表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/48

仮装レースの物語

 異例の大玉転がし中止で優勝が決まった1組。

 しかしそれは俺しか知らない。


「零君、さっきから喋らないけどどうかしたの?」


「いや、何でもない。それよりもうすぐで仮装レースだな。いったい誰が選ばれるんだろうな?」


 せっかくあらすじを言っていたのに。

 美咲よ。空気を読め。

 けどまあ2行で終わるあらすじだったけど。


「零君は選ばれるんじゃない?」


「え?俺?なんで?」


「知らないの?零君って結構有名人なんだよ」


「そうなのか?」


「そうだよ。先輩達が零君の話してるの聞いたことあるし」


「それって男の先輩?」


「何で分かるの!?女性の先輩も話してることあるけどほとんど男の先輩なんだ」


 それは有名ではない。いや、ある意味有名なんだけども好意的な意味の有名ではない。嫉妬、羨望、怒り等男子が俺に抱く感情なんてこんなものだ。


 ただこのゲームは一夫多妻制が認められているので女子からの印象はそこまで悪くないと思う。

 まあ絶対に出たいわけではないんだけとな。

 それでも悪く思われるよりかはよく思われた方が気分も良い。


『皆さんお待たせしました!それでは仮装レース女子の部を始めたいと思います!』


「「「ワアァァァ!!」」」


 さすがに大人気競技だな。歓声がものすごい。


『それでは選ばれし女子を発表したいと思います!』


いろいろコメントとかが長かったので勝手に要約させてもらうと選ばれたのは以下の人達だ。ちなみに得票数の順位は発表されなかった。


 桜 美咲……1年1組。選ばれた理由:清楚系美少女だから。

 一色 恵……1年7組。選ばれた理由:真面目系美少女だから。

 四ツ原 奏…1年4組。選ばれた理由:活発系美少女だから。

 六角 愛……1年6組。選ばれた理由:クール系美少女だから。

 七草 御影…2年7組。選ばれた理由:美人の生徒会長は参加しないといけないから。

 八戸 夜桜…教職員枠。選ばれた理由:独身の美人先生だから。ロリっぽいけど(笑)

 森 明日香…1年1組。選ばれた理由:会長を追いかける生きざまに感動したから。あとお嬢様キャラは必要かなって。

 鈴木 彩……2年7組。選ばれた理由:会長の友人だから。あと胸がでかいし。

 中村 紫音…3年3組。選ばれた理由:メガネ系美少女だから。あと委員長というポジションが最高。

 佐々木 花…3年8組。選ばれた理由:ドジっ子だから。パンチラを何回も見せてくれたから。


 異常が仮装レースに出場する選手とその選ばれた理由だ。

 そして鈴木彩って会長のクラスに行ったときに俺の相手をしてくれて俺が勝手に先輩と呼んでいた人じゃないか。そういえばあの人巨乳だっけ?そしてほとんどが美少女だからという理由か。そりゃあミスコンになるのも頷ける。というか森が選出されてたのが超以外。そして教師が混じっているし。


 3年生から選出されたあの2人可哀想だな。選考理由が委員長とパンチラだもんな。いや委員長はまだマシか。あと1年からの選出が多すぎるな。過半数占めてんじゃん。俺らって女子に恵まれてたんだな。といっても内3人はプレイヤーであるのだが。


 そして男子の中に死にたいやつがいるようだ。八戸先生をロリ呼ばわりするとはばれた日には学校に血の雨が降るぞ。しかも(笑)というのがまた先生をおちょくってる感が半端ない。八戸先生の方を見ていると顔をひきつらせている。やばいって。絶対怒ってるよあれ。俺はしーらない。


『それでは選ばれし10人の女の子達。着替える服を引いてください!』


 放送部が言い終わると同時に机が用意されその上に10枚の紙が置かれる。おそらくあの紙に仮装の衣装が書かれているのだろう。そして机の先には簡易の更衣室が用意されている。簡易と言ってもちゃんと全方位からのぞけないようにしてあるし唯一の出入り口には女子生徒が見張りに立っている。それに更衣室はグランドの真ん中付近に置かれているので覗こうとすれば一瞬でバレる。


 バレたら停学どころか最悪退学になる可能性だってある。なので仮装レースが始まってから覗きは1人も出たことがない。更衣室は5つ用意されていて番号がふってある。ということはもしかしたら紙に書いてあるのは衣装じゃないのかもしれない。こればかりは仮装レースに出場しないと分からない。


 美咲たち仮装レースに出場する女子は次々と紙を取っていく。そして更衣室へ入っていく。いったいどんな衣装で出てくるのだろうか?出場するのは全員が美女・美少女だ。男子は全員が興味津々だろう。来賓もかなり盛り上がっている。仮装レースでは着替えてる間もどんな衣装なのか予想を立てたりしたりとかなり盛り上がるのだ。

 そうこうしているうちに着替え終わった女子たちが出てくる。


「「「おお~!」」」


 男子陣から歓声とどよめきが起こる。

 まず美咲はナース服に身を包み大きな注射針を持っていた。アニメとかで出てきそうな恰好であった。


「私が注射しちゃうぞ!」


 のりのりの美咲がポーズを決めながら注射針を振り回している。大歓声が巻き起こる。

 次に恵はまさかのメイド服であった。ロングスカートの大人しめのメイド服であったが普段とのギャップが凄かった。


「ご主人様。おかえりなさいませ」


 顔を真っ赤にしながら言うものだからものすごく可愛かった。あれが運動系美少女と言われている恵かよ。美咲のように派手ではなかったが歓声が巻き起こった。

 愛さんは婦人警官の衣装であった。手には競技の時に使っていたモデルガンを持っている。


「本当に言うのか?……う~……悪いことする子にはお仕置きだぞ」


 係りの人に言いたくないと言ったぽいが却下されたようだ。そして観念したようにモデルガンを片手でクルクル回し両手でモデルガンを前に突き出し撃つポーズをとって決め台詞を言う。こんな愛さんを見るのは初めてのことであった。今度も歓声が巻き起こる。

 

 奏ちゃんはテニスのユニフォームでラケットを持っていた。かなりのミニスカートで奏ちゃんは顔を真っ赤に染めていた。特にパフォーマンスなどは行っていないがスカート押さえてもじもじしてるだけで大歓声が起こる。


「なんでこんなにスカート短いんですか!?」


 奏ちゃんは涙目で本部へ抗議の声を上げている。本部は何も答えないという方法で抗議を切り捨てた。

 少し可哀想である。この後グランド一周しなくちゃいけないのにな。


 そして会長大好き、森は和服であった。正真正銘のお嬢様みたいだ。男子勢から本当にお嬢様みたいだとコメントが飛び交う。


「わたくしは本物のお嬢様ですわ!」


 それに対する森の答えがこれだった。そういえば本物のお嬢様だったけ。普段の言動がアレなだけにすっかり忘れていた。盛大な笑いが巻き起こった。

 それにしても森の時だけ笑いに変わるのはなぜなんだろう?不思議だ。


 会長は修道服であった。会長の銀髪と見事にマッチし清楚な感じが醸し出されていた。そして胸のところで小さな十字架を掲げている。


「神に祈りを!」


 レベルが高い。本物のシスターよりシスターらしいかもしれん。これまた歓声が巻き起こる。

 会長の友人、もとい鈴木先輩はチャイナ服を着ていた。髪を団子状に結んでいて中国人かと思ったほどだ。


「私は中国から来たアルネ」


 先輩は見事に中国人になり切っていた。まあ、アルと言っとけば中国人に見えるとか言ってたら本場の中国人に怒られそうであるが。またもや歓声が起こる。


 八戸校長は巫女服であった。巫女と言えば神聖なイメージなのだが校長の身長の低さも相まって子供が遊んでる風にしか見えなかった。


「誰が子供だ!」


 おそらく全校生徒が思ったであろうことに対して的確な突っ込みを入れてくる。八戸校長は自分が幼児体型だという自覚があるからこういうことに敏感になるのであろう。周りを見ると冷や汗をかいてる奴が数名いた。ばれても知らないぞ。


 お次はたった2人の3年生の1人。中村紫音先輩はCA(キャビンアテンダント)の恰好だった。

 メガネをかけていてクールなイメージが不思議な雰囲気になる。


「それではシートベルトを……ってなんでこんなこと言わないといけないのよ!」


 中村先輩は帽子を地面にたたきつける。そして中村先輩のノリツッコミに会場が大爆笑する。

 最後の1人は3年生の佐々木花先輩のセーラー服だ。この学校とは違うデザインのセーラー服なので男子は大興奮である。


「私は佐々木……うひぃやぁ!」


 佐々木先輩は何もないところで派手に転んだ。その時にスカートがめくりあがりパンツが丸見えになった。このアクシデントに今までで1番の歓声が巻き起こる。これがドジっ子の異名を持つ佐々木先輩の実力か。


 この10人の女子生徒(1名除く)はグランドを1周した。来賓からはものすごい数のカメラのシャッター音が聞こえてくる。わーすごいなー。俺は来賓の中に異世界君を見つけた。小刻みに撮影場所を変え、アングルを変え、被写体を変えとものすごい数の写真を撮っていた。あとで異世界君に写真を現像してもらってもらおう。そしてあっという間にミス仮装レースは終了した。


『続いてミスター仮装レースを行います!』


 選ばれたのは以下の10人だ。


 山本 晋太郎…3年7組。選ばれた理由:陸上部のエースだから。

 藤原 博人……3年2組。選ばれた理由:メガネ男子だから。

 小林 真司……2年5組。選ばれた理由:仮装させたら面白いから。

 天野 雷斗……3年1組。選ばれた理由:イケメン副会長だから。

 三上 颯………1年3組。選ばれた理由:卓球部のエースだから。

 五月雨 快……1年5組。選ばれた理由:いろいろと奢ってくれたから。

 佐藤 雄二……1年1組。選ばれた理由:ボッチなのが可哀想だから。

 山田 真………1年1組。選ばれた理由:頑張り屋だから。

 二神 翔………1年2組。選ばれた理由:イケメンで運動神経抜群だから。

 逢坂 零………1年1組。選ばれた理由:難攻不落だった会長を落としたから。


 ちょっと待て……なんで俺が入ってんの!?それに会長を落としたからって何!?俺別に何もやってねんだけど。そして選考理由が天野って先輩と翔以外の男子が俺含めひどくない!?特に佐藤君。彼ってボッチだったの!?全然知らなかったよ。そして社長ーー!何奢ってんの!?それで好感度アップさせてたのかい!金使いだけはまさしく社長のそれだな!何気に後輩君が卓球部のエースになってるし。


 まあ選ばれたからには仕方がない。俺はスタートラインに立つ。


「零も選ばれてたんだな」


「翔か……女子にずいぶんモテているようだな」


「そんな怒んなよ。零だって印象力上げたら自然に持てるようになるって」


 結局印象力の差かーー!畜生!真面目に印象力を上げていればこんな事にはならなかったのに。


『それではミスター仮装レース開始!』


 俺はダッシュで机の上に置いてある紙をとる。

 紙には『2番 名探偵コ○ン』と書いてある。

 パクリじゃねえか!


 俺はしぶしぶと2番の更衣室に入っていた。そこにはおなじみの赤い蝶ネクタイに青いブレザー。白いシャツも用意されていた。あとメガネも。こんなとこだけ凝り過ぎだろ!

 俺は用意されていた服に着替える。

 そして更衣室を出る。


 そこで見た物はパクリのオンパレードだった。しかも地方のキャラクターまでパクリに来てる。やばいよこの学校。著作権侵害で訴えられかねないよ。マジでどうするの!異世界君も写真撮りまくっている。

 パクリの証拠がガッツリ写真に残ったよ。


 俺達はいたたまれない気持ちになりながらもなんとかグランドを1周する。

 来賓からは笑い声などが聞こえてたのでウケたのはウケてたらしい。

 それだけが唯一の救いだな。


 男子の仮装レースはちょっとやばいくらいにパクりだらけだったので解説はなしにする。ただものすごく盛り上がったとだけ言っておこう。


 男子の仮装レースが終わった後、すぐさま閉会式に移った。

 時間がないとのことで仮装レース出場選手はコスプレのまま閉会式の列に並ぶこととなった。ちなみに仮装レースに使った服は洗濯して後日返却するらしい。


『結果発表!』


 ということで結果発表が行われた。

 結果は1年生は優勝が我等が1組だ。2位は6組。3位は4組という結果であった。まあ俺は分かってたんだけどクラスメイトはものすごいはしゃぎようだった。

 2年生は断トツの1位が7組であった。会長のクラスはチートレベルの強さであった。まじで神がかっているクラスだ。


 残りのクラス、学年は誰も知っている人がいないので割愛させてもらう。

 優勝旗を持って委員長の山田君が帰ってくる。

 いや~優勝っていいな~。

 しかも俺はこの優勝に大きく貢献してるからなおさらだ。


 表彰の後は校長の好評があり、会長の挨拶があり、とたんたんと閉会式を消化していく。

 閉会式が終わると来賓の人達は帰っていきグランドは閑散とする。この後は片付けが始まるのだが俺は仮装レースに選ばれた為、写真撮影を行うので片付けが免除ということになる。


 まあとにもかくにもこれでようやく長かった体育祭が終わりを告げた。

これにて体育祭編終了です。

次回からは普通の1話完結のお話が続くと思います。

申し訳ないのですか7月はかなり忙しくもしかしたら1度も更新が出来ないかもしれません。(できるだけ頑張るつもりではありますが)

気長に次話を待っていてもらえると嬉しいです。

それではまた次話で。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ