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「お姉様と比べなさい」と言われ続けた私、辺境の村で錬金術師になったら初めて「ありがとう」と言われました  作者: P作


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第四話 小さなミアの笑顔と、村に湧いた奇跡の湯

麦畑が復活してから、村の人々は私を「リーナ様」と呼ぶようになった。

 慣れなくて、呼ばれるたびに少し固まってしまう。


 ある日、ミアが足をひきずりながら工房にやってきた。

「リーナさん、足がチクチクして痛いの……」

 小さな足首は赤く腫れ上がり、ひどい湿疹ができていた。村の他の子どもたちにも同じような症状が出ているという。

(質の悪い魔力泥にかぶれた……? でも、この村にそんな場所があったかな)

 私は村の奥にある古い鍾乳洞へ向かった。かつて実家の文献で「特殊な鉱物が眠る可能性がある」と読んだことがある場所だ。

 洞窟の奥へ進むと、微かに暖かい水が湧き出していた。

(この水……強いアルカリ性と、微量の魔力鉱物成分が含まれている!)

 原因がわかった。この湧き水が地中で鉄鉱石の成分と混ざり合い、子どもたちが遊ぶ泥に魔力的な刺激物を作り出していたのだ。

 だが——この湧き水そのものを正しく精製すれば、まったく別のものになる。


 工房に戻り、徹夜で大きな錬金鍋を回した。

 鍾乳洞の湧き水に、抗菌作用のあるカモミールと皮膚を再生するキンセンカの抽出液を絶妙な比率で調合する。

 翌朝、完成した薬湯をミアの足に塗った。

「わあ……冷たくて、気持ちいい!」

 数時間後には、真っ赤に腫れていたミアの足が綺麗に元通りになっていた。

「リーナさん、ありがとう!」

 ミアが抱きついてきた。小さくて温かい重さに、胸がいっぱいになった。


 私はガルド爺さんに提案して、鍾乳洞の湧き水を村の広場へ引く共同浴場を作った。私の錬金術で成分を安定させたその湯は、村人たちの長年の神経痛や疲労をたちまち癒やし、ハベルン村に活気が戻ってきた。

 夕暮れ時、湯気の立つ広場で笑い声が上がっている。

 私はその端っこで、ミアと並んで足だけお湯に浸けながら思った。

(比べなくていい。ここにいる人たちは、私が誰より優れているかなんて、気にしていない)

 お湯が、指先からじんわりと温かかった。

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