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41/42

クレイン劇場大団円

カロンの物語もやっとここまでこれました。元はアクアの後釜としてキャラのイメージは前から有ったけどその前にノーザの物語をZEROでやって、繋ぎで短編挟んでと発案から投稿まで一番時間かかった主人公でした。

ベルガード自治領を隣国の侵攻から救ってから、

一か月

あれほど緊張に包まれた自治領は、今では穏やかな日常を取り戻していた


街には再び活気が戻り、市場には笑い声が響く。

港では大型貨物船が絶え間なく出入りし、クレイン王国や日ノ本との交易は日に日に盛んになっていた。


そしてこの自治領は世界で唯一の場所となる

人間と、魔族が共に暮らす街

魔族たちは隠れ里で培った採掘技術や鍛造技術を生かし、鉱山や工房で働く


人間たちはその技術に驚き、魔族たちは人間の商売や物流を学ぶ


互いに足りないものを補い合うことでベルガードの産業は以前とは比べものにならないほど発展していた。

誰かが誰かを支配するのではない、互いに支え合う

それがこの街の新しい当たり前になっていた。


魔族移住エリア

まだ木の香りが残る真新しい屋敷

ラヴィアの新居のテラスでは、カロンたち七人がのんびりとした時間を過ごしていた。


爽やかな風が吹き抜ける

遠くでは子どもたちの笑い声が聞こえ、魔族と人間が一緒になって家を建てる姿も見える


カロンは一通の手紙を読みながら、思わず吹き出した。

「ははっ」

レオンがコーヒーカップを片手に尋ねる。

「誰からだ?」

カロンは封筒をひらひらと振る。

「ロイのヤツからだよ、ほら」


皆が覗き込む

手紙には勢いのある文字が並んでいた


『拝啓 カロン、仲間の皆へ


彼女できたよ!あとバイクも買ったんだ!

今度、彼女とツーリング行ってくる!

…こうしてられるのもカロン達のお陰だよ


                ロイ 』


そして添えられていた一枚の写真。

新車らしいバイクの横で照れくさそうに笑うロイ

その隣には、幸せそうに腕を組む恋人の姿が写っていた


カロンは写真を見つめながら笑う。

「良かったじゃねぇか」


スタオンヌも写真を見て、優しく微笑んだ。

「あら♡ロイさん……頼もしい顔になりましたね……♡」


エマはくすっと笑う

「こちらこそ、ロイさんには色々楽しませてもらいましたからね♡」


リバティーナも思わず笑みをこぼす

「人って変わるものですね」


沙耶は感心したように頷いた

「辛さを乗り越えた果て…でござるな」


リリーナは紅茶を口に運びながら微笑む

「今頃、必死に格好つけて運転してるんでしょうね♡」


「それはありそうだな」

レオンの一言に、一同は思わず笑い声を上げた


穏やかな風がテラスを吹き抜ける

目の前には、人間と魔族が笑い合う街

一か月前には想像もできなかった景色だった

そんな光景を眺めながら、カロンは静かに呟く

「……悪くねぇな」

誰も否定しない

ここには戦争の気配も争いの空気もない

まるで、このままずっと旅を忘れて過ごしてしまいそうなほど、穏やかな時間だった。


テラスに流れていた穏やかな空気。

カロンはコーヒーカップを机へ置くとゆっくり立ち上がり背伸びを一つする

「……じゃ、ひとっ走り、行ってくるわ。」


その一言で、その場の空気が少しだけ静かになる。

誰も引き止めない


カロンが向かう場所を皆知っているからだ。

魔王グラン・ネフェル

最後に会うべき相手

世界を救うためではない、英雄になるためでもない

仲間たちの平和を守るため。


そして――

命を懸けても手に入れたい、あの"報酬"のため。

カロンはハンドルを握る

「レオン達はベルガード頼む」


レオンは苦笑しながら立ち上がった

「……本当に一人で行くのか?」


カロンは振り返りもせず答える。

「まあな、一人で行く必要がある」


その言葉に、レオンは小さく笑った。

「本当にお前は……王国一の問題児だぜ」


エマも肩をすくめる

「でも、ロンくんに不可能は無いよね」


リバティーナも立ち上がり、優しく微笑む。

「姉さんを悲しませないでくださいね、……気を付けて」


カロンは親指を立てる。

「おう。」


するとリリーナが勢いよく前へ出た。

「アタシ!絶対信じてるからね!」

少し照れながら笑う。

「カロンくんにまたデートしてもらわないと……

アタシだって死ぬに死ねないんだから!」


沙耶は姿勢を正し、深く一礼した。

「殿、共に参れぬ不忠……しかし、拙者がお仕えするのは、生涯殿だけでござる!」

その真っ直ぐな言葉に、カロンは照れくさそうに頭を掻いた。


そして

最後にスタオンヌが歩み寄る

何も飾らない、何も取り乱さない

ただいつもの優しい笑顔で

「カロン様……行ってらっしゃい。」

その一言だけ

だが、それだけで十分だった


カロンも自然と笑う

「行ってくる!」

ヘルメットを被りながら肩をすくめる

「まあ、無理そうだったら辞めるさ!」


あまりにも軽い口調。

その気楽さに、皆思わず吹き出してしまう

「ふふっ……」

「ははは!」

緊張していた空気が、一気に和らいだ


ラヴィアの家族も静かに歩み寄る

グスタフは胸に手を当て、深く頭を下げた。

「カロン殿…どうか……グランを…私の友を……」


オリヴィアも静かに続ける

「よろしくお願いします……」


そしてラヴィアは真っ直ぐカロンを見つめる

その瞳に迷いはない

「……貴方様は…人類と魔族の希望です」


カロンは少し困ったように笑った

「希望なんて大袈裟だよ、俺は俺のやりたいようにやるだけさ」

バイクへ跨るとエンジンが目を覚ます

ブォォォン……。


カロンは仲間たちへ一度だけ手を挙げた。

「じゃあな!」

アクセルを開く

バイクは砂煙を巻き上げながらベルガードを後にした


ただ、その背中を信じて見送る。

――こうして。

カロン・クレインは、たった一人で最後の目的地へ向かう

魔王グラン・ネフェルとの最後の対話のために



魔族の本拠地。

黒き城を目指し一台の大型バイクが大地を駆け抜ける

轟くエンジン音

カロン・クレイン、ただ一人


一方。

魔王城 魔王の間

玉座へ腰掛けたグラン・ネフェルは、静かに目を閉じていた

「……来たか。」

ゆっくりと瞼を開く

「カロン・クレイン……。」


父を討った勇者、その孫

いずれ必ず来ると分かっていた相手

側近の一人が駆け込んでくる

「グラン様!敵影確認!迎撃部隊、配置完了!」


グランは静かに頷いた。

「総員、迎え撃て」


「はっ!」

側近達は一斉に飛び出していく。

城内へ警鐘が鳴り響く。

「戦闘配備!勇者の孫を止めろ!一人たりとも突破させるな!」


敵は、たった一人

しかし

相手は伝説の勇者ノーザン・クレインの血を引く男

誰一人として油断はしていなかった。

やがて、城外から激しい戦闘音が響き始める


銃声

爆発

魔族達の怒号

断末魔

グランは玉座から動かない

静かに呟く

「ここまで来られるか……勇者の孫」


時間だけが流れていく

数十分後


魔王の間の扉が勢いよく開いた

「グラン様!」

側近が息を切らしながら飛び込んでくる。

グランはゆっくり顔を上げた。

「……」

側近は荒い息のまま報告する。

「カロン・クレインを――」


グランは静かに目を閉じる。

「討ち取ったか……」


その瞬間だった


ガチャッ


側近が腰の拳銃を抜く

グランの瞳が見開かれた


「!?」

バンッ!!


乾いた銃声

銃弾は真っ直ぐ飛び、グランの右膝を撃ち抜いた

「ぐああああぁぁぁぁ!!!?」


玉座から崩れ落ちるグラン

側近は帽子を脱ぎ捨てる

その姿がゆっくりと揺らぎ始める

魔族の姿が崩れ

見慣れた青年へ変わっていく


不動剣印 倶利伽羅変化


そこに立っていたのは――

カロン・クレイン。

グランは膝を砕かれた痛みに耐えながら睨み付ける

「貴様ァ……!!」

カロンはピストルをホルスターへ戻した

そして、近くにあった椅子を引き寄せる

ギギッ……


向かいへ腰掛けると、足を組みながら笑った。

「話をしよう!」


グランは歯を食いしばる。

「何を言っている…!!このような真似を……!勇者の血を引く者がァァ!!」


カロンは呆れたように肩をすくめる。

「だからさぁ……俺は勇者じゃねぇって何度も言ってるだろ?部下との報連相出来てる?」


魔王の間

ついに勇者の孫と魔王

二人だけの最後の対話が始まろうとしていた


グランは膝を押さえながらもゆっくりと立ち上がる

その瞳には怒りだけでなく、どこか懐かしむような色も宿っていた

「貴様の祖父……ノーザン・クレイン…その妻、ニーナ・ピサロ……」

静かに目を閉じる

「奴らは敵でありながら見事だった…父の仇でありながら、敬意を払うべき武人だった…

あの戦いを、この目で見た者として断言できる」


グランは心からノーザを讃えていた

「僅かな仲間を率い…腕を折られようが一度心臓が止まろうが…それでも立ち上がり、最後まで諦めなかった」


グランは拳を握る

「まさしく……真の勇者だった。」

その言葉には、憎しみだけではない本物の敬意があった。


しかし、その視線は鋭くカロンへ向けられる。

「しかし!貴様は何だ!!」


怒号が魔王の間に響く

「不意打ちだと!?勇者の孫ともあろう者が!」


カロンは面倒くさそうに耳をほじる仕草をした

「……止めてやれよ、じいちゃんはちやほやされるの好きじゃないんだぜ?」


グランは鼻を鳴らす。

「それほど優れた男だったということだ!だからこそ!貴様のような男が、その血を引いているなど認められん!」


カロンはため息をつく。

「なあ…アンタ、人の話聞かないってよく言われるだろ?」


グランの眉がぴくりと動く。

「……なんだと?」


カロンは椅子にもたれたまま答える。

「俺、さっきから言ってる、勇者じゃねぇって

勇者の孫ではあるけど、勇者じゃない…

それにさ」


少しだけ真面目な表情になる

「グスタフさんもアンタのそういう所を心配してたぞ?」


グランは目を細める。

「……グスタフが?」


「そうだ、友達だろ?アンタを止めようとしてた、でもアンタは聞かなかった」


カロンはグランを真っ直ぐ見据える。

「ラヴィアも、オリヴィアさんも、隠れ里のみんなも『グラン様を止めてくれ』って俺に頼んだ」

静かな声で続ける


「誰もアンタを憎んじゃいなかった、ただ心配してた…なのにアンタは、一人で全部背負い込んだ」


グランは拳を強く握り締める。

「……私は…魔族を救うために――」


言いかけたその言葉を、カロンが遮る。

「違う。」

短い一言だった。

「アンタは魔族を救いたかった、でも途中から、『自分だけが救える』って思い込んだ、だから誰の忠告も聞かなかった、少なくともアンタの一番身近な魔族達は争いたく無かった」


カロンは苦笑する。

「結局さ、アンタも独り善がりだったんだよ」

その一言が、魔王グラン・ネフェルの胸に深く突き刺さった。


グランは苦しげに息を吐きながら、カロンを睨み据えた。

「ならば……勇者の使命でもないのなら…なぜ、ここまで旅をしてきた?なぜ、ここまで長く…過酷な旅を続けたのだ……?」


カロンはきょとんとした顔をする。

「長く過酷?」

思わず吹き出した。

「違うよ?休暇を延ばしまくってただけだ、ここに来るまで温泉も入ったし、酒もうまかったし、高原で釣りして、海でバーベキューして、繁華街で学生気分に戻ったりもしたし…」

これまでをふり返り笑う

「王都だけじゃ味わえない楽しさだったよ!」


グランは言葉を失った。

「……なんだと?」


カロンは肩をすくめる

「俺はメグ姉から報酬チラつかされてここまで来たんだ、メグ姉のチートが無いと絶対叶わない報酬。そのためだけ」


グランは眉をひそめる


「だからアンタを恨んじゃいない、むしろ感謝してる」


カロンは笑顔のまま続けた。


「アンタは無闇に人的被害を広げなかった、急いで来る必要が無かった、だからみんなとゆっくり旅ができた」


スタオンヌと過ごした時間

レオンたちと笑い合った日々

全部が頭をよぎる

カロンは満足そうに笑った

「お陰様で、楽しかったよ!」

その言葉には、一片の嘘もなかった


グランは呆然とカロンを見つめる

目の前の男は、勇者でも救世主でもない

名誉のためでも

正義のためでも

使命のためでもない

ただ、自分の望みのために旅をした


それなのに

その旅路で救われた者は数え切れないほどいた。

グランは初めて理解し始める

目の前の男は、ノーザン・クレインとはまったく違う


だが同時に――

この男もまた、多くの者を惹きつける存在なのだと


グランは静かに目を閉じる。

しばらく沈黙した後、ゆっくりと息を吐いた。

「……そうか…ならば…私とて貴様にも貴様の祖父にも恨みは無い」

カロンは黙って聞いている


グランは拳を握り締めた

「だが!父の宿願がある!」

その瞳には強い決意が宿る。

「ヴェルゴーニャ達も忠義は無かったとも、愛しい部下だった……!私は!私個人の願望や幸福のために立っているのではない!」


膨大な魔力が右拳へ集まる、空気が震え始める

「全ては……!全ての同胞のためだ!!!」

轟音と共に、魔拳が放たれた

拳が触れる前から床が砕ける

魔力だけで周囲の石柱が灰となって崩れ落ちる

直撃すれば、人間など跡形も残らない


しかし、カロンは避けない

構えもしない

ただ、右手を伸ばしただけだった


次の瞬間

ゴギッ

「……?」


ゴキッ

「な……」

メキメキメキッ


あり得ない方向へ

グランの腕が三節棍のように何度も折れ曲がっていた

「な、……なんだと!?」

激痛に顔を歪めるグラン


対するカロンは、まるで日常の出来事のように平然としていた

折れた腕を離すと、小さく息を吐く

「……アンタは先代魔王より強い、じいちゃんだって仲間六人で挑んで、辛勝だったって聞いてる」


グランは折れた腕を押さえながら睨み返す

「ならば……!何故だ!!何故人間のお前が!!」


カロンは静かに答えた。

「ディア姉だ」


グランが目を見開く


カロンは自分の胸へ手を当てた。

「八年前…レオンを助けて、生死の境を彷徨ったあの時、俺に輸血したのが……」

少しだけ笑う。

「ディア姉だった」


グランの表情が固まる。

「……ディアドラ・クレイン……阿修羅の女王」


カロンは頷く

「阿修羅の血が俺の身体に流れた時から、俺の肉体は異常な回復力、常識外れの身体能力を得た」


グランは言葉を失う、阿修羅の女王の強さは嫌でも知っている、それに近い存在が目の前に…


カロンは続ける。

「旅を始めてすぐ、不意打ちでアンタの部下に刺された時もそう、普通の人間なら死んでた」



八年前――。

クレイン王国の病院


長時間に及ぶ手術が終わり、静まり返った病室

ベッドには包帯だらけの少年

まだ幼いカロンが眠っている

その傍らでは、カレンが涙を流しながら息子の手を握っていた。

「ありがとう……ディアドラ……」


隣に立つディアドラは、輸血を終えたばかりで顔色が少し青白い

それでも微笑みは崩さなかった

「姉として当然です」

ゆっくりとカレンへ頭を下げる。

「義母上…カロンは大丈夫です、必ず目を覚ましますから」


カレンは何度も頷きながら、眠る息子の頭を優しく撫でた。

病室には、静かな安堵だけが流れていた。



現在――

魔王の間


カロンは折れた腕を押さえるグランを見下ろし、小さく肩をすくめた。

「諦めろよ、同胞のために戦った結果、腕グニャグニャじゃん?」


グランは歯を食いしばる。

「……ぐっ……黙れ……!」

震える身体を無理やり起こす。

「私は……!自らのためではない!

父の誇り!同胞の――!」


その言葉を聞いたカロンは、深いため息をついた

もう聞き飽きたと言わんばかりグランの言葉を遮った

「はぁ……やれやれ」

胸の前で静かに軍荼利印を結ぶ

転移魔法

その姿が一瞬で消えた


「……?」

グランが目を見開く

数秒後…

再び魔王の間へ現れたカロンの隣には、一人の女性が立っていた

「……!、ルア!!」


魔王の妻

ルア・ネフェル。

突然の出来事に戸惑うルアのこめかみへ、カロンはピストルを軽く突き付ける。

「はい、選べ」

あまりにも淡々とした声だった。

「このまま同胞のために戦うか、諦めて奥さん助けるか」


ルアは涙を堪えながら首を振る

「グラン様……!戦ってください!私に構わず!」


その叫びにも、グランはルアだけを見つめていた

沈黙の末、ゆっくりと拳を開く

「……やめる」

その一言だった。

「ルアを……助けてくれ」


迷いは、一切なかった

カロンは静かに笑う

ピストルを下ろし、そのままホルスターへ収めた。

「正解」

ルアをそっと前へ押し出す、実際に殺すつもりは微塵も無かった


ルアは駆け寄り、グランを強く抱き締めた

「グラン様……!」

グランも静かに妻を抱き返す

「……いいんだ、ルア」

優しく頭を撫でる。

「今…私は迷わなかった…自分でも驚いている…」

苦笑しながら続ける。

「どうやら私は……一番大切なものを…父の遺志だと、勘違いしていたようだ」


ルアは首を横に振る

涙を流しながら微笑む。

「違います…私はずっと知っていました…グラン様は、優しい方です」


グランは静かに目を閉じた

「……もう、やめよう…君だけは失いたくない」


その言葉を聞いたカロンはようやく笑みを浮かべた

「それでいい」

窓の外へ目を向ける

「人道派の魔族はベルガードでみんな受け入れてくれる、グスタフさんもオリヴィアさんもアンタら夫婦を待ってる」


少し照れくさそうに頭を掻く

「家も、もう用意してあるよ」

グランの目から、一筋の涙がこぼれ落ちた

それは敗北の涙ではない

ようやく背負い続けた重荷を降ろせた涙だった

「……ありがとう」


カロンは照れ隠しに笑う。

「礼ならベルガードのみんなに言いな、俺はただ…お節介焼いただけだからさ」


魔王の間に長かった戦いの終わりを告げる静かな風が吹き抜けた。


ルアはグランを抱き締め、グランも静かに妻の背へ手を添えていた。

張り詰めていた心がようやく解けていく

「……ルア」

「グラン様……」

魔王の息子と言う肩書きを背負うには、グラン・ネフェルは優し過ぎたのだった


少し離れた場所では、カロンが壁にもたれながらその様子を見守っている。

「良かったじゃん」

その言葉に、ネフェル夫妻は思わず笑みを浮かべた

魔王の間とは思えないほど穏やかな空気


そこへ――

カァァン!!

激しい金属音が廊下から響く

続いて勢いよく扉が開かれた

「魔王を追い詰めたか!」

聞き覚えのある声。

「見直したぞ!カロン!やはりあの人の孫だ!」

勇者ユリウス・アークライト


その隣では…

「不本意だが!助けに来てやったぞ!手柄を上げて借金は帳消しにしてもらおう!!」

ジーク・バルサローザ


二人はまるで、

主人公の窮地に駆け付けたヒーローのように堂々と歩み出る、そして声を揃えた。

「「さあ!共に人類の平和のために!!」」


その瞬間

カロンの額に青筋が浮かぶ



プッツン



何かが切れた

「…………」

グランとルアは嫌な予感しかしない。


ユリウスはまだ気付かない。

「カロン?」

カロンがゆっくり振り返る

満面の笑み、しかし目だけが笑っていない

「お前らが…」

一歩。

「一番…」

さらに一歩。

「邪魔だああああああああ!!!!」

ドゴォォォン!!

明王の蹴り

阿修羅の膂力

その一撃がユリウスとジークへ同時に炸裂する。

「ぶべっ!!」

「ぐぼぁっ!!」

二人は一直線に吹き飛び、石柱を何本もへし折る

しかしそれだけでは終わらない


「この!」

「空気!」

「読め!」

ドゴッ!

バキッ!

ゴシャッ!


ダウンした二人へ容赦ない追撃


タケミカヅチタケミカヅチタケミカヅチ

タケミカヅチタケミカヅチタケミカヅチ


「待っ――」

「ぐえぇ!」

「違う!」

「話を――」


「うるせぇ!!」


ボロ雑巾のようになった2人、カロンはその上へ

足を乗せ、静かに胸の前で小指を絡め、掌印を結んでいた…

その姿はまるで三界の支配者を踏み伏せる勝利者

降三世明王


魔王グランは思わず苦笑する

「……なるほど…お前に宿る力が…少し分かった」


ルアは口元を押さえながら笑う

「ふふっ……」


ユリウスとジークは床へ伸びたまま、ぴくりとも動かない


カロンは二人を見下ろし鼻を鳴らした。

「勝った」

その一言に、魔王の間は笑いに包まれた

――こうして


長きにわたる魔王との戦い、ノーザン・クレインからの因縁は、あまりにもカロンらしい幕引きで終わりを迎えた


カロン達が立ち去り、残されたのはボロボロの二人、ジークが今にも消えそうな声を捻り出す…

「お…の…れ…カロン……どこまで勇者を、コケにしたら…気が済むんだ……!あの…外道がぁ……!!!」


この期に及んで、カロンへの呪詛を吐き捨てる


そこに…突然、女の声が聞こえてきた

『やっぱな〜……キミ見てるとイライラするなぁ…』


ジークは驚きながらも、まだ吠えた

「誰だ!?」


声は変わらず、気の抜けた調子で返す

『ん〜…キミのそっくりさんのそっくりさんって言った所かなぁ?』


ジークは困惑した

「何を言っている…?」


しかし、声は構わず

『まあ理解は出来ないでしょ?とにかく、なんかハズいから、消しちゃおう!』

そんな言葉の後、指を弾いた音が響く

その直後、ジークの身体がまるでコンクリートの上の水滴が蒸発するように消滅し始めた。


「な…なんだ…!?」

しかし、原子レベルで跡も残らず、初めから存在すらしなかったかのように崩壊していく。

「冗談だろ…?俺が…真の勇者が……?……止めろぉ!!止めてくれ!!誰か助けろ!!俺はジー…」

言い終える事なく、ジークは無に還った


「う…うわぁぁぁぁぁ」

それを見たユリウスはふらつきながらその場を逃走

そして、その後にジークの姿を見た者はいない




ベルガード自治領。

夕暮れ、街の入口へ一台のバイクがゆっくりと姿を現した

「……帰ってきたぞ」

カロンが軽く手を挙げる


その隣には、一組の夫婦

グラン・ネフェル

そしてルア・ネフェル

二人は少し緊張した面持ちでベルガードの街を見つめていた


真っ先に駆け寄ってきたのは、グスタフだった

「……グラン」


その声にグランは顔を上げる

「グスタフ……」


隣ではオリヴィアも目に涙を浮かべていた。

「ルアさん……ご無事で……」


ルアは小さく微笑みながら頷く

「はい……帰って来られました」


グスタフは堪え切れず笑みを浮かべる。

「よかった…本当によかった……」

長年の友が、ようやく帰ってきた


その光景を見ていた住民たちからも自然と拍手が起こる


誰一人として敵を見る目ではなかった

歓迎する、家族を見る目だった

その少し後ろ。

カロンへ向かって、見慣れた仲間たちが駆け寄ってくる

「カロン!」

レオンが思わず笑う。

「無事だったか!」

エマも両手を広げる。

「ロンくん!おかえりなさい」


スタオンヌはいつもの柔らかな笑みで迎えた。

「おかえりなさいませ♡」

その一言だけで、カロンは少し照れくさそうに笑う


リバティーナは安心したように胸を撫で下ろした。

「余裕だったみたいですね」


沙耶は胸を張り、満面の笑みを浮かべる。

「流石は殿でござる!拙者は最初から信じてたでござる!!」


リリーナは手をパンと叩きながら声を上げた。

「勝ったし!今日は宴ね!今夜はパーッとやりましょ!」


その一言に周囲から歓声が上がる。

「おおー!」

「宴だ!」

「魔族の皆さんも一緒に!」


カロンは仲間たちを見回し、肩をすくめて笑った。

「……やっぱ…帰って来る場所があるって、いいもんだな」


その言葉に、誰もが笑顔で頷いた

人間も魔族も

もう互いに武器を向けることはない

ベルガードには、この日――

本当の平和が訪れていた。





世界の脅威は去った

魔王の野望は終わりを迎えた

残された魔族たちも人類と共に歩む道を選んだ

旅は――終わった


クレイン王国 王城

カロンは部屋へ入るなり、机に向かって書類を書いていたメグへ笑いかけた。

「メグ姉…約束通り頼むぞ」


メグはペンを置き振り返る

その表情は、いつもの悪戯好きな姉ではなく

どこか優しいものだった

「はいよ♡約束だもんね」


立ち上がり、カロンの前へ歩み寄る

「ただし。」

人差し指を立てる。

「やり過ぎちゃダメだよ?気が済んだらすぐ帰ってきなよ?」


カロンは笑って頷く

「分かってる。」

メグは静かに胸の前で印を結んだ。

「じゃあ……行ってらっしゃい」


膨大な魔力が部屋を満たす

世界を書き換えるほどの大魔法


還り咲き


時間が逆流する

景色が溶ける


メグは優しく微笑んだ。

「“初恋”叶えてきなよ、カロンきゅん」


目を開く

秘湯の郷・星見の湯


湯けむりの向こうから聞き覚えのある声

「ノーザ様♡」

カロンは息を呑む

目の前に立っていたのは、写真で何度も見た女性

若き日のニーナ・ピサロ

カロンの祖母になるはずの女性

写真の何倍も美しかった。


ニーナが微笑みかけるのは

後の伝説の勇者ノーザン・クレイン

だが、その身体に宿っている意識は――

カロンだった。


「……!」

思わず笑みがこぼれる。

「ばあ……」

少し照れ臭そうに笑う

「ニーナ」

その笑顔を目に焼き付ける、

自分が生まれる何十年も前、写真越しに憧れ続けた人、人生でたった一人の初恋


そしてカロンは自分の祖母になるはずだった初恋の人を、抱いた、その願いはようやく叶った


そして現在

王宮魔導研究室

光が静かに消える

カロンはゆっくり目を開けた

メグが椅子へ座り直し、にこりと笑う。

「おかえり!どう?過去は断ち切った?」


カロンはしばらく黙っていた。

やがて小さく笑う

「……ああ」

少し悔しそうに天井を見上げる

「でも…」

苦笑しながら肩をすくめた。

「やっぱ…じいちゃんには敵わないな」

メグも思わず吹き出す

「ふふっ…当たり前でしょ?だってノーザさんだもん♡ニーナさんノーザさんの事大好きだから♡」

二人は顔を見合わせて笑った


カロンの初恋は、ようやく優しい思い出になった。

そして彼は、過去への未練ではなく、未来へ歩き出す準備ができていた。




旅が終わって一年後

クレイン王国では、一組の結婚式が行われていた。


新郎 レオン・グランツ

新婦 リバティーナ・ドゥラメリア


純白のウェディングドレスに身を包んだリバティーナは旅の頃よりさらに美しく、大人びていた


「リバティー!」

兄のティトルが嬉しそうに駆け寄る。

「綺麗だぞ!」


スタオンヌも妹の手を優しく握った。

「リバティー…おめでとう♡」


「姉さん……♡」

少し照れながら笑うリバティーナ

その隣ではタキシード姿のレオンが少し緊張した様子で立っていた


そんな二人を見ていた幼馴染二人は――

カロンは吹き出した

「純愛過ぎるだろw」

エマも苦笑する。

「でもレオくんらしいね♡派手な恋愛とか絶対向いてないし」


レオンは苦笑しながら肩をすくめた。

「放っとけ」

式は穏やかな空気の中で進み、

やがて二人は夫婦となった。


そして新婚生活

朝、リビングではレオンが朝食を作っていた。

「リバティー、朝飯できたぞ」

「はーい♡」

リバティーナは嬉しそうに隣へ座る

旅の頃よりも距離は近い

自然と肩が触れ合う

レオンがコーヒーを差し出すと、リバティーナは幸せそうに微笑んだ。

「ありがとうございます♡」


その笑顔を見るたび、レオンも自然と笑ってしまう。

リバティーナはそっとレオンの肩へ寄り添う。

「レオンさん……♡」

「ん?」

優しく見つめ返すレオン。

リバティーナは少し目を潤ませながら笑った。

「あの旅があって……本当に良かったです♡カロンさん達と出会って…色んな景色を見て…たくさん笑って……そして……」

レオンの手をそっと握る

「貴方と出会えました」


レオンは照れ臭そうに笑う。

「……俺も、同じ気持ちだ、旅に出てなかったら…今の俺達はいなかった」


リバティーナは嬉しそうに頷く。

「はい♡」


穏やかな風が庭を吹き抜ける

英雄になった訳ではない

世界最強になった訳でもない

それでも二人が手に入れたのは、誰よりも温かく、幸せな日常だった。




エマはクレイン王国へ戻り、以前と変わらず働いていた。

しかし、旅で培った人脈と経験は王国の経済そのものを変えていた

ベルガードとの資源貿易

各国との武器輸出

新たな流通網

エマが関わる事業は次々と成功し、クレイン王国のGDPは右肩上がりを続けていた

王宮では誰もが口を揃える。

「エマさんがいる限り、王国の景気は安泰ですね」


そんな彼女には、もう一つ変わったことがある

「エマちゃーん」

家ではエプロン姿の青年が夕飯を作っていた

「ご飯できてるよー」


エマはコートを脱ぎながら微笑む

「ありがとうございます♡」

家事が完璧な彼氏、仕事は完璧なエマとは相性抜群だった

「やっぱり家事ができる男性って最高ですねぇ♡」


青年は照れ臭そうに笑う

「今日はハンバーグだよ」


「わぁ♡」

穏やかな家庭。

仕事も恋も順風満帆……のはずだった


深夜

王都の裏路地

一人の金持ちそうな男が逃げ惑う

「た、助け――」

バァン!

足元へ撃ち込まれた弾丸に転倒する。

ゆっくりと近付くヒールの音

コツ……

コツ……

月明かりの中、リボルバーを片手に笑う女性

「こんばんは♡」

エマだった

男は顔面蒼白になる。

「ひっ……!」

エマは優しく微笑んだまま、ハンマーを起こす。

「法律では裁けないからって、安心してました?」

その笑顔は昼間と何も変わらない

だからこそ恐ろしい

「大丈夫♡殺しませんよ♡その代わり――」


ゆっくりと銃口を向ける。

「二度と悪い事なんて考えられないくらい、絶望してもらいます♡」

数分後

裏路地には泣き叫ぶ悪党だけが残されていた。


翌朝

ディアドラが一枚の報告書を閉じる。

「……またですか」


アズールは苦笑する

「王都の犯罪や汚職件数、本当に無くなったな…」


ハーデスも静かに頷いた

「犯人は相変わらず不明、か。」


少し離れた廊下

エマはいつもの営業用の笑顔で歩いている。

「おはようございます♡今日もお仕事頑張りましょう♡」


誰も知らない。

王国の経済を支える商人が、夜には悪党たちの悪夢になっていることを


エマは窓の外を眺め、小さく笑った。

「お金は有っても……」

リボルバーを軽く回し、ホルスターへ収める。

「素晴らしい絶望の表情は買えませんからねぇ♡」

その日もまた、クレイン王国から一人の悪党が姿を消した




魔王討伐から数か月後

とある国の兵舎、夕暮れの中庭

無事退散したユリウスは正装に身を包み、一人の女性を待っていた

やがて歩いてきたのは、賢者エリシア。

「ユリウス様…お待たせしました」

ユリウスは静かに頷く

そして大きく息を吸った。

「あの日、魔王との戦いの前に話した事を……覚えているか?」

エリシアは優しく微笑む。

「はい、もちろんです」

ユリウスは覚悟を決める。

「エリシア…君が……好きだ…私と共に歩んでほしい。」

沈黙が流れる

エリシアは少しだけ俯き、申し訳なさそうに微笑んだ。

「……すみません…ユリウス様は、私にとって大切な仲間であり…尊敬する上官です」


ユリウスは静かに目を閉じる

「……そうか」

しかし、それだけでは終わらせないとばかりにエリシアは言葉を続けた

「それに……」

頬を少し赤らめる。

「やはり私……カロンさんの事が……」

ユリウスの肩がぴくりと震える、よりにも寄って一番聞きたく無い名前が


エリシアは恥ずかしそうに両手を胸の前で組んだ。

「あの自由な生き方も…人を肩書きで見ない所も…本当は誰より優しい所も…全部……素敵でした♡」


ユリウス、完全停止

エリシアは静かにその場を離れた

数秒

十数秒

やがて空を仰ぎ――

「僕が先に好きだったのにぃぃぃぃぃぃ!!!!」

夕焼けの王都に絶叫が響き渡った



カロンの旅が終わって、ベルガード自治領は世界有数の経済都市へと発展していた。

港には世界各国の貨物船が並び、

工業地帯では最新鋭の兵器や車両が生産される。

クレイン王国

日ノ本

そして各国との交易は年々拡大し、ベルガードは"人類と魔族の共栄"の象徴となっていた

もちろん、その発展を支えたのは人間だけではない

鍛冶

採掘

建設

船舶操縦

魔族たちはそれぞれの技術を生かし、今では議員や経営者として活躍する者も珍しくなくなっていた

その魔族たちをまとめるのは、二組の夫婦

ネフェル夫妻、そしてメメントモリ夫妻

四人は今も変わらず力を合わせベルガードを支えていた。


夜

ベルガードの小さな酒場。

「乾杯!」

四つのグラスが軽く鳴る

グランはウイスキーを一口飲み、静かに笑った。

「父は……尊敬していた」


グスタフも頷く

「私も先代魔王様には感謝している。」


しばらく沈黙が流れる

やがてグランは苦笑した

「しかし……」


グスタフも同じように笑う。

「カロンさんが教えてくれた新しい道も悪くない」

二人は顔を見合わせる

「ははは……」


そう笑った二人の顔は、なぜか真っ赤だった。

ルアが呆れたようにため息をつく。

「グラン様、飲み過ぎですよ……!」

グランは照れ隠しに笑う。

「いや……まだ飲める」


その隣ではオリヴィアも夫のグラスをそっと取り上げた。

「あなたも!今日はこれでおしまいです」


グスタフは少し名残惜しそうに肩を落とす。

その様子を見たルアとオリヴィアは顔を見合わせ、思わず吹き出した。

「ふふっ♡」

「もう、本当にそっくりですね。」

酒場には穏やかな笑い声が響く

かつては魔王、今はただ

友と酒を酌み交わす一人の男だった。

窓の外には、人間と魔族が肩を並べて歩くベルガードの夜景が広がっている

その景色を眺めながら、グランは静かに呟いた。

「……ありがとう」

その言葉が誰に向けられたものなのか、もう説明する必要はなかった




そんなベルガード自治領

人間と魔族が共に暮らすこの街は、今日も賑わっていた

その一角、ひときわ大きな屋敷の庭ではいつものように笑い声が響いている。

椅子に腰掛けたカロンがジュースを飲みながら空を眺めていた

その隣には、沙耶。

「殿♡拙者、生涯お仕えするでござる♡」

反対側からはリリーナが腕を組む。

「アタシだって♡カロンくんが欲しい物、何でも買ってあげるわ♡」


さらに駆け寄ってくる三人。

ルーナが元気よく飛びついた。

「カロンさん♡アタシ達も忘れちゃ困りますよ!」

エルナは腕を組みながら笑う

「気持ちは一緒だぞ?」

ミラは優雅に一礼した

「ご主人様♡本日も素敵ですわ♡」


そこへ世界中を飛び回るトップスターも帰ってくる場所はカロンの所、テラは帽子を外し優しく微笑んだ

「舞台より輝ける場所なんて、一つしかありません……貴方の隣です♡」


さらにふわりと風が吹く。

九本の尻尾を揺らしながら、かつて幾億の男や国を破滅に追い込んだ傾国の狐、狐鞠も歩み寄る

「わちきは今後生涯……おぬししか愛さぬ♡」

優しくカロンの肩へ寄りかかる。


少し離れた場所では、ラヴィアも穏やかに微笑んでいた。

「カロンさんに会えて…本当に良かったです……♡」

誰もがカロンを囲む


しかし、その中でも一番近く

自然と隣へ座っているのは、やはりスタオンヌだった。

スタオンヌは優しくカロンの腕へ寄り添う。

「ね♡カロン様♡」


カロンは照れ臭そうに笑う

「なんだよ、今日はみんな距離近くね?」


その一言に

「「「あはははは!」」」

屋敷いっぱいに笑い声が響いた


レオンはその様子を見て苦笑する

「相変わらずだな」


エマも肩をすくめる

「ロンくんらしいですね♡」


リバティーナも優しく笑う

「これが一番です」


遠くではベルガードの港に船が入港し、

人間と魔族の笑い声が聞こえる。

争いは終わった。

それでも、世界は今日も回り続ける


カロンは空を見上げ、小さく笑った。

「いやぁ…人生って割と自分勝手に生きる事だよな」


その言葉と共に、仲間たちの笑い声がいつまでも

ベルガードの空へ響き渡る

最終回どんなものにするか色々悩んだんですがカロンらしい感じにできたと思います


ここまで読んで頂き本当にありがとうございます。

歴代で一番破天荒な主人公として、ある意味私の理想のヒーロー像が表現できました。

続編は考えてはいるのですがまだ全然まとまっていません、もし投稿まで漕ぎ着けたらその時は宜しくお願いします!

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