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第42話 国王との交渉

私はバゼル国王との交渉をするにあたって、円滑に物事を動かすために、必要事項をまとめた物を持参していた。自覚はまだ薄いが、仮にも一国の領主である。


「早速ですが、イズラート国の今後について話をしに来ました。国王が王都に戻る前に、お願いごととして幾つかお話したかと思いますが、覚えてますか?」


私は、援助金や食料の事や、捕虜となっているイズラート国の国防を務めるもの達の解放について尋ねてみた。


「あぁ。それについては約束した通りだ。既に手筈は整っている。捕虜となっていたもの達も何時でも行ける準備を整わせているぞ。」


仕事について言えば、バゼル国王は素晴らしい人材だ。仕事が早く、相手が喜ぶであろう最大の気を利かせてくれる。私の同僚にもそういう奴が居たものだ。


「ありがとうございます。とても助かります。では正式に王都からの補助金諸々を受け取れるということで間違いないですか?」


「あぁ。既に準備がしてある。持って帰るといい。」


交渉といっても、実際交渉はしない。何故ならばもう話が着いているからだ。今日はその合意に来ただけである。


「話は変わるが、"王都八国定期会合"ってのがあるのだが、聞いているか?」


"王都八国定期会合"だと??なんともこれまたらしい名前が出てきたものだ。文字列的にはとてもわかりやすい。つまりは王都と王都直属国の定期集会なのだろう。色々と話し合いがあるのだろうが、正直乗り気ではない。会社に勤めていた時も会議は好まない人間であった。


「聞いてないですね。初めて聞きました。」


「そうか。まぁソータなら分かるだろうが、王都と直属国のお茶会のようなものだ。自国について発表する場でもある。一応2年に一度の周期で定期的に行っているものだ。イズラート国新領主にも是非参加してもらいたい。」


当たり前と言えば当たり前だろう。イズラート国は今までの領主ではなくなった訳だ。お披露目とは少し違うが、挨拶をするのはどの世界においても共通事項なのかもしれない。


「あまり乗り気はしませんが、参加はさせて頂きます。次は何時にあるのですか?」


「とても言い難いのだが、、、3日後だ。」


3日とは、これまた急な話の展開になったようだ。私は今忙しいというのに、大事な一日を使えなど。仕方ないのかもしれないが、正直気持ちはガタ落ちだ。


「マナから聞いているものとばかり思っておったが、その様子だと本当に何も聞かされていなかったようだな。」


「はい。今初めて聞きました。」


そう言いながら私はマナの方へ振り向く。マナは私の目を見ようとせず、むしろ顔を意図的に違う所へ向けている。これは確信犯だ。私はそう確信した。


「まぁ、今更何を言っても変わらないので参加することはします。因みに場所はどこですか?」


「あぁ。場所は、王都直属第四都市であるメイシェルト国だ。イズラート国からはそう遠くない。」


何となく分かった。この"王都八国定期会合"は2年定期で行われ、自国について発表したり、今後の意向についての話し合いをしたりをする場であること。そして、それはいずれかの国で行うこと。


「因みにですが、イズラート国で行う予定は何時ですか?」



「そうだなぁ。今回が第四都市で、次が。。。あー次だな!」


次とはまた不運なことに。次ということは2年後。日本の暦に表すなら1年後である。1年で他国の領主達をお迎えするほどの復興をさせなければならない。辛い1年になりそうだ。


「そうですか。わかりました。教えて頂きありがとうございます。」


私はマナに振り返り、少々怒っていることをテレパシーの如く念じた。 マナは相変わらずそっぽを向いている。確信犯である。


「それまでには再建できるように努力します。」


私はため息をつきながら努力する旨を伝えた。イズラート国を再建するには、時間と労力と金を要する。短時間で再建するにはそれなりの技術も必要なわけだ。


「当分は迷惑をかけるかもしれないです。」


「あぁ、何時でも助けになってやるぞ!」


私はそうバゼル国王に助けを求めつつ、私が王都にきた第二の理由を果たしに行く事にした。


「私は役所に行って、ランクを上げてこようかと思うが、マナさんはミナに会ってきたらどうですか?」


「いえ、私はソータ様についていきますよ。」


マナは私の秘書としての役目を、果たす使命を感じているのかわからないが、私と共に同行してくれる。ありがたいが、自分の時間も作ったらどうだと、そう思う時がある。


「自分の思うような時間の過ごし方をしてもいいんですよ。」


そういうとマナは頬を膨らませながら私を睨む。その睨む目は決して怖くはなく、何処か愛らしく思えるようなそんな表情である。


「とりあえず、役所に向かいましょうか。」


私は美しく変貌を遂げたマナと共に、役所へ向かうその道中。何時もよりも長くそして、時間の流れが遅くそう感じるような気がした。

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