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どうも、とても目的が分かりやすいです

「お、お前がいったいどうして!」


 現れたのはコープルだった。手に杖を持ち一歩ずつアルクへと近づいてくる。


「……答える理由はない……」


 コープルがアルクへと指先を向ける。その瞬間、指先から爪がアルクに向かって射出された。


「ッつ!?」


 突然の攻撃ではあったがとっさに剣を前に出したおかげで、剣が粉々に壊れるだけで済んだ。


「一体なんでこんなことをするんだ、子供達をゴブリンにしたのはお前なのか!」

「……ゴブリン? 一体何を言っているの?……」

「やったのはお前じゃないのか? だから見つけた俺を狙っているんじゃないのか?」

「……少なくとも私はそんなことはしていない……」

「だったら協力してくれ、ギルド長に伝えに行かないといけないんだ」

「……無理、こっちにもこっちの用事があるから……」

「だったら、だったら無理矢理突破してやる」


 アルクはコープルに向かって拳を作り走り出す。

 コープルは迎え撃つように手を向けて爪を三発打ち出す、が。


「その爪、威力は凄いが動きが直線的だから躱しやすいな!」


 その爪を華麗に躱すアルク。さらにコープルとの距離を詰める。


「……突っ込んでくるだけのそっちこそ、動きが単調だと思うけど……」


 突如としてアルクの足元に髪がニョキニョキと生え、足をからめとる。


「ッぐ!?」

「……チェックメイト、それじゃ躱せないでしょ……?」


 コープルは先ほどとは反対の手をアルクへと向けて、五発同時に撃ち込む。

 絶体絶命に思われたが、アルクには『呪い』がある。


「おらあ!!」


 アルクの手から黒い球体が五つ現れ、爪を相殺していく。


「……やっぱりその力、あなたはここで仕留めておかないといけない……」


 消えた球体を睨みつけ、覚悟を決めた顔をするコープル。


「一体どういうことだ?」


 足に絡みついた髪を小さい球体で消し去り疑問を呈す。


「……答える理由は無いと言った……」

「……メリッシュか?」

「………………」


 目を泳がせるコープル。


「図星か、俺の能力とメリッシュがどうかかわって来るっていうんだ」

「……言うわけがない……」


 このままやっていても時間が経つだけだと判断したコープルは蠢く髪を伸ばし、その髪で壁の取っ掛かりや地面を押し瞬間的にアルクとの間を詰める。


「……死ね……」


 手に持っている杖を振り上げアルクの脳天へと振り下ろす、が。


「ッぐぅ!」


 アルクはそれを両腕で受け止め、致命的な攻撃を阻止する。


「……私の勝ち……」


 人の体にある爪は十枚だけでは無い、足にもう十枚ある。その十枚をアルクの腹へと、靴を突き抜けさせ撃ち込んだ。


「づう!?」


 腹に十発、致命的なダメージだ………………当たっていたならば。

 アルクは当たる瞬間に『呪い』の球体でかき消していた。


「あ、危なかった」


 アルクはコープルとの距離を取る。


「……あなたの能力がだんだん分かってきた……」


 コープルもアルクから少し距離を取る。


「……あなたの能力、『呪い』は対象から力を吸い取り、それを球体として出現させるといったところ……?」

「(まあ大体そんな感じ、察しがいいな)」

「……その反応は少し考察に穴がある……」


 コープルは再度攻撃を開始する。

 髪の毛を操り、拾った瓦礫をアルクへ投げつける。


「危ないな!」

「……攻撃されてるんだから危ないのは当たり前……!」


 アルクはその攻撃を躱す。


「……瓦礫は打ち消さない、と……」

「………………今の攻撃はそういう事ね」

「……魔法しか打ち消せないという事……?」

「………………………………そうだ」

「……絶対違う、いや、違わないけど完璧ではないって感じ……」


 コープルは髪の毛や、いつの間にか生え直した爪、はたまた瓦礫や魔法を組み合わせアルクに攻撃を加える。


「……風の刃(ウィンドウ)……」

「っつ!」


 アルクは躱そうとしたが、風の刃(ウィンドウ)の攻撃範囲が広すぎて躱せないと判断し、また『呪い』で打ち消す、そしてその風の刃(ウィンドウ)と共に投げられていた瓦礫を間一髪で躱す。


「……完全に理解した、敵対者が作った物しか消せない、そして違う物はすり抜ける……」

「………………………………違う」

「……分かりやすい……」


 だったら、とコープルは言って蠢く髪を操り腰の短剣を取る……そして。


「……これで仕留めきる……!」

「一体なんだ!?」


 コープルのすぐ目の前に髪を束ねて束ねて束ねて束ねて束ねる。束ねた髪の先端には短剣が付いており、剣先がアルクの事をしっかりと捉えている。


「……傾向的に、あなたは人をその『呪い』で消し去らない、そうでしょ……?」

「(よくわかっているじゃないか)」


 コープルのしようとしている何かを防ぐためにアルクが『呪い』を使えば、コープルも巻き込んでしまうだろう。コープルもそのことを分かって、そこに付け込んでいる。


「……それが優しさからなのか、人を殺す恐れからなのかは知らない……」


 さらに髪を束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねる。


「……けど、どんな理由を持っていようと、どんな思想を持っていようと……」


 束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねて束ねる。


「……その力はいつか絶対に暴発する、メリッシュに少しでも危険が及ぶ可能性があるなら、あなたをここで殺す……!」


 コープルは髪に着いた短剣を打ち出した、髪は何層にも何層にも束ねられており、一つ目の層が二つ目の層を押す、そして二つ目の層が三つ目の層をという風に前方へ前方へ押し出しそれを何千回も繰り返した先に押し出される短剣の発射速度はまさに豪速の速さとなる。


「……貫け……!」


 アルクにとっては不可避の一撃、躱すことなどできようもない、貫かれるという未来は変えようもない………………で、あるならば。


「躱せないなら!」


 アルクは飛んできた短剣を躱そうとはしなかった、ただ腕を犠牲にするだけで死という未来を防いだ。


「づうううう!!!!!!!!」


 アルクの左手は後ろへと吹き飛んで行ったが、致命的に貫かれるという未来は変えられた。

 そしてすぐさまアルクはコープルを突進していく。


「……ッつ……!?」


 アルクは右拳を握り締め………………!


「お前がメリッシュを大切にしているのは分かるが! 自分の為に親友が人を殺すなんてことは望んでねえだろ!」

「……うるさい……!」


 コープルは髪を、爪を、魔法を使いアルクへと攻撃を行うが、殺しきれなかった事に同様しているのか攻撃が単調だ。

 アルクはコープルの攻撃を躱し、『呪い』を使い打ち消し、コープルへと突き進んでいく。

 アルクはそのまま握りしめた拳をコープルの顔面へと叩き込む。


「いっぺん頭を冷やしやがれエええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 その一撃で、コープルとアルクの決着が着いた。

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