どうもランシアさん、ありがとうございます
ランシアは背中のアルクをガッチリと掴み、そして目の前の龍種の頂点へと投げつける。それと同時に反対の手で、アルクを隠すように槍を投げる。
「やってしまえ!」
ランシアはアルクに向かって声を掛ける。
「うああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
アルクは龍種の頂点に手のひらを当てて『呪い』を使った。アルクの手のひらから今までの比にならない大きさの黒い球体が現れ、龍種の頂点の腹の中へと隠して飲み込む、そしてその瞬間………………!
「巨大化!!!!!!!!」
ランシアがそう叫ぶとランシアの槍が広大な煙と共に何倍にも巨大化される、その光景はまるで………………まるでランシアの槍が龍種の頂点の腹を中から突き破ったようであった。
宙を舞うアルクの足に黒い線がまとわりつく、コープルの髪だ、そしてアルクは足を引っ張られコープルの手の中へと収められる。
「……回収完了……!」
コープルはアルクをお姫様抱っこしながらそう呟く。
「………………」
「……何してるの……?」
「いたい!」
アルクは手を放され腰から地面へと落ちる。
「というかキチリーは!? ジャンニャーはどうなったんだ!?」
アルクはコープルの肩を掴みグワングワンッ! と振り回す。
「……酔うからやめて……」
「すまない」
「……で、キチリーとジャンニャーだけど……………………」
コープルは酔っているのか少しよろけて、言葉にしようとしたときアルクの両肩に手が置かれる。
「っすよぉね、ま、元気ピンピンってところっすよ!」
「我は元気ピンピンというわけではないですけど、体調は戻ってきましたよ」
キチリーとジャンニャーがフラフラと現れた。
「……既に回復魔法をかけておいた……」
ドヤ顔でそうコープルが宣言した。
「……それにしても回復力が凄すぎる、流石Sランクパーティー……」
コープルが驚いたような顔で呟く、そしてその後ろから身長の高い女が現れる。
「はっはっは、やったな! 龍種の頂点のやつめ、残りの残機ごと消え去ったぞ!」
ランシアが徐々に小さくなっていく槍を片手で回しながら、アルクに顔を向ける。
「………………しかし凄い能力だな、その『呪い』というのは」
アルクはその言葉にビクッと体を震わせたが、ランシアへと話しかける。
「………………『呪い』があそこまでの威力が出たのはあいつが滅茶苦茶強かったからです」
「一体どういうことだ?」
「相手の強さに比例するんですよ」
アルクはコープルをチラッと見て言う。
コープルの時は手のひらサイズの球体であったが、今回の『呪い』は龍種の頂点を飲み込むほどのサイズであった。
「………………なるほど……何でだ?」
「分かりません、けど、多分僕の強者に対する嫉妬心からなんじゃないですかね?」
「という事は弱い相手にはそこまで効果が無いわけだ」
アルクは恥じるように言う。
「………………ですが当たれば一発で勝てるのならば対した違いはないのではないでしょうか?」
ジャンニャーが問いかける。
「違うんですよ、問題は相手が弱かった時じゃないんです……問題は……」
アルクが次の言葉を言おうとした瞬間、ランシアに声を掛ける者が現れた。
「ってえ、ッつ!? ランシア! 一体どうなった!」
頭に瓦礫が降ってきて抑えているギルド長が走って来た。
「あぁ、ギルド長か、終わったよ……見ろ!」
ランシアは空を指さす。
「私があいつを倒しておいた! 街は救われたぞ!」
ランシアはチラリとアルクの方を見てウインクをする。
「(ありがとうございます)」
その様子を見たアルクとコープルはその場を離れる。




