(秋)もうレイラの世界だけでもう1つの作品作れるじゃん⋯⋯え?もしかしてもう1つ作品やっちゃうの?
ドュゥゥゥゥゥゥゥゥン⋯⋯
空間その物が捻じ曲がり、奇怪な音を立てるその様子を見るのを最後に、私の意識は段々と薄れていった。
そして、眠たい様で不思議と意識はハッキリしている状態で、視界が切り替わった。
「ここは⋯⋯?」
そこは、不思議な空間だった。
足場があるようには見えないけど、何故か私は立っている。
様々な色の管のようなものが2本ぐるぐるとしながら複雑に重なったり避けたりしながら1本の管になろうと結集している。
そして、この周りの真っ暗な空間には何か、四角い絵?が空間に飾られている?そして、そのまま私を中心にぐるぐると回っている。
「あれ?よく見ると、あの絵⋯⋯描いてあるのが、私とフェニクス!?」
あっ!あっちにも!そっちにも!?
どういうことなの?
⋯⋯はっ!もしかして、この周りの絵はあれからの5年の私達の記憶?
そんなことを考えていると
「あれ?あの人は誰?」
そこには私と楽しそうに笑う翡翠色の髪の女の人がいた。
「あれがフェニクスが言っていた《数少ない仲間》ってやつかな?」
『導いてみせる!ジャラ!ジャラ!はぁぁぁぁぁ!』
更にもう少し見てみると、その女の人はジャラジャラと伸びる赤く輝く剣を振るっていた。
「かっこいい⋯⋯あの人をもっと間近で見てみたかったな⋯⋯」
『〇ドガァァォォァァァ!
レイラァァァァァァァッ!!
♪ただひとり_君のためなら_~Song_4_u~』
『眠たいよぉ⋯⋯後1440分⋯⋯
丸一日!?』
『ブブブブブブブブブブブブ
(〇ピルス次はどれを殺れば良い?)
(ニェッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘ)
(勘弁してくれよ⋯⋯〇ンズ⋯)』
その後も、変な鎧を纏う黒いメッシュが入った白髪のお兄さんや、金髪のとっても可愛い天使様や、灰が付くフードを被ったちょっと様子のおかしいスケルトンさん等など、とっても個性豊かなパーティーを組んでいた。
「とっても⋯⋯楽しそう⋯⋯」
私も、あそこに居たかった⋯⋯
すると、急に体が軽くなったかと思えば、一気に上へと落ちていった。
言葉の綾等ではなく、まるで、地面と空がひっくり返った様な感じだ。もっとも、この空間に地面と空が存在するのか怪しいものだけども。
記憶の絵も回転を止め、ただ下から上へと落ちてゆく。
何故だか、大して抵抗しなくて良い気がして、そのまま落ちていると、空に辿り着いた。何も無い所に立っていると、管が寄ってきて、頭に突き刺さった。気分は良くないが、大して痛くも無い。そう思っていると⋯⋯
「ッ!!?痛っ!!ゥア!アアアァァァァァァァァァァァァ!!!!?!?」
頭に、直接、情報を、捩じ込まれる。
限界、痛み、全てを、知ったことかと切り捨てて。
その情報の流れ込みと言えば、まるで心臓から体全体へ血液を循環させるように、流しては、また来て、また流し込む。その繰り返し。
⋯⋯心臓?
そんな一瞬の疑問も痛みにかき消される。
記憶の流れ込み、そのどれもが、圧倒的強者との対峙であったり、仲間との絆を深める機会であったりするが、痛みがその記憶を阻害する。
あまりの痛みに、意識が途絶えそうになる。
そんな時⋯⋯
『レイラァァァァァッ!!!』
⋯⋯懐かしき声が響いた。
もしこの作品が今よりもう少しだけ見てくれる人が増えていて、いつか完結したら、やるかもしれない⋯⋯
いや、やらないか?