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守り刀
少し遠くなった一家を思うような目をしながら、少年はせっせと刀を研いでいた。
鋭利な刃物ではあるが、あまり大きいものではない。せいぜいが守り刀というところか。
あるいは、子供に与える最初の刃物というものかも知れない。それを二つ、作っていた。一つは少し大ぶりに、もう一つは小ぶりにして細工も繊細に。そういった違いがはっきりと判ると同時に、それは二つで一組だと明らかに判る品物だった。
「珍しいものを作ってるじゃないか」
少し低い女性の声が、少年をからかうように呟く。
「これから大変だと思うからさ」
手遊びのように大小の守り刀をくるくると回しては研ぎ具合を確認する。
「よし!」
それが届くのかどうかは、母は知らない。




