其の弐ノ壱 喧嘩友達
次章までの時間稼ぎ的な章です
神界旅行編中の出来事としてお読み下さい
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!! これが……七色…………うん、三色だね」
ヴァルの言う観光名所、七色滝に来ていた僕。七つの色に輝く滝と言うキャッチコピーのはずが、どう都合よく見ても三色だ。
隣でエル姉とウィッチも白けた顔をしている。更に少し離れた所では、クロノアとシニカが滝をつまらなさそうに眺めていた。
『い、今は時期が悪いようだ。秋になれば必ず――――』
「――――神界に四季はありません。場所によって下界で言う夏や冬みたいな所はありますが」
『…………今日は天気が――――』
「――――て、天候も変わらないです……」
ボロボロだなヴァル。どうせ神ネットサーフィンとかで知った情報だろう? あたかも自分で見たと言った感じだったが、情報に踊らされた結果がこれだ。
ネット上に転がる数多の情報。しかし真実を見極める目がなければ今のヴァルのような状態になる、みんなも気を付けろよ?
「これがデートなら女の子は意気消沈、とてもじゃないが最終目的地には辿り着けない。ちゃんとあるんだろうな? 巻き返しのプランが?」
『…………確か遊園地が……』
「はぁ……そんなのとっくの昔に営業終了しましたよ? 遊戯の神が始めたアレでしょう? クソつまらないと話題にはなりましたね」
「はい残念。エル姉とのフラグは消滅…………遊園地!? 行きたかった……」
遊戯の神が作った遊園地。めっちゃ行きたかった! だって遊戯を司っているんでしょう? 楽しくないはずがない。
神には遊び心はないのだろうか? 不採算だったのかな?
「こんな神にはそもそもフラグは立ってないよ? 遊園地は……何故か設置してある遊具が全て……なんて言ったかな? 馬の模型に乗ってグルグルと回る……ともかくそれしかないらしいよ」
「……え? それだけ? 回るだけ? それじゃ回転木馬の神じゃん」
ともかく潰れてしまったのなら仕方ない。恐らく遊戯の神は新しい遊戯を模索しているのだろう。いつか会ってみたいものだ。
「じゃぁどこに行こうか? ヴァル……はダメだからエル姉かウィッチ、どこか良い所ある――――」
「――――ハイハイハイハイ!! 時の神殿に来ない? 色々な時計が沢山あるよ! 一緒に針を眺めて時が過ぎるのを楽しもうよぉ! おススメだよぉ~」
「……死の神殿の方が面白い……色々な疑似死……体験できるよ……?」
エル姉とウィッチを差し置いて声を掛けてきたのは、一緒に行動していた時の神クロノアと死の神シニカ。
何故か分からないけどこの天蓋神達も一緒に観光を楽しんでいた。まぁ別にいいんだけど、シニカ暗いけど可愛いし。
でも時計眺めるのも死の体験するのも嫌だな。もっとまともな観光地はないのか?
「では真打登場!! 我が理の神殿に来ない――――」
「――――あ、間に合ってます」
そうそう、こいつもいるのだ。ショボンとしてしまった神は理の神コトワリィ。
仲間外れになるのを異様に嫌い、脳内会話に隙あらば入り込んで来ようとするため、エル姉達には悪いけど今は完全シャットアウトの状態にしてある。
「ねぇヴァル、破壊の神殿とかないの? 破壊の事なら、少しだけ興味あるかも」
『少しだけかよ……まぁ、あるには……あるが』
「まさか、あの下位神が多く住んでいるオンボロアパートの事ではないですよね? 貴方が管理する破壊神殿は、数万年前に壊れたと聞きましたが?」
『……まぁ、そこだけど。隣の部屋の生活音が聞こえる、素敵な神殿だ。住めば都、破壊アパートである』
絶対行きたくない。
なんで最上位神が下位神と同じアパートに住んでんの? もうちょっと最上位神らしく、威厳ある所に住んでいて欲しいものだよ。
「みんな、ダメじゃん……こんなに最上位の神が勢ぞろいしてるのに――――」
「――――ねぇねぇお兄さん!! わたし、いい所知ってるよぉ~!!」
元気ハツラツに、耳元で急に大声を出してくれた少女。
いつの間に僕の隣にいたのだろう? いやそれよりもうるせぇんだけど、ビックリするだろ! 耳元で大声出すなって母ちゃんに教わらなかったのか?
「お兄さん、珍しい所を探しているんでしょう? わたし知ってる!! ねぇ行こうよぉ~!!」
そう大きな声を出しながら僕の腕を引っ張る少女。背は小さく、シニカと同じくらいの年齢に見える。顔もシニカ同様整っており、可愛らしい。スタイルもまぁ……ペタペタペタと、シニカと同じ幼児体形だ。
ただなんだろうな? 生き生きとしていると言うか、笑顔がマジ眩しい。
神界にいるという事はこの少女も神なんだろう。しかしこの最上位神達を前にして少し強引すぎやしないかい?
「ちょ、ちょっと待ってよ! い、いきなりすぎ! 腕を引っ張らないで……え? シニカ、なに? 引っ張らないでよ?」
左腕を少女に引っ張られなんとか踏ん張っていた所、急に右腕を引っ張られる感覚があったため目を向けると、そこで僕の右腕を引っ張っていたのはシニカ。
左を少女、右をシニカに引っ張られている状態。珍しいな、シニカが積極的に前に出てくるのは。
「……お兄ちゃん……私と……行こうよ……?」
「お兄さぁん!! わたしと行こうってば!!」
な、なんだと言うのだ!? 急にモテモテ!? いや、最近僕はモテているという自覚はあるけど……でも幼児はなぁ、範囲外! エル姉やウィッチに引っ張り合いをされるなら消えた欲も蘇るだろうが……幼女はなぁ……。
「……セイカ……邪魔しないで……」
「シニカこそ! 邪魔しないで!!」
僕を挟んで睨み合う幼女達。
もしかして喧嘩友達? 子供は仲良く遊ぶのが一番だよ? 仲良くしなさい!!
〈子供って……こいつら何歳だと思ってるのだ? 容姿はともかく、精神年齢は大人を越え、もはや仙人……いや妖怪のレベルだぞ?〉
(ロリババアって奴? そろそろ腕が痛くなってきたよ……と言うかさ、このセイカって何の神?)
〈…………忘れた。どこかで見た記憶はあるのだが〉
相変わらず、つっかえねぇ破壊神。
脳内にエル姉かウィッチを入れたい。でもコトワリィがここぞとばかりに突撃してくるだろうしな……。
困ったぞ? ……仕方ない、エル姉とウィッチに助けて!! の視線を送ろう。
弟の事ならエル姉が、男の事ならウィッチが気づいてくれるはず!!
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五章の構成、書き貯めが少ないため、何話か投稿しまし




