉい!」
「センスありますぅ!」
「「そぉなぁんだぁぁぁ~」」
『わっはははははは!! 近う寄れ近う寄れ!』
女性のさしすせそってやつか……この女共、男の扱いが上手な様だ。なんだろう……逆に一歩引いてしまう、経験豊富な女性は何故か苦手だ……。
ヴァルもすっかり気分を良くして…………いいや僕も変わるんだ! 四人行動なんだから、三対一はおかしい!
いつまでもグループに入れない僕じゃないぞ!? よぉぉし……。
『……ってな事があってな? まったく、店長には苦労させられ――――』
「――――ところでウィード! スタイルいいよね? なにカップなの?」
顔が引きつる三人…………あれ? 僕変な事言ったか?
知り合いの男は、陽気に女性のカップを聞いて、楽しそうにやっている光景を見た事あるんだけど……。
「…………え……えっと……………Fですぅ…………」
『わ、わは……わはは…………す、凄いではないか……才能……であるぞ……?』
恥ずかし過ぎるのか、顔を真っ赤にして俯いてしまったウィード。ヴァルもフォローを入れるが、笑顔がぎこちない……。
その隣には、顔を暗くしたタンちゃんの姿が…………そうか!! タンちゃんは小さめなんだ! 大きさはダメだったって事か!!
「タンちゃん! 綺麗な形の胸だよね! やっぱり大きさより形かなぁ? 大きいと垂れるって言う――――」
『――――おおおおおお!!?? 見よ、皆の者!! あそこに見えるは魔者ではないか!? どれ、破壊の力を見せてやろう! 破壊ィィィィィィィ!!』
ヴァルが乱暴に放った破壊の力は、周囲の草木や地面ごと魔者を消滅させた。
あまりの強大な力に二人は目を奪われ、場の雰囲気も落ち着きを取り戻し始める。
〈……オル? 本当にどうしたのだ? お前らしくないぞ?〉
(ご、ごめんよ……僕も変わりたくて、陽キャの真似をしてみたんだけど……)
ヴァルにフォローさせてしまった……。
出会った当初はアホ神だと思っていたけど、アホなのは僕か……。
〈話の順序と言う物があろう? お堅い話をして固い雰囲気の中に、いきなりピンクな雰囲気をぶっこめばどうなるか……分かるであろう?〉
(……はい)
〈先ほどのオルが陽キャだったかどうかは置いておいて、我は今のままでいいと思うぞ? オルはオルだ、無理して自分を変える事はない…………どうしてもと言うなら、我も力を貸す、一緒に考えようではないか?〉
(うぅぅ……ありがとう)
情けない……。今までの人生を振り返ると、ダメな理由は僕にもある。
力を得て新しい人生が始まったんだ……変わろうと少し頑張ってみたものの空回り……。僕は僕のままでいいのかな? ……いや、変わらないとダメかもしれない……。
でも……焦る必要はないか……
『オッホン! すまんなお前達、我の相方に悪気はない…………この前まで人間だったのだ、お前達の美貌に見惚れてしまったのであろう』
え……? 今の僕は人間じゃないの!? そりゃ死んでるのかもしれないけど、感性は人間のままだと思うのだけど……。
「そ、そうなんだ! 別に胸くらい……ねぇウィード?」
「は、はいぃぃ……別に嫌ではありません、誠実な心を感じましたし……ただ恥ずかしいですぅ……」
誠実な心? 胸のカップ聞いたのに?
確かにあの時は、エロい事を考えていたと言うより雰囲気をよくしようという思いの方が強かったけど……。
流石神と言った所か……恥ずかしそうに顔を赤く染める人間の少女のようだが、僕の事をちゃんと分かって……。
『ところでタンス神、お前のミカンは丁度いい大きさである。なにカップなのだ?』
えっ!? 掘り返すの!? さっきダメって言ったじゃないか!!
タンちゃんの様子を見てみる……ほら、今にも泣きそうに…………なってない?
「もうっ!! まだ聞くんですか!? エッチなんだから…………Bですよ! 悪いですか!?」
えぇぇぇぇぇ!!?? 答えたよ!? しかも嫌そうな顔してない! なんで? それどころか少し嬉しそう?
〈分かったかオル? これが場の雰囲気を読むという事だ! 雰囲気さえよければ、女は股を開く〉 【個神の見解です】
(下品だよ!? 女性はそんなに軽くないぞ!? …………でも、勉強になります)
雰囲気を読まないで行動する事が多いくせに、何故かヴァルの言葉に説得力を感じてしまった僕は、その良い雰囲気のまま歩き続けた。
歩く事数十分、タンちゃんが買い物をしていたと言う街まで僕達は辿り着く。
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