外食の物語
さてラーメンと中華か。というかちょっと待って。ラーメンって中華料理店でも食べれませんでしたっけ……。
「ここはラーメンでしょ。ね?零さん」
「いやいや中華の方が良いよ。ね?零君」
ちょっと2人とも俺に振らないで。中立というなら森も中立じゃん。なんで俺の方に来るの。その辺りがちょっと疑問に感じるよね。
「そもそも中華料理店でラーメンって食べれるじゃん。なんでそこまで対立してんの?」
「零さん分かってないですね。ラーメンはラーメン専門店で食べるからおいしいんですよ。中華料理店では食べることのできない味です」
もうウゼェよ。こっちは腹減ってんだよ。早く決めてくれ。じゃないと俺1人で寿司でも食いに行くぞ。寿司なら席にさえ座ればすぐにでも食べることが出来るからな。
もちろん回る方の寿司だ。高級店に行く金などないしな。
「これはもう……」
「そうね。勝負しかないわね」
ちょっ。恵も愛さんも何言ってるの。なんで勝負。そもそも時間のかかる勝負とかいやなんですけど。うわぁなんでこういう時に偶数人数なんだよ。
誰か後1人来てくれ。そうしたら奇数になって時間がかからずあっさり決まるのに。
「じゃあさ間を取って寿司ってのはどうだ?」
「どこが間を取ったら寿司になるんですか?」
「そうだよ。どこも間を取ってないよね?」
こういうときだけ手を組むし。もうどうしたらいいの。というか校長大人なんだからまとめてくれよ。
「校長先生までなんで生徒と一緒になって外食場所でもめてるんですか?」
「うるさい!これはラーメンと中華。意地と意地のぶつかり合いなの。どちらにも付く気がないなら引っ込んでてくれない」
これはガチだ。もうどうやっても止めれない。というか中華とラーメン専門店がセットになったような店はないのか!?
駄目だ。おいしいラーメンを出してるのは全部ラーメン専門店だ。中華店もわずか1店舗だけあったが今日は定休日だし。
この争いを終わらし飯にありつける最良の選択肢はないのか?
1:ラーメン派の味方をする。
2:中華派の味方をする。
2つしか選択肢がねえ。裏技的な第3の選択肢はないのか。いや、何かあるはずだ。考えろ考えろ考えろ。答えは絶対に見つかる。
このゲーム内での俺の高スペックぶりなら何か思いつくことが出来るハズだ。自分を信じるんだ。
「それでなんの勝負をするのですか?」
「そうだね。逢坂君を先に味方につけたほうが勝ちってのはどうかな」
「なるほど。森さんは中立という立場から動かなそうだから零さんを味方に付けたら勝ちというわけですね」
「そういうことだ」
ダメー!この展開はダメー!そんなことしたら俺の優柔不断ぶりが露見してしまう。これはガチで何か打開策を見つけなくては手遅れになるぞ。
だがこれはラブコメの主人公みたいな私を選んで的な展開ではない。あくまでどっちの店に行きたいかだ。それならば抜け道があるはずだ。
ラーメンか中華か。もう中華料理店という選択肢は使えない。かといって俺がどちらにも付かなければ晩御飯抜きになる可能性だって出てくる。
それだけは絶対に避けなければいけない展開だよ。晩御飯抜きとか死ぬし。もしくは徹夜で料理なんてことにもなりかねない。
そんなことは絶対にさせない。どうにかして妥協点を見つけないと。というかさっきから同じこと言ってるだけでなにも考えれてない。
「逢坂君いいかい?ラーメンというのは作り方一つで味が変わってくるものなんだ。そしておいしい味を研究しているのがラーメン専門店だ。そんな職人の努力の結晶を食べにいてみないかい?」
そう言われましても……。俺は今は早くご飯を食べたいのであって美味いかどうかは2の次だ。こうしてる間にも時間は刻一刻と過ぎていくんだ。
現に19時15分だし。既に校門前で言い争うこと15分だし。もういっそのことファミレスでいいんじゃないかな。
「零。中華ってのはいろんな料理があるのよ。チャーハンや餃子、ラーメンもあるし。零だったらラーメン1択よりいろんなものが食べられた方が嬉しいよね」
こちらもどうでもいい。さっきから思ってると思うんだけど俺はスピード重視で味は二の次なの。それぐらい腹減ってんの。誰かさんがおやつ用に持ってきたお菓子食べちまったから。
こういうのって何か勝負させた方が早く終わるかもしれない。時間はかかるだろうがこのまま言い争わせてたらさらに時間がかかる気がする。
「こうなったら俺が出題するなぞなぞを森を除く全員で解いてもらいましょう。それで正解数の多かったチームの方へ行くということでどうでしょう?」
「まあこのまま言い争うよりかはいいわね」
恵が肯定的な返答をする。よし決まった。
「問題数は10問。1人正解で1ポイント。3人全員が正解したら5ポイント。最終10問目が終わった時点でポイントの高いほうのチームが勝ちってことで良いですね?」
「「「はい」」」
ということで選択を放棄した俺はなぞなぞという勝負方法を提示し外食場所を決める勝負が始まったのである。
「第1問。同じ学校に通う太郎くんと花子さんは運動会の時も遠足の時も音楽発表会の日も同じ弁当でした。さて2人はどんなお弁当を持ってきたでしょうか?」
30秒の考える時間が終了。
「第2問。世の中のものには表と裏が同時に見える不思議なものがるという。それはいったい何?」
30秒の―――
「第3問。有名なスポーツ選手、総理大臣、スーパーアイドル。1番人気があるのは誰でしょう?」
30―――
「第4問。月、火、水、木、金、土。仲間外れはどの曜日?」
以下略
「第5問。ある場所で世界中の集まって開かれる会合がありました。その会合の会議の途中でいきなり停電になりました。その時に1番最初に「電気を付けろ」と言ったのはどの国の人の可能性が高い?」
以下
「第6問。世界で核戦争が起こりました。人類は死滅したと思っていましたがそうではありませんでした。世界でたった1人生き残った男の名前はジョージといいました。ジョージは廃墟となったマンションで打ちひしがれてました。その時コンコンとノックの音が。いったいなぜ?」
以
「第7問。たくさんの荷物を抱えたお年寄りが電車に乗り込んできました。しかし誰1人席を譲ろうとしません。いったいなぜでしょう?」
「第8問。コーヒーカップの取っ手はどちら側についている?」
ゆっくり考えましょう。
「第9問。好きな人に思いを伝えられない人ばかりが働く機関は?」
次が最後の問題だよ。
「第10問。あるスイーツ店に、中の見えない箱が3つあった。1つは大量のストロベリー。もう1つは大量のグレープフルーツ。最後の1箱には両方のスイーツがミックスされ大量に入っている。箱には中身が表示して会ってストロベリー、グレープフルーツ、ミックスと書かれている。ところがややこしいことにすべての表示が間違っているという。3箱の中身を正しく知るためには最低でいくつのスイーツを箱から取り出さなくてはいけないでしょうか?」
さあ分かるかな。
「終了ー!」
さてさてどれくらいわかったかな。
「1問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、おにぎり。奏ちゃん、サンドイッチ。愛さん、サンドイッチ
中華派:美咲、サンドイッチ。恵、サンドイッチ。会長、サンドイッチ。
中立派;森、お寿司
「何でも森まで参加してんの?」
「やってみたかったからですわ」
「あ、そう。じゃあ答え合わせといこうか。正解はサンドイッチでした。ラーメン派2ポイント。中華派5ポイント」
「なんでサンドイッチなのさ」
「だって運動会と遠足と音楽会、3度一致してるからな」
おお~と納得した校長。
「次、2問目の答えどうぞ」
ラーメン派:校長、知らない。奏ちゃん、野球のスコアボード。愛さん、野球のスコアボード。
中華派:美咲、ない。恵、野球のスコアボード。会長、コイン?。
中立派:森、表裏。
「答えは野球のスコアボードでした。ラーメン派4ポイント。中華派6ポイント」
「なんでだよ」
「だから野球のスコアボードなら表と裏が見えるでしょう」
校長はなんでかわかってない気がするな。まあいいや。次だ次。
「第3問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、総理大臣。奏ちゃん、有名な野球選手。愛さん、総理大臣。
中華派:美咲、総理大臣。恵、スーパーアイドル。会長、総理大臣。
中立派:森、スーパーアイドル。
「答えは総理大臣でした。ラーメン派6ポイント。中華派8ポイント」
「どうしてですか。人気があるのはスーパーアイドルですわ」
「森、これはなぞなぞなんだ。人気がある、つまり任期があるのは総理大臣だけだろう」
「なるほどですわ」
「じゃ次だ。第4問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、日。奏ちゃん、土。愛さん、月。
中華派:美咲、土。恵、土。会長、水。
中立派:森、日。
「答えは月でした。ラーメン派7ポイント。中華派8ポイント」
「「なんでだよ(ですの)!?」」
「なら曜日に星をつけてみたら分かる」
火星、水星、木星、金星、土星。月だけ仲間はずれなのだ。
「ああ~」
「第5問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、日本人。奏ちゃん、日本人。愛さん、日本人。
中華派:美咲、日本人。恵、日本人。会長、日本人。
中立派:森、日本人。
「ぜ、全員正解。ラーメン派12ポイント。中華派13ポイント」
さすがに日本語だから日本人ってのは簡単だったか?それとも感で答えられたのか。
「どっちでも良い。第6問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、幽霊がいたから。奏ちゃん、実は全員生きていた。愛さん、女性は生き残っていたから。
中華派:美咲、隙間風。恵、戦争が起こったのが嘘だった。会長、女性は生き残っていたから。
中立派:森、幻聴。
「正解は女性は生き残っていたから。ラーメン派13ポイント。中華派14ポイント」
「なぜですの!?」
「たった1人生き残った男だからさ」
そう女性は普通に生き残っていた。そういう話だ。
「第7問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、お婆さんが悪い人だったから。奏ちゃん、席が空いていたから。愛さん、席が空いていたから。
中華派:美咲、客がいなかったから。恵、席が空いていたから。会長、お婆さんが荷物の上に座ったから。
中立派:森、お婆さんが悪い人だったから。
「正解は席が空いていたから。ということでラーメン派15ポイント。中華派15ポイント」
まさかの同点になってしまった。これ同点延長とかないよな。10問で決着つくよね?
「席が空いていたからってなんですの!?」
「そのままの意味だ。席が空いていれば譲る必要なんかねえだろう」
「そういうことですのね」
いったいどういうことだと思っていたのか。
「第8問目答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、外側。奏ちゃん、右側。愛さん、外側。
中華派:美咲、右側。恵、左側。会長、外側。
中立派:森、内側。
「正解は外側でした。ラーメン派17ポイント。中華派16ポイント」
ついにラーメン派が逆転だ。残るは後2問。ラーメン派がこのまま逃げ切るのかそれとも中華派が再逆転するのか。
「なぜですの!?」
「”なぜですの!?“じゃねえ!右側とか左側とかならまだ理解できるけど内側だけは弁護出来ねえわ」
「おひどいですわ」
「はぁ~。もういいや。次行こう。それでは第9問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、ヘタレ委員会。奏ちゃん、非モテ同盟軍。愛さん、国連。
中華派:美咲、リア充殺害予備軍。恵、玉砕同盟軍。会長、婚活機関。
中立派:森、婚約者探し。
「おお~。見事にばらけたな」
「これは初めてだね」
「正解は国連でした。ラーメン派18ポイント。中華派16ポイント」
「なんでだよ!?」
なんか久しぶりに校長のツッコミを聞いた気がする。というか答えの半分以上が振られたこと前提で答えてるよね。
問題文としては告白すらまだやってないんだけどな。まあ今は哀れな校長のために解説をしてやるか。
「いいですか?告白できない=告れんわけですよ。つまり告れん=国連ってわけです」
「そんなん分かるか!」
そんなこと言われても愛さんは正解してんじゃん。
「では校長はおいておいて最後の10問目の答えをどうぞ」
ラーメン派:校長、ミックス。奏ちゃん、ミックス。愛さん、ミックス。
中華派:美咲、1つ。恵、1つ。会長、1つ。
中立派:森、ミックス。
「ラーメン派と中華派で答えが分かれたな」
ということは正解した方が勝ち。引き分けはない。
「答えは1つでした。ラーメン派18ポイント。中華派21ポイント。よって中華派の勝利」
「ちょっと待ってくれ」
「愛さんが抗議なんてめずらしいですね」
「私達は正解ではないのか?」
「正解ではあるんですけど今回の問題は数を聞かれてるんで答えは1つです」
「しまった。問題を聞き逃していた」
こうしてなぞなぞ対決は終わりを告げ俺は晩御飯にありつけたのでした。
お金が-1500されました。仕事効率能力が5上がりました。
来週は忙しくなるのでお休みします。
次回は10月17日の更新となります。




