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異世界筋肉〜筋トレがしたいだけなのに異世界が放っておいてくれない〜  作者: プロテイン長田
第5章「転機」

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第18話「筋肉とチートスキル」

## 第18話「筋肉とチートスキル」


### 【あらすじ】


 騎士団訓練施設へ向かう途中、ザハリエルという老人魔術師に襲われる一行。


 リディアの介入で事なきを得たものの、リディアに仲間達を守れるか問われるユージ。


 その力を試すために、リディアたち騎士団と模擬戦をすることになり……。


### 【本文】


「これが騎士団が使用している鑑定用の水晶だ」


「デカいですね……」


 我々はその後、騎士団訓練施設のある場所へと来ていた。


 リディアの選抜チームとやり合うにしても、我々のチームがどのような能力を持っているのか全く不透明な状態では話にならないだろうと考え、騎士団の設備を使わせてもらうことになったのだ。


「使い方はわかるな?」


 リディアはそう言うと、部屋を後にした。相手の手の内を見てしまうのはフェアじゃないとのこと。


 先ほどはお互いヒートアップしてしまったが、彼女も立場上あのような振る舞いもしなくてはならないのだろう。


「さて、まずは俺から――」


 水晶に手をかざす。


 水晶が光り輝くと、もうすっかり見慣れたステータス画面が空中に表示される。



「ん!?なんだこれ!」



 スキルの欄にびっしりと並んだ文字。


 投擲やパンチ、悟りや危機察知など知っているスキルも多いが、他にも剣術、武器職人、緊急回避、馬術と身に覚えのないスキルが大量に記載されている。


 さらに気になるのが“悟り”のほかに金色に輝きレジェンダリー扱いになっている“カタボリック”と“マッスルメモリー”、“合トレ”である。


「なにこのキモいスキル一覧……」


 リネアはガチで引いている。


「ご主人様、すごい」


 ルノアは相変わらず呑気だ。


「これって、あり得るものなんですかね……?」


 ノエラも私のステータスに異常性を感じているらしい。


【マッスルメモリー】

類い稀な筋肉量により、少ない体験からスキル獲得が可能。スキル獲得後も効果的にスキルレベルを向上させることができる。


 なるほど、剣術と馬術はリネアとノエラからだが経験が浅いのでレベル1のまま。


 武器職人はギルデスの工房で数日働いたからかレベル12になっている。


 随分と都合のいいスキルだ。


 だが、危機察知、緊急回避、投擲、パンチに関してはレベル表記がない。


【カタボリック】

自身の筋肉を犠牲に、爆発的な力を得る。


 なんとシンプルで恐ろしいスキル……!どの程度筋肉が減ってどの程度強化されるのかわからない以上、これは完全な奥の手として封印しておこう。


【合トレ】

自身と訓練、仲間として戦闘を共にした対象に“マッスルメモリー“の効果を付与する


 これは……リネアとルノアのステータスも普通じゃなくなっているかもしれない――


「じゃ、じゃあ次は私ね。なんか怖くなってきたんだけど」


 リネアは気まずそうに水晶に手をかざす。


「え、なにこれ!?」


 リネアは驚いた様子で叫ぶ。


「剣術、いつの間にかマスターレベルになってる……嘘……?」


「マスターレベル?」


 聞きなれない言葉だ。


「限界までスキルレベルを上げると、表示からレベルが消えるのよ。それでマスタークラス。剣術みたいな単純で基本的なスキルは100がマスタークラスなんだけど……」


「いや、“合トレ”の効果エグすぎるな!?」


「そもそもその合トレってなんなのよ?」


「合同トレーニングの略称だな。俺の故郷ではトレーニー同士で一緒に筋トレすることを主に合トレって言うんだ」


「トレーニーがわかんないんだけど?」


「主に筋トレをちゃんと行なっている人を指す言葉だな」


「なんだか腑に落ちないんだけど……まあ、強くなれてるのは素直に喜ぶべきよね」


 恐らく、何度となくリネアとクエストに行ったり、トレーニングを重ねているうちにリネアの剣術はマスターレベルになってしまったようだ。


 それに、私の危機察知、緊急回避、投擲、パンチのスキルもマスターレベルと言うことになる。


 ガルデンやイシュルドの攻撃を躱すことができたのはこの緊急回避のためだろう。


「つぎ、ルノアのばん」


 私も怖くなってきた。ルノアも私と戦闘に参加した経験があるし、日頃割と筋トレに付き合ってくれる時間もあったが……。



「「「……暗殺術レベル23!?」」」



 なんと物騒なスキルだこと!これはいったいどういうことだろうか?


「もしかしてだけど、あの子がいつもアンタのトレーニングに引っ付いて振ってた短剣のせいなんじゃ?」


 確かに――トレヴィルを出る前にルノアがギルデスからもらったというボロの短剣があったような。


 さらに彼女はいつも私の筋トレ中にそれを振っていたような……それが合トレ判定だったらこのスキルレベルも納得だ。



「それにしたって“暗殺術”って……」


「あの短剣、暗器とかその類だったんじゃないの?」


 もらった時にはすでにひどい刃こぼれを起こしており判別できなかったが、その可能性は十分にあり得る。


 と言うより、ここまで劣化した武器じゃなかったら王都で戦った男の一人は――いや、考えるのはよそう。


「わ、私も鑑定した方がいいでしょうか?」


 そういうノエラは防御魔術レベル3、強化魔術レベル5というスキルがあった。


 そして、予想通り動物と話せる彼女の能力を表すスキルが――


「す、すごい……私、ちゃんとスキルがあったんですね!」


 喜ぶノエラ。


 恐らく、魔術のスキルは元々彼女が持っていたものだろう。


 彼女が戦闘に参加したのは移動中のボア戦と王都での戦闘の二回。


 使用したスキルにも依存するだろうが、そこまで法外な上がり方をするわけではなさそうでなぜか少し安心した。


「しかしこれは、まさかとは思うがレジェンダリースキルか?」


“悟り”などと同じ金色に輝く“獣王の心“というスキル名。


【獣王の心】

全ての獣の頂点である獣王の心を写しもつ。


 な、なんて抽象的な説明――!


 だが、彼女はこのスキルのおかげで動物の心がわかるということは間違いないようだ。


「こ、これってどのぐらいすごいんでしょうか?」


「未知数ね……」


「ルノア、あんさつがとくい」


「とにかく、これで諸々の謎は解けたわけだ。これから対リディアパーティーの準備をするぞ!」


 これならあるいは、訓練次第でうまく渡り合えるかもしれない。まさか前世で培った合トレの経験が国家権力を相手に火を吹く時が来ようとは……。


 自由な冒険のため、ここは絶対に負けられない。今まで以上にトレーニングに対する気合が入る。


 三日しか無いからなんだというのだ。いや、むしろこのスキルを考えれば“三日もある”のだ。やってやろうではないか!

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