プロローグ 大倭皇国 ~西方の地は異国文化の博覧会のようですね!~
大倭皇国。
別名、『神々の国』。
東エイゼル各国の文化的影響も受けながらも、島国であるがゆえに独自の発展を遂げた国である。国民性はおとなしく争いを好まず、古き文化や形あるものを大切にしつつ新しいものを織り込んでゆく、そんな生活様式を好む。
もっとも戦争が無かったわけではない。貴族にあたる『大名(戦国大名)/将軍』が何度となく侵略と防衛を繰り広げ、多くの派閥を味方につけた大名中の大名がヤマト本土の中央の地で激突、三百年ほど前に『織田信長』が天下統一。彼は暗殺されてしまったが彼の息子が天下を引き継ぎ、信長の思想は守られながら時代と共に子孫の思想が織り込まれ、ヤマトは発展してきた。その第二十七代織田家当主・『織田信音』こそが、今のヤマトの統治者である。
さて、空たちが降り立ったのは『本土』の西側にあるその名も『西土』。織田家二十四代の頃より外交が活発になり、エイゼル大陸各国との交流が盛んである。そのためヤマトの文化よりも大陸の文化の品々や建造物などもあり、レアガルド式ジグラスはひまりが最初に参拝したジグラスとのこと。
「されど、レアガルド出身の皆にはさほど珍しいものでもないでござろうな」
「そんなことはありません。アルビオンにサンティーエ、シュトラルラント、パダーノの文化もあります。本場のシュトラルラント式ハンバーグとやらも食べてみたいものですよ」
本場では『フリカデレ』と言う。
「そうね。せっかくヤマトまで来たんだし、ヤマトに集まった異国文化、そしてヤマトの文化も味わってから目的地を目指しましょうか」
「で、今更だけどどこさ、目的地って?」
ヴィントの言葉に、空は地図を広げて確認した。
「大倭皇国『国立鉄道』にて西土から本土に渡り、この細長い島の中央にある『稲葉山城』を目指し、その城主たる織田信音様にお会いし、これまでの経緯を説明して署名を頂けばよいのです」
「へぇ、結構遠そう。最寄りの駅は遠いの?」
「そうですね。なので、駅まではひまりに助手席に乗ってもらうことにしましょう。ひまり、よろしくお願いします」
「心得た。しかしまずは腹ごしらえとキャンプ飯の調達でござろう。拙者の腹も空いたし、空たちも異国の食文化を堪能したいでござろう?」
「是非!」
食欲の権化たる空は各国の食文化を腹が膨れ上がるほど味わい、旅の仲間や現地人やヤマト人たちを驚愕させた。だがこんな事日曜茶飯事。今更驚くひまりたちではない……。




