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プログラム2~5の物語

今日の夕方には更新できそうだったのですが阪神タイガース対日本ハムの試合をテレビで見てたら執筆が遅れました。

それでは第18話お楽しみください。

 俺が席に戻ると既に何人かの生徒が座っていた。

 俺は席に座り入場門の方を見る。


 プログラム2番は50メートル走なので奏ちゃんが出場するのだ。

 俺が入場門の方を見ていると奏ちゃんを見つけた。

 奏ちゃんはストレッチをしていてこちらに気づいていない。


「零君、次、奏ちゃんが出る種目だよね?」


「ああ。だが奏ちゃんは敵だ。あまり表だって応援するなよ」


 俺は奏ちゃんを応援する気マンマンの美咲にくぎを刺しておく。

 敵チームとはいえ友達だし応援するのは別にいいのだが外聞がよろしくない。

 

「分かってるよ~。零君は心配性だな~」


 軽い感じで返事をする美咲。

 いや本当に分かってんのか?

 たまに心配になってくる。


「ならいいけど」


 俺としては美咲がやらかしそうで怖いのだが今はこう答えるしかなかった。

 だってしょうがないじゃん。

 今ここで女子に嫌われたくないし。

 ゲームの中くらいハーレムの夢見てもいいだろ。


『プログラム2番50メートル走です』


 このアナウンスとともに音楽が流れる。

 おそらく入場曲なのだろう。

 50メートル走出場選手は行進をしながらスタート地点にいく。


 早くも1組目が走る準備をしている。

 だいたいの種目がそうなのだが基本1年男子、1年女子、2年男子、2年女子、3年男子、3年女子の順番で行われる。

 中には男女の順番が入れ替わったりするところもあるのだが。


 しかしこうしてみると壮観だな。

 横1列に8人並んでるんだもんな。

 グランドのトラックは6コースしかないので2人はみ出している。

 

 50メートル走は男子4名、女子4名と1クラス8人も出している。

 なるほど。

 これだけ人数を出すのなら最低2種目というのもうなずける。

 中には3種目、4種目に出場する人も結構いるようだ。


 50メートルやハードル走などの短距離走これでもいいのだがリレーのスタート時に1コースと8コースの距離がかなり空いてしまう。

 そしてバトンを渡す時に混戦で最下位だった場合、走ってる1コースから次の走者がいる8コースまで行かなくてはいけないので時間のロスになる。


 パァン!


 スタート係の人が拳銃の空砲を上空に向かって打つ。

 1組目の生徒が一斉スタートする。

 よし!

 1組が現在1位だ。


 あ、そういえば俺達が何組なのか説明するの忘れてたな。

 え、誰に説明するのか?って

 決まってるだろ?読者様だ。読者様。


 おっと話がずれた。

 俺と美咲は1年1組。

 学年は言わなくてもわかると思うが俺は親切なのだ。


 二神()は1年2組、三上(後輩君)は1年3組、四ツ原(奏ちゃん)は1年4組、五月雨(社長)は1年5組、六角(愛さん)は1年6組、一色()が1年7組だ。

 ちなみに七草(会長)は2年7組だ。あとたまに出てくる会長のファンのえ~と森だったかな?は1年1組で同じクラスだ。

 コイツだけなぜか名前を覚えることが出来ないというか曖昧なんだよな。

 

『おお~速い!!4組が圧倒的だ!』


 解説を聞きもしかしてと思いながらコースを見ると奏ちゃんがすでに走っていた。

 いつのまに1年男子が終わったんだ?

 そして奏ちゃんはそれはもう圧倒的に1位でゴールした。


 ちょっと大人げないよね。

 もう少し手加減してやれよ。

 奏ちゃんと一緒に走ってた他クラスの女の子泣きそうになってんぞ。


 奏ちゃんは俺達を見つけ手を振っている。

 何かを言ってるが聞こえない。

 しかし予想は出来る。

 大方ちゃんと見てましたか?とでも言っているのであろう。


 俺が手を振り返すと奏ちゃんは笑顔になる。

 可愛い。

 これじゃあ怒れないじゃないか。


「零君、奏ちゃん凄かったね」


「あた……そうだな」


 危うく「当たり前だろ。俺達はプレイヤーなんだから」と言いそうになった。

 危ない危ない。

 美咲の前で口を滑らすわけにはいかない。


 50メートル走は1年男女総合1位は4組、2位は2組、3位は1組だった。

 やはり奏ちゃんの印象が4組を上位に押し上げたと思う。

 奏ちゃんの後に走った4組の女子生徒は1位、2位、1位と4人全員が上位入賞。男子も3位以内に入っている人が2人いた。

 2組は目立ったところはないが堅実に男女合わせ計8名全員が3位以内に入っていた。

 1組は男子は強かったが女子が少し順位を落とした。

 しかし4位や5位で真ん中あたりの順位だったのでぎりぎり3位に滑り込んだ形だ。


『プログラム4番ハードル走』


 おっともうハードル走が始まるのか。

 ハードル走は80メートルのコースでスタートからゴールするまでに3つのハードルが置かれている。

 このハードル走には早くも2つ目の競技となる奏ちゃんが出場する。

 

 ちなみにプログラム3番は玉入れでなんともレベルの低い戦いであった。

 1位が100個置かれている玉のうち38個しか入れてなかった。

 最下位に至ってはまさかの1桁だった。

 しかも先の50メートル走の奏ちゃんの走りの余韻に浸ってる間に行われたらしくまったくもって盛り上がらなかった。

 

 この玉入れには愛さんが出場してたのだが観客ギャラリーの反応を見るや否ややる気を失った。

 愛さんはモチベーションがあるととんでもない力を発揮するがモチベーションがないととことん駄目だ。

 それでも最低限の仕事を果たし38個を他に何人かいたにもかかわらず1人で籠に入れた。

 モチベーションがなくて38個も入れたのだから愛さんにしては頑張ったと思う。

 正直モチベーションがあれば100個すべて籠に入れるなどたやすいことだっただろうに。


 そうこうしているうちに奏ちゃんの番になった。

 美咲はさっきから奏ちゃんに後ろの列から手を振っている。

 そしてクラスメイトから無言のプレッシャーが………


 やめて美咲。

 もうこれ以上はやめて。

 こちらに飛び火がくるからマジでやめよう。

 美咲が奏ちゃんと友達なの知ってるからさ、同じ友達の俺のこと思い出して。

 

 パァン!


 空砲を合図に一斉に走り出す。

 ここでも奏ちゃんは圧倒的だ。

 奏ちゃんは運動は得意な方ではなかったので1位を取れるのが嬉しいんだろうがちょっと差をつけすぎてるね。

 そんな速さで走ってたらこのゲーム内ではオリンピック目指せるレベルだよ。

 なんかスカウトに追い掛け回されても知らないよ。


「奏ちゃーん。頑張ってー」


 美咲が大声で敵チームの応援を始めた。

 美咲は出場者の列に並んでいるはずなのにコッチにも声がばっちり聞こえてくる。

 やっぱりやらかした。

 クラスメイトの無言のプレッシャーがさらに強まる。

 男子は若干俺の方にもプレッシャーをかけてきている。


 美咲ストップ。

 俺に火の粉が飛び散ってくる。

 もろに俺に火の粉が当たってる。

 First of all to help me(まずは俺を助けて)


 バリバリの日本人なのに英語が出てくるほど追いつめられてんだよ。

 早くコッチの様子を察して美咲。

 俺もうこのプレッシャーに耐えられないよ。


奏ちゃんは余裕の1位でゴールした。

 美咲は喜んでいる。

 俺の願い通じずか……


「おい逢坂。なんで桜さんが敵チームを応援してんだ?そもそもあの娘お前と仲が良かった娘じゃなかったけ?」


 俺は男子に囲まれる。

 俺が横目で美咲を見るとスタート地点に立っていた。

 

「確かに奏ちゃんと仲は良いけど美咲も仲が良いっていうか……」


「へーそうなんだ。でもさコッチだって優勝目指して頑張ってるんだよ?それをさ他のクラスを応援されたらモチベーション下がるよな。しかも学年でも1、2を争う美少女にさ」


 1人の男子に詰め寄られる。

 俺は後ずさりするが男子に囲まれてるため逃げ場がない。

 美咲が走っていることにも気づかず男子の視線は俺に集中している。


「そんなこと言われても……」


 今回ばかりは本当に困る。

 だって俺何もしてねえもん。

 だいたい美咲に嫌われたくないからってなんでいつもいつもコッチにくんだよ。


「ねえ零君。奏ちゃん凄かったね」


 美咲が笑顔でコッチにやってくる。

 美咲は1位でゴールしたようだ。

 つか1位の人が並んでいる列にいなくていいのかよ。

 でもまあ助かったのは事実だ。

 ここは感謝しておこう。


「あれ?零君何やってるの?」


 良し良いぞ。

 もっと言ってやれ。


「いや俺達は逢坂君とお話してただけなんですよ」


 うわっ!

 変わり身早ッ!

 しかも敬語で俺のことも君付け出し……

 本当に調子のいい奴らだ。


「助かったよ美咲」


「え、助かったってどういうこと?」


「実はな――――」


 俺は先ほどの男子生徒とのやり取りを美咲にチクった。

 ただ美咲が罪悪感を覚えないように奏ちゃんを応援してたのは俺ということにしておいた。

 中学の頃にもいろいろと先輩や同級生の悪事(授業中に携帯、ゲーム機等をいじってたことなど)を先生にチクったものだ。

 生徒からはチクリと言われたがこちらとしては先生にチクって何が悪い、という感じである。

 そもそもゲーム機とかいじってるてめえらが悪いんだろうという話である。


「ひどい。別に奏ちゃん応援してもいいじゃない。私、男子に文句言ってくる」


「待て美咲。そんなことをするより男子に軽くでいいから冷たくしてもらえると嬉しいのだが」


「そんなんでいいの?やっぱり零君は優しいな」


 俺は男子の方に行こうとした美咲を呼び止め男子に最も男子にダメージを与える仕返しを頼む。

 美咲は男子に冷たく接することを甘い罰だと考えてるようだが男子からしたら島流しに等しい罰である。

 クククッ

 何も悪くない俺に文句を言うからこうなるのだ。

 俺は心の中で高笑いをしながら美咲に冷たくされた男子の反応を想像する。

 やばい俺がどんどん陰湿な奴に………


 美咲は2年生がスタートラインに立つと同時に列に戻っていった。

 俺達が他クラスからしたらどうでもいいやり取りをしているうちにハードル走が終わった。

 

『さあ!早くも3種目が終わりました。ここで得点の中間発表だ!』


 おそらく放送部の生徒が喋っているのだろう。

 テンションが無駄に高い。


『1年から発表するよ!1組38点、2組35点、3組28点、4組45点、5組32点、6組38点、7組33点、8組30点!』


 現在同率2位か……

 それにしても4組は奏ちゃんの活躍もありダントツで1位だな。

 そして後輩君のクラスは唯一の20点台か。


『さあ続いて2年生だよ!1組は――――』


 会長のクラスは1位だった。

 さすが会長のクラスだな。

 だが3学年とも意外に競っている。

 なんせ1位と最下位の点差が全学年20点差以内なのだ。


 これはますます得点の高い競技が重要になってくるな。

 次の競技は二人三脚だ。

 プレイヤーの男子や会長の出場競技は知らないが、恵、愛さん、奏ちゃん、俺の4人は誰も出場しない競技である。


 俺は美咲と一緒に二人三脚を観戦する。

 この競技は男女混合のハズなのだが見事に男子と男子、女子と女子のペアに分かれ男女のペアは1組もいない。

 しかしこれだと男子のペアがかなり有利になるな。


 パァン!


 幾度目かの拳銃の音を聞きながら二人三脚を見る。

 男子が有利だと思っていた二人三脚だが女子は息の合ったプレーで上位を独占した。

 男子は足を出すのが内か外かで喧嘩になったり、ペアの足の速さが違い過ぎて遅いほうが早いほうに引きずられたりしていた。

 男子ダメダメじゃん。


 俺達のクラスは男子1組女子1組だったので、なんとか上位に入ったと思う。

 女子の方は上位に入って喜び合っていたのだが、男子は最下位は免れたもののかなり下の順位で喧嘩になっていた。


「お前が内側から足を出さないからだろう!」


「はぁ!お前だって足が遅すぎるんだよ!」


 なんか小学生レベルの喧嘩だな。

 どちらも殴られるのを恐れ中途半端にガードしながら相手のせいにしようと大声を張り上げる。

 しかもどちらも腰が引けているので周りは喧嘩を止めようとせず笑っている。

 確かに腰が引けてるくせに口だけは達者なこいつらのことは笑えるけど誰か喧嘩止めろよ。


「そこらへんでやめとけよ」


 俺が割って入ると急に喧嘩をしていた男子が手を組む。


「はぁ!美人を囲ってるお前にいわれたくねえんだよ」


「そうだそうだ!ふざけんなよハーレム野郎」


 なんで俺が割って入った瞬間手を組むかな。

 俺がせっかく喧嘩を止めてやろうと思ったのにまた男子に囲まれてるし。

 まあ喧嘩は止まったからいいんだけどそれにしてもハーレムが羨ましいならお前らも作ればいいのに。


 まあ二人三脚で負けたくらいで喧嘩になるほど幼稚な奴にハーレムが作れるとは思わないけどな。

 とにかく俺が男子にさらに恨まれるというか友情度がだだ下がりしたが喧嘩は止まったので良しとしよう。


 印象力が1上がりました。


 これって上がった分と下がった分を計算してトータル+1ってことなんだよね?

 あれだけ頑張ってマジで1しか上がってなかったら泣くぞ。


 とにかく体育祭はまだまだ続く




 



 


 

 

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