表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「お姉様と比べなさい」と言われ続けた私、辺境の村で錬金術師になったら初めて「ありがとう」と言われました  作者: P作


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
9/10

第九話 傲慢な騎士たちの襲来と、立ち上がる村人たち

公爵家との契約書が届いた翌日、ハベルン村に嵐がやってきた。

 ヴァーレン侯爵家の紋章が刻まれた豪奢な馬車が広場に止まり、抜剣した武装騎士が四人降りてくる。そして馬車から、長女のセリーヌ姉様が現れた。

「リーナ、迎えに来たわ。今すぐその泥遊びをやめて、王都に戻りなさい」

 声は冷たく、完全に私を見下していた。

「エリザの婚約者が、あなたの薬の利権を欲しがっているの。実家に断りもなく大金を稼ぐなんて生意気よ。その技術と利益、すべて実家に差し出しなさい。大人しく従うなら、屋敷の裏庭に戻るくらいは許してあげるわ」

 一か月前なら、震えて泣いていただろう。でも今の私は、足の下に確かな地面を感じていた。

「帰りません、お姉様。ここは私の場所です。私の技術を、あなたたちの強欲のために渡すつもりはありません」

「生意気なことを。騎士たち、捕らえなさい」

 騎士たちが一歩踏み出した——その時だった。

「おい、そこの都会の兵隊さんよ。俺たちの命の恩人に気安く触れようとするんじゃねえ!」

 ガルド爺さんが、薪割り斧を肩に担いで割って入った。その後ろには、鍬や鎌を持った村人が三十人以上、怒りの形相で集まっていた。

 ラルフも進み出て、鋭い声を上げた。

「ヴァーレン侯爵家と言えど、他領の領民に不当に暴力を振るえば領主間の問題になる。それに——」

 ラルフは懐から一枚の書状を取り出した。公爵家の蝋印が押された、正式な保護の証書だ。

「リーナ様はハルフレート公爵家と正式な契約を結んでおられる。もし危害を加えれば、あんた方はただじゃ済まない」

 騎士たちが、公爵家の名を聞いた瞬間に剣を収めて後退した。

 セリーヌ姉様の顔から血の気が引いていく。

「な……公爵家……? 嘘でしょう……?」

「本物の契約書です、お姉様」

 私は真っすぐに姉の目を見た。

「私は、この村の絶望を救い、王都の権力者をも動かす錬金術師です。実家で私を縛る鎖は、もうどこにもありません」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ