04浮気してる婚約者もいらないし、利用しようとしてる王家も鬱陶しい
「浮気してる婚約者もいらないし、利用しようとしてる王家も鬱陶しい」
今まで言いたくても言えなかったことを、ぶちまける。
「なっ、君のことを愛してるのに」
「はいはい、嘘嘘」
「嘘ではないっ」
貴族の言葉も気持ち悪い。こちらは平民だから見下してたの知ってるんだっつの。ルフェインに呼びかけて証拠の映像を映してもらう。壁にて上映されるのは彼がこちらを馬鹿にしたり、他の女性に言い寄ってデートしたり浮気する姿。
あんな女、出来損ないだから毒殺でもして殺してやるよ、と粋がってまでいた。そんなことしたらどうこうなるわけでもないから、悲しいかな。なにもできることはなかった。
「ということだ。王。分かったな?」
「はい」
王は項垂れながらも元婚約者に殺気を込めた目を向けている。
「たかが、王族の系譜の端に引っかかっている程度の、子息めが」
王は恨めしい言葉と共に殺意をみなぎらせていた。元婚約者はそれから逃れるためにひたすら下を向いて見ないようにしていた。無駄なことを。
神殿関係者らには、聖女じゃなくておれの嫁だから聖女じゃないと二度同じことを言う。大事なことだから、らしい。言いたいことはわかるよ。神殿長達は引き留めようとする。そもそも、間違えたのはそっちだと責めた。
「私はちゃんとあの時聖女じゃないと否定したのに、あなた達ときたらいつまでも私を下に見て」
恨みと憎しみを込めた目を二人に向ける。神の花嫁と知れた今、その女に睨みつけられていることに恐怖を感じているのか、震える面々。そんなことで逃げ切れるわけがない。きっちりやるから。
「うちの嫁さんが報復をやり切ると決めているから、お前達には滅びてもらう」
ルフェインが決まっている事項を彼らに告げる。
「そ、そんなっ」
「あまりにも急で!」
「そうはいっても、お前達の秘密とか聖女にやってきたことを全ての国とこの世界に全てに送りつけたから、隠すのはできないぞ?」
「「「はああ!?」」」
全員、黙っていた王族関係者達も声を揃えて叫ぶ。
「だって、おれの嫁をいじめたんだぞ?許される方法も道もないぞ?今までやってきたことを胸に手を置いて思い出してみろ。お前らも家族に同じことをされたら同じ目に合わせたくなるからな」
至極もっともなことを言われて関係者達は腰を抜かしたり、伏せたり倒れたり、泣き叫んだりとさまざま。去って家に戻ろうとしたが父親のことを思い出す。
起こすためにバチンバチンと頬を何度も往復させて叩く。今まで叩かれた回数をなんとなく記憶しているから、その分叩かなくては。
「おぐ!?な、なん、おぐ、おが!ぶは!」
起きても構わず続けた。回数はまだ残っているけど、伝えなければいけないことがあるから一旦中止する。
「まず、婚約者とは婚約破棄した」
それと、神殿のものを矢面に立たせて聖女ではなかったことを父親に説明させる。認めたのがこいつらならば、違ったことを伝えるのもこいつらの役目。
首を振ってそんなわけがないと言いたげな男に鼻で笑う。その横では、親による叩かれる日々の映像が流れ続ける。
「おれが嫁さんに生まれ変わる前に将来嫁になってくれって頼んだ」
全ての始まりを父親に説明していき、その時に聖なる気が纏われてしまった誤認なのだと知らせる。それを知り、白くなる父親。
「でもな?」
ルフェインが怖い顔で目を細める。
「それとパルミティアを叩く理由は繋がらねえんだよな?」
「ひぐ!?」
殺気を男にぶつける。お前だけは他のやつと違って、別のコースを用意してるからなと教えてあげていた。優しいね。父親に情けはないので、また叩くのを開始する。気が済むことはないけどある程度仕返ししたことで区切りはできた。
この人を親と思ったことはない。それに、血のつながった兄弟達も他に落ちようとどうでも良かった。
彼らとて、こちらを庇ってくれたことも守ってくれたこともない。そんなことをする恩などないのだ。この国の籍も彼に消してもらう。
それに、全員やめてほしいという顔をしていたけれど、なにをしたか他国に知られているからもう引き止めることも、他国にいるパルミティアを返して欲しいと言っても無駄なのだ。籍がないから返されないし、ここまでされたら出たくなるのも突然だと皆が思う。
それと、聖女とめされた女が他国に流れるとなれば、国は弱みを見せたことになる。パルミティアはざまをみろとほくそ笑む。
取り敢えず、自身を利用した人達の額に消えない文字を、刻んでもらうことにした。集まった面々の額に刻まれた文字に、互いを指差す大人達。
「な、なんだこれはっ」
「つみ?罪っ!?」
「私の額はどうなっている!?」
「わ、わたくしの肌にっ、なんてことっ」
「いやーっ!消して!消してよっ。命令よ!」
「命令?」
命令と叫ぶ王女にパルミティアは凄む。
「私に命令するの?人間が?聖女かもしれない私に?花嫁かもしれない私に?」
瞳孔を開く様は正に闇堕ち。
「ひっ」
王子も口を開こうとしたのか急いで閉じた。




