第2話
「こよみ…こよみさま…暦様!」
「うんぁわ?」
大きな声で起こされた。声の方を向くとメイドのアリスがいた。
「うんん、どうしたんだ?」
「暦様、緊急事態です。今すぐに御当主様の元へ。」
俺は急いで衣服を直す。
「親父は?」
「執務室におられます」
部屋を出て、親父がいる執務室に向かう。
ドアを3回ノックし入る。
「来たか…すまないな」
「いや、別に大丈夫だ。しかし、緊急事態ってのは一体」
親父はうつむいていた顔をあげ、苦い顔をしている。
「実はだな、お前も聞いた事があるだろうが、救世主の伝説上の邪龍が蘇った。その報告を受けた帝は三英傑、四神、五王を収集した。」
三英傑に四神、五王ね。これは結構な自体になってんな。
「帝は、有事であるため、三英傑、四神、五王の息子達を収集する事を決めた」
「は?」
おいおい、それは一体どういう事だ?なぜ、当主ではなく、息子である俺たちを収集するんだ?
「当主は各領地の有事に備え、息子達にて、邪龍を討つ考えだ」
「つまり、俺に行って来いって話ってわけだな」
それはつまり、無駄死にしろってことだろ。
それはやだなぁ
「それは断ることはできないのか?」
「帝の御命令だ」
「そうか…」
チッ、クソがつくほどダリことねぇ。当主は領地を守れってつまり、強い駒を使いたくないって事だろ。
「なら、断る!」
「は?」
親父はぽかんとした表情をしている。
「無駄死にしてこいって事だろ。やだよ、まだ死にたくないし」
親父の顔に青筋が浮かぶが気にせず話し続ける。
「てか、邪龍如きでなんだ。そんなんで騒いでたら後のバケモン共相手できねぇよ」
ドガァン
親父は机を叩き立ち上がる
「おい、クソガキ。てめぇなんて言った?」
俺も立ち上がり、青筋を立てる親父の顔を見る。
「嫌だって言ってんだよ、このアホオヤジ!」
サッとしゃがみこみ、親父の右ストレートを躱す。
「ハッハッハ、言ってくれるじゃねぇか。もう一度、ぶっ飛ばしてやるよ!今度は王都までなぁ!」
「ほざけ、ぶっ飛ばされたんは、6年前までの話だろ」
立ち上がり、後ろに下がる。親父は机をぶん殴り、飛ばして来るが飛んできた机を倍の力で殴り返す。机は粉々になり、親父の姿を確認しようとした瞬間、右に魔法壁を展開する。そこには剣を携えた親父が殴りかかってきていた。
「はっ、鈍ったんじゃないか?前よりも動きが遅いぞ」
「黙れ、」
親父は剣を持ち、魔法壁を容易く切る。
「まぁ、そうするわなぁ!」
魔法壁の後ろ側に仕掛けていた爆裂魔法を発動させるが、全く持って意味が無い。親父は傷一つもなく立っていた。
「たく、バケモンだな相変わらず」
親父はただ静かにこちらに歩いてくる。俺も親父に向かって歩いていく。両方が一撃で仕留めようとした瞬間、喉元にはナイフがあった。
「そこまでにしいや、これ以上暴れるんやったら、堪忍せえへんで」
俺と親父の間にはオカンが立っていた。
「いつの間におったんや」
「どけ、そいつは俺がぶっ飛ばす」
オカンは、親父の言葉を聞いた瞬間、親父にアッパーをし気絶させた。
「はぁ、困るわ」
(相変わらず、バケモンしてんな。どうやったら親父を一撃で気絶させれんねん)
「あんた、口調戻ってんで」
「ああ、ほんまや。」
オカンは気絶している親父を肩に抱え、こちらを向く。
「で、何があってこんな事になっとんの?」
「それは…」
俺はオカンに今起きていた状況を全て説明した。すると、オカンに頭を叩かれた。
「それは、アンタが悪いわ。帝さんの聞かなあかんで」
「けど、なんで当主が行かなくて俺が行かないと行けないんだ?」
オカンは困った顔し、そっとため息をつく
「内緒やけど、帝さんな、稽古つけるつもりでおるねん。邪龍が出た後、無数の邪神やったり、魔人やったり出てきよるからな。それをうちの旦那とか、シューはんとかだけやと持たんから。それで、アンタが呼ばれてん」
「なるほど」
そういう事だったのか、てっきり、強い駒を使いたくなっいってだけだと思ってた。
「はぁ、コイツには理解したって言っといたるから、アンタは早う王都へ行き。多分もう他の子集まとるんちゃうか?」
「わかった。ありがと!」
俺はオカンに後のことを任せ、部屋を出る。そこにはアリスがいた。
「暦様…また、喧嘩したのですね」
「まあな、俺は今から王都へ行く。俺の部屋を綺麗にしといて欲しい」
「もうとっくに終わってます。というか、暦様一人で行かれるつもりですか?」
「そうだが」
アリスはやれやれといった感じで、俺にカバンを渡す。
「私も、いきますよ!」
「はぁ!?」
なんで、アリスも行くんだ。呼ばれたのは俺だけなのに
「暦様、私は貴方の専属のメイドですよ?なぜ、暦様は王都に向かわれるのに私はここで待たないと行けないのですか」
「それは、そうだな…」
言い返せる言葉が出てこない。アリスは俺の耳に触れ、青い水晶が着いたピアスをつける。
「後、コレも私がいないと使えないじゃありませんか。王都までの道どうするおつもりなんですか」
「あっ!」
爆速で走ればいいと思っていたが良く考えれば、結構体力を使う。温存しといた方が稽古を受ける際にもいいだろう。
「というわけで、私も着いて行きますので」
アリスは俺の肩に触れ、足元に魔法陣を展開する。
「ああ、頼む」
「では、王都へ参ります!」




