クラス対抗リレーの物語
クラブ対抗リレーの選手が入場する。
クラブ対抗リレーは様々な部活動が出場する。
ただしすべての部活動が参加するわけではない。
主に規模の大きい部活動は参加しているが部員人数が3人に満たない部活や出来たばかりで未だに同好会の部活動は参加していない。中には例外で参加したりしてない部があるが。
俺は野球部所属ではあるが1年なので参加しない。
単純に走力だけみたら俺は出なくてはいけないのだがクラブ対抗リレーはガチのリレーというよりパフォーマンスの方に力を入れているので俺は参加しない。
今回参加する部活動は野球部、サッカー部、バスケ部、バレー部、卓球部、テニス部、陸上部、水泳部、ゴルフ部、弓道部、空手部、剣道部、文芸部、アニメーション部、写真部、映画撮影同好会、漫画部、フラワーアート部、家庭科部、放送部、新聞部の21の部活動と同好会が参加している。
1度に7つの部活動が第3走者まで走りそれを3回行う。
それにしてもクラブ対抗リレーに参加する部活動が20を越えるとか多くないか?
さすがはゲームならではの部活動の多さだな。
有名どころからマイナーな部活動まで網羅しているらしい。
『それでは第一走者の部活動を紹介します!まずは第1コース野球部!第2コースサッカー部!第3コースバスケットボール部!第4コースバレーボール部!第5コース卓球部!第6コーステニス部!第7コース陸上部!』
見事に運動部ばかりだな。これならガチでやってもおもしろかったかもしれない。
ここで先ほど紹介された7つの部活動の走者の格好を紹介しよう。
7つの部活動すべてが試合の時に着るユニフォーム姿である。
野球部はグローブと野球のボールを持っている。サッカー部は足元にサッカーボールがおいてある。バスケ部はバスケットボールをドリブルの要領でついている。バレー部はバレーボールを持っている。卓球部はラケットとピン球を持っている。テニス部はラケットとテニスボールを持っている。陸上部はバトンのみである。
おい!
陸上部だけパフォーマンスする気あるのか?
といっても陸上部ってパフォーマンスの要素なくない?
何でクラブ対抗リレーに出場したんだろ?
あと陸上部以外は全部球技だからバトンが球なんだよな。
しかも次の走者でゴルフ部が出るしさなんでゴルフ部を第一走者にしなかったんだろ?
そうしたら球技のクラブでそろえることが出来たのに。
やっぱり運営だな。
運営が悪いからこういうことになるんだな。
『それでは第一走者スタート!』
おうぅ。
いきなりだな。
球技系クラブ+陸上部が走り出した。
野球部は普通に走っていてサッカー部はドリブルしながらでバスケ部もドリブルしながらでバレー部はトスをしながら走っている。
卓球部はラケットでピン球を跳ねさせながら走っている。
テニス部と陸上部も野球部同様普通に走っている。
次の走者には野球部はボールを投げてパスしている。サッカー部はボールを蹴って、バスケ部はシュートの要領でパス、バレー部はトスを次の走者に引き継いでもらうといった形をとっている。卓球部もバレー部同様だ。テニス部はラケットで軽く球を打って次の走者にパスいている。陸上部は普通にバトンを渡しているが走っている途中にハードルがあった。
各クラブの特色が存分に出ているといった感じで結構盛りあがっている。
それにボールをパスする部活動に時たまミスが出て生徒、来賓含めた観客の笑いを誘っている。
第2回目の部活動は水泳部、ゴルフ部、弓道部、空手部、剣道部、文芸部、アニメーション部だ。
第2回目が1番パフォーマンスのレベルが高かったように思える。
水泳部は水着姿での全力疾走。言わずもがな女子が走るときは歓声が上がった。ゴルフ部はグラブでボールを飛ばしながら走っている。弓道部はゴール直前の的に矢が当たるまで射ていた。空手部と剣道部はゴール直前で空手と剣道のデモンストレーションが行われた。文芸部は全力疾走の後、ゴール直前で400字ずつ計1200文字のリレー小説の短編を書き上げていた。アニメーション部だけは特に何もしていなかった。
アニメーション部にパフォーマンスって難し過ぎだと思う。
アニメーション制作って室内でやるものだしな。
そして文芸部はすごかった。
あれだけ走った後に短編を書き上げるのだからさすがだ。
ゴルフ部は安全対策のためスポンジ製のボールとグラブを使っていたのでものすごくやりにくそうであった。
弓道部は百発百中で矢を的に当てるのだから凄いわ。
剣道と空手はさすがの一言だ。
俺には到底真似できない。
第3回目は写真部、映画撮影同好会、漫画部、フラワーアート部、家庭科部、放送部、新聞部の7つのクラブである。
ほとんどが文化部のため体育祭でパフォーマンスをやれと言われても出来ない部活がほとんどだ。
家庭科部がバトンをフライパンにしたり、放送部がマイクをバトン代わりに使っていたり写真部がカメラを使って走りながら撮影をしていたが少し物足りない感じがした。
まあ文化部の本領が発揮されるのは文化祭なので仕方がないと言えば仕方がない。
「さっさと出番にならないかなぁ………」
俺は次のクラブ対抗リレーに出場するので入場門に集まっている。
なので応援席にいる美咲と話が出来ない。
他クラスにも知り合いはいない。
つまり俺は暇なのである。
クラブ対抗リレーは既に最後の7つのクラブが走っているのだが長い時間招集場所で誰とも話さずボーっとしていたせいか暇で暇で仕方がない。
『1位は放送部でした!いやー我が部は強いですね?』
『そうですね。文化部の中では1番じゃないでしょうか?』
ようやく全クラブが走り終わり放送部による講評が行われている。
この講評の間にクラブ対抗リレーのメンバーは退場しクラス対抗リレーのメンバーが入場する。
どうでもいいことだけどクラブ対抗リレーとクラス対抗リレーって名前が似てるよな。
俺はアンカーなので前から4番目に並んでいる。
そこから辛うじて見える得点版を見て必ず1位を取ることを誓う。
ここで俺が1位を取れば再び暫定首位である。
敵クラスのメンバーを見る限りプレイヤーは俺以外誰も出場していない。
なので圧倒的に有利なのだが俺の前に走る3人が1周以上の差を付けられると逆転は難しい。
というより不可能だ。
俺は得点版から前に座っている味方に視線を移す。
俺は1人で練習はしたがチームで練習したことは1度もない。
なので前3人がどれだけ早いのかも知らない。
みんなから認められてるのでクラス内では上位に入ると思うんだけど。
『それではクラス対抗リレーの方に移りましょうか』
『そうですね。去年より時間押してますからね』
今気づいたが実況・解説が2人になってる。
そして時間押してるのに今まで長々と話してたのかよ。
時計を見ると午後3時。確かに残りの種目と閉会式の時間を考えるのならギリギリだな。
片付けの時間もあるし。
1人目がスタートラインに並ぶ。1組は第3コースだ。
せめて半周遅れ以内にして俺に回してくれよ。
『それではリレー競技最後のクラス対抗リレー!位置について……よーい……どん!』
パァン!
もはや聞きなれた空砲が鳴らされる。
全員が一斉スタートする。
1組は現在5位とかなり出遅れた。
「おいおい……大丈夫かよ……」
俺はハラハラしながらも1組の走りを見ている。
どのクラスも精鋭ぞろいでなかなか抜くことが出来ない。
1位とは大体20メートルくらい離れている。
「うわぁ。いきなり離されすぎだろ……」
どのクラスも応援に力が入っている特に現在1位の7組はここで1組と4組に勝てれば優勝はほとんど決まったものだからな。
逆に1組と4組からしたらここで7組に勝たないといけないでかなりのプレッシャーがかかっている。
そして現在1組が5位、4組が3位と7組に負けているのでさらにプレッシャーが大きくなっているのだろう。
ここでバトンが第2走者にわたった。
頼むぞ。1位と少しでも差を詰めてくれ。
第2走者は他のクラスよりもほんの少しだけ上回っているようである。
順位を1つ上げ4位になった。
それでも3位の4組との差は若干あいてるし2位に後退した7組ともかなり差がある。
そして現在1位を突っ走てるのが8組である。
また8組か!そう思わないでもないが正直8組が上位にいるのはありがたい。
なぜなら8組が1位を取って1組が8位でも抜かれることはないからだ。
俺がいる限り絶対8位なんて順位にはしないがな。
第2走者も100メートル付近、つまり半周を過ぎた。
1位との差は少し詰まって推定18メートルくらい。
四捨五入すると20メートルなのだが見た目的に少し詰まった気がしたので18メートルとしておく。
そのまま第3走者にバトンがわたる。
今のままだと射程圏内だ。
十分に1位を狙える距離である。
俺はスタートラインの第4コースに立つ。
それもテイクオーバーゾーンのギリギリである。
これにより俺の走る距離を少しでも伸ばして一気に逆転しようという作戦である。
第3走者がかえってくる。
順位は4位のままだが1位との差が30メートルくらいに広がっている。
3メートルくらいなら何とかなりそうではあるが簡単に引き離されなんなよ。
俺は心の中で悪態をつきバトンを受け取る姿勢になる。
『さあ!各クラスアンカーにバトンがわたっています!ここで先ほどバスケのフリースローでパーフェクトを決め知名度を格段にあげた逢坂零選手にバトンがわたりました!』
長いよ!説明が長い。あと俺かなり前から悪目立ちしてたじゃん。
なに今回の活躍で有名になりました、みたいな言い方してんだ!
俺はバトンを受け取りもうダッシュする。
1位の背中は見えている。
あとは全員ぶっちぎって優勝するだけだ。
俺はどんどん加速し一気に2位にまで躍り出た。
そして1位との差は1メートルまで縮まっていた。
『速い!速い!速い!逢坂選手がぐんぐん順位を上げていく!』
周りからはものすごい大歓声だ。
人というものは奇跡の大逆転とか史上初とかパーフェクトという記録を打ち立てたときものすごい盛り上がるものである。
俺は今回の体育祭で史上初とパーフェクトをバスケのフリースローで達成している。
あとはこのクラス対抗リレーで4位からの大逆転を演じれば印象力がかなり上がるんじゃね?
そう考えれば4位で回ってきてやる気をなくしそうになったがやる気が復活するというものである。
ゴールまではあと半周はある。
ここで8組を抜けば!
『おおっと!ついに1組が8組を抜いて1位に躍り出ました!』
俺は油断など微塵もせずそのままゴールへ突っ走る。
残り30メートル。ゴールテープは既に目に入っている。
チラッと後ろを確認するがだいぶ差が開いている。
ウサギとカメという物語では差が開きすぎて油断して最終的にはカメが勝つのだ。
「俺はウサギにはならねえぞ!」
『おおっと逢坂選手が何か叫んでますね?』
『あれは自分への戒めですね』
『戒めですか?』
『そうです。自分が余裕があればあるほど油断してしまうものです。頭の中では油断してはダメと分かっていても無意識に油断してしまうものです。そうならないよう自分に言い聞かせてるんでしょう』
『なるほど。しかし実感がこもった説明ですね?』
『そりゃあ経験がありますからね』
放送部が凍り付いた。
俺は今の話を聞いてより一層スピードを上げて1位でゴールする。
来賓や1組の生徒は盛り上がっているが放送部の実況・解説がない。
ありゃあ完全に地雷だったな。
俺は1位の所に行く。
その間にも次々とゴールしてくる。
とにかくこれで暫定1位だ。
運動能力が5上がりました。印象力が10上がりました。肩書『体育祭のヒーロー』を手に入れました。
キターー!!
印象力10アップ。これで一気に印象良くなったんじゃない?
肩書はあんまりいらないけどこれは大きな前進だな。
これで次の玉ころがしにも勝って優勝しちゃおうぜ。
『えーお知らせします。先ほど玉ころがしを中止して仮装レースを行うことが決定しました。中止の理由としては時間がないから、だそうです。以上で連絡を終わります』
え?
中止?
まじで?
なんか優勝決まっちゃったんですけど……
来賓はいちいち計算なんかやってないだろうから気づいてないんだけどいちいち計算してた俺は気づいてしまった。もうすでに優勝してることに。
しかも逆転優勝を決めたことに。
同じクラスの生徒どころか全学年、全クラスでどこのクラスが優勝してるのか気づいていない。
俺、どんな顔して喜べばいいんだろう。
次回で長かった体育祭編完結すると思います。
多分………




