表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仁王立ちヒーロー  作者: 時宮のシロ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/32

第30話 俺が選んだことだから

 深夜。あいの私室。

 背中を丸めて横を向き、あいはかけ布団にくるまって寝ている。


 まさるは、洗面所でドアを閉め、静かに立つ。

 大きく、深呼吸を繰り返す。


 まさるはスマートフォンを取り出す。

 ヒビ割れた画面を見つめ、意を決してはるみに電話をかける。


 コール音が、二回鳴る。

 すぐにはるみが通話に出る。


「まさる!」


 はるみが、息を弾ませてまさるを呼ぶ。


「──うん。」


「まさる、どうしたの?」


 はるみの、驚きと期待が入り混じった声が大きい。


「はるみ。電話したのは……。」


「うん!」


 はるみは、話が待ちきれないように相槌を打つ。


「はるみに、謝りたくて……。」


「うん、うん!」


「はるみ、ごめん。また……前みたいに、俺たち……。」


 顔をしかめても、まさるの目から涙が出る。

 まさるは両足に力を入れて踏ん張る。


「いいよ!」


 しゃがみ込むまさる。


「いいよ、まさる! 俺たち、また一緒にいよう!」


「……。」


「まさる。……俺のこと、嫌いになってたの?」


「違うよ!」


 受話器の向こうから、はるみの笑い声が聞こえる。


「そっかー!」


「……。」


「いいよ、いいんだよ、まさる。俺、今実家にいてさ。」


「え?」


「父さんの会社で働いてて。マンションも解約済みで。だからしばらくは、まさるとあいの家で会おうな。」


 まさるはもどかしそうに立ち上がる。


「はるみ。帰ってこいよ。俺たちのところに。今すぐ。」


「でも……。」


「少しの間は、俺の家で一緒に。狭いけど、それで、それから、はるみ……。」

 

 まさるは言葉を続ける。


「俺と、どこか部屋借りて、二人で一緒に暮らそうよ。」


「今から帰る。」


「う? ……うん。」


「今から、絶対そっちに行くからね、俺。」


「うん。あいの家で待ってる。」


「俺は絶対戻るよ!」


 まさるの耳元で、通話が切れる。

この物語は、「不可侵領域」(はるみ視点)と対になる作品です。

『不可侵領域』はこちら

https://ncode.syosetu.com/n4829me/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ