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辻裏からどこかの裏へ
「占いだよー、あったるよー」
元気な声が当たりに響いているが、ここはどこだったろうか、と一児の母になった少女は少し悩んで、そちらに視線をやることにした。
「阿蘭……」
「ねぇちゃん、久しぶりー! 元気だった? にぃちゃんと祝言挙げたんだろ? うまくやってる?」
立て板に水の質問も、何となく懐かしさがあるような気がする。
いや、その前に、こんな場所に少年が居ていいのか、と突っ込みそうになって、口を噤む。
「はい、これにぃちゃんとねぇちゃんに。守り刀!」
小さなそれは、武器としては使えないだろうけれど、幼い子供に刃物の使い方を教えるのに重宝しそうなものだった。
「これをいつも枕元に置いてね。魔除けになるから」
そう言い終えるといつぞやのように掻き消えて、あら?と辺りを見回した少女に、お付の女官がそっと声を掛けた。
「どうかされましたか?」
少年と話していたときには周りには誰も見当たらなかったことに、その時はっと気が付いた。




