第71話「一方その頃……勇者と仲間たち」
## 第71話「一方その頃……勇者と仲間たち」
### 【本文】
「勇者リネア様〜!」
今日は何やら王都が騒がしく、騎士団の人達が忙しなく往来している。そんな様子を眺めながらノエラ、ルノアと買い物をしていると、疲労した様子の騎士団の男が声をかけてきた。
「やっと見つけました……!す、すみません急に……!」
「……一体何の用かしら」
「リ、リネアさん、何だか緊急事態みたいですよ?」
「ん、おうとたいへん。もんすたーでた」
「「えっ!?」」
「あ、ああ!ルノアさん。昨晩はありがとうございました。おかげで被害も最小限で……」
「ちょちょちょ、ちょっと待って?ルノア、何があったか説明してもらえる?」
◇◇◇
「王都にモンスターねぇ……妙な話じゃない?どうやってそんな中心部に入ってくるのよ」
「だから困っているんです……貴族の方々が自分たちの身を案じて騎士団本部に詰めかけてきていて……」
「そ、それってリネアさんが行けば何とかなる問題なんですか……?」
「ん、リネアはゆうしゃ。もんだいかいけつ」
「簡単に言ってくれるわね……?で、私たちもそのモンスター騒ぎの調査を手伝えばいいの?」
「はい!英雄となった団長に加え、新たな勇者であるリネア様のお力添えがあると分かれば、ひとまず貴族の方々も落ち着くだろうとマルティナさんの提案で……」
「あぁ、あの団長のメイドの……」
彼女は私の中でも要注意人物の一人だ。
ユージを見えない結界の中に閉じ込めて、ちゃっかり色々よろしくするような人物。それに、騎士団の実質的な頭脳としての役割を持っているのは恐らく彼女。
「今回も何だかんだ巻き込まれるってわけ?アイツもいたりして」
私はそう言いながら笑った。
「ユージさんですか?もう来ましたよ。団長と何やら話して、大聖堂に向かうそうです」
「あ、そう……」
まぁ、もう驚くことはない。
せっかく筋トレ器具をトレヴィルから持ってきてもらったというのに、ゆっくり落ち着いて使えるのはまだまだ先になりそうね……。
「まぁ、状況は理解したわ。私も協力できることはするから」
「あ、ありがとうございます!早速騎士団本部に伝えてきます!勇者リネア様が問題解決に動くと――!」
そう言うと騎士団の男は走り去っていった。
「これ、ユージさんまた巻き込まれちゃってませんか?」
「そうね。今回は私もとばっちりで巻き込まれたみたいね」
「ご主人様はとてもやさしい。こまってるひとたすける」
冗談はさておき、恐らくこの王都で何かが起こっているのは事実。ギルデスさんたちのことは気になるけど、今は“こっち“に集中するべきかしらね……。
第70話 番外編 一方その頃……英雄と勇者と仲間たち 完
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