どうもギルドに向かうことになりました
アルクがコープルを下しその場を立ち去ろうとした時、足を掴むものがいた。コープルだ。
「まだやるのか」
「……違う……」
そう言ってコープルは切り落とされたアルクの腕を取る。
そしてその腕を切り口に合わせ押し付ける。
「え? ほんと何すんの? 普通に激痛なんだけど」
「……回復魔術……」
緑の光が接着面を覆い、瞬きをする次の瞬間には傷口は完全になくなり切れる前と何ら変わらない状態へとなっている。
「いたたたたたたたたたた!!!!!!!! 痛みどうにかならないの!?」
痛み以外は。
「……それぐらい我慢したら……?」
「やったのお前だからな!」
「……直したしチャラになる……」
コープルは口を尖らせそう言う。
「それを加害者が言ったらダメなんだよ!」
コープルは落とした杖を拾い、それを使って起き上がる。
「……とりあえず、ギルド長に合いに行こう……」
「……何でそんな切り替えられる」
「……分からないけど、多分思考をいじられてたかも……?」
コープルは杖を頭に当てて瞑想をする。
「……やっぱり、頭の中に私のじゃない魔力の残滓がある……」
「………………どういうことだ?」
「……分からないけど、何でさっきまであなたに敵意を持っていたのか理解が出来ない……」
「………………自分のさっきまでの行動を説明ができないという事か?」
「……そういう事……」
コープルが杖をクルクルとしながら壁へと当てる。
「何をしているんだ?」
「……魔力の残滓を辿ってる……」
「お前の頭をいじくった奴のか?」
「……違う、私の……」
「何でそんなことをするんだ?」
「……私がどうやってここまで来たかを確認しておけば、自分がどこで洗脳されたかが分かるはず……」
コープルは当てていた杖を放し歩き出した。
「どうだ? わかったか?」
「……ダメだった、途中で意図的に枝分かれさせられてる。相手はかなりの使い手みたい……」
「そんなに凄い事なのか?」
「……自分の残滓を操作するのは基本だけど、他人の残滓を操るのは高等技術……」
コープルは先行して道を進み、アルクもそれに続く。
「……急いでギルド長に報告をしなくっちゃ……」
「同意だ、確実にこの街で不穏なことが起こっているからな」
アルク達は路地裏の出口へと向かって走り去り、ギルドへ向かって走っていった………………物陰に見ていた人物がいるという事に気づかずに。
「へー、洗脳に気づくだなんてなかなかやるじゃないか。うまく隠したはずなんだけどな」
そいつは懐から小瓶を取り出し中身を飲み干す。
「ま、それでも僕の細工には気づかなかったみたいだからまだまだ甘いね」
そいつは小瓶を握りつぶし、破片で手から血を滴らせる、痛みを感じている様子はない。
「しかしアルク君ね、面白いじゃないか。この騒動で君の力をとくと見させてもらおうじゃないか」
手から滴る血を口へと運び、そいつは影の中へと消えていった。




