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第17話 まさるのカレー
古びた都営団地。まさるの家。
色褪せたキッチンで、まさるが、ゆっくりと鍋を混ぜている。
まさるは、シミだらけのエプロンをかけている。
「お。今日はカレーか。」
まさるの父親がキッチンに現れ、ひひひっと嬉しそうに笑う。
カレールーの空き箱を見て、愛しそうに目を細める。
「お前のカレーは、いつもそのカレールーだなぁ。──母さんと同じでなぁ。」
まさるの父親は、微笑みながらキッチンを出ていく。
鍋を混ぜる手を止めて、まさるはコポコポとあぶくを作るカレーを見つめる。
『美味しそうなカレー!……大好きよ。』
あいの懐かしい声が思い出される。
鍋に差したお玉を握りながら、まさるは立ち惚ける。
この物語は、「不可侵領域」(はるみ視点)と対になる作品です。
『不可侵領域』はこちら
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