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「お姉様と比べなさい」と言われ続けた私、辺境の村で錬金術師になったら初めて「ありがとう」と言われました  作者: P作


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第八話 王都の使者が来た日と、公爵家からの手紙

 侯爵家が動き出す少し前に、別の来客があった。

 ラルフが都市から戻った日、彼は金貨の袋と一緒に、見慣れない封筒を持ってきた。封蝋には、私でも知っている紋章が押されていた。王国五大貴族の一つ、ハルフレート公爵家のものだ。

「どういうことですか、これ」

「都市で薬を売り始めてから三週間。公爵家の侍医が薬を試して、主君の長年の持病が劇的に改善したらしい。で、直接取引をしたいと」

 私は封を開け、丁寧な文字で書かれた手紙を読んだ。

 要約すると——公爵様は十年来の関節の痛みを患っており、都市の名医もギルドの薬師も匙を投げていた。しかしラルフが持ち込んだ薬を試したところ、三日で痛みが引き、一週間で歩けるようになった。ぜひ錬金術師本人と直接契約を結びたい。報酬は望むものを言ってほしい、と。

「……本物ですか」

「俺が確認した。本物だ」

 私はしばらく手紙を見つめた。

 実家では「才能がない」と言われた。都市では「無資格者が市場を荒らしている」と言われかけた。

 でも——素材の声は嘘をつかない。私の調合は確かに、誰かを助けていた。

「返事を書きます。ただし条件があります」

 ラルフが「また交渉上手な」と笑った。

 私が公爵家に提示したのは一つだけだった。「ハベルン村への独占的な保護を条件に、優先供給を約束する」——村が侯爵家のような外部の力によって脅かされることへの、保険だった。

 公爵家からの返事は、三日後に届いた。快諾だった。

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