あとがき
ここまで読んで頂きありがとうございます!
今回も2作品の主な登場キャラ達の裏話だったり、誕生秘話だったりを描きたくて追記で投稿させて頂きました。
ノーザとカロン、まったく正反対の祖父と孫の主人公、しかし私にとってはどちらも理想の主人公像でした
伝説の勇者ZERO ―息子や孫たちがバカやる前の話―
ノーザン・クレイン
本当は初代主人公になる予定でしたが、「王道過ぎる勇者」という理由で一度はお蔵入りになったキャラクターです。その後、前日譚であるZEROの主人公として返り咲き、シリーズの原点とも言える存在になりました。初期案では剣一本のスタイルでしたが、最終的には剣と刀の変則二刀流に加え、魔法や蹴り技を織り交ぜた「作者の理想とする勇者」に仕上がりました。ちなみにモデルは『ゼルダの伝説』のリンクです。
ニーナ・ピサロ
ノーザ同様、本当は初代ヒロインになる予定だったキャラクターです。カロンを「おばあちゃん子」に、ワイアットを「マザコン」にしたほどの包容力を持つ女性として描きました。最初期の構想では、ノーザとニーナが二人旅をしながら恋に落ちる純愛作品になる予定でしたが、物語を広げるのが難しく、一度お蔵入りになった作品でもあります。結果的にシリーズを経て、ノーザの最愛の妻、そしてクレイン家を支える"母"として描けたことを嬉しく思っています。
ヴィヴィアン・スカーレット
ノーザ編のもう一人のヒロインで、ZEROを書くことになってから誕生したキャラクターです。ノーザに想いを寄せる女戦士であり、ニーナの恋のライバルとして登場しました。今思えば、ニーナが今のような少し積極的な性格になったのも、ヴィヴィという存在を思いついたからかもしれません。作者お気に入りのキャラクターでもあり、「強い女性」をテーマに、剣・ボクシング・炎属性・怪力と火力全振りの戦闘スタイルになりました。ノーザを愛して生涯独身を貫いたことや、最終回でミレイナの師匠だったと明かした設定も、「強く格好いい女性」として描きたいという思いから生まれたものです。
リー・シガー
ノーザ率いる伝説の勇者パーティの僧侶です。実は序盤から中盤にかけては、ニーナに密かに想いを寄せた末にパーティを裏切る予定でした。しかし、書き進めるうちに作者自身がリーを嫌いになれず、「こんなことはしないだろう」と考えが変わりました。さらに最終決戦では戦力的にも欠かせない存在だったため、最後まで仲間として戦い抜くことになりました。結果的に、作者自身も安心して好きと言える、優しく誠実な僧侶になったと思います。
サン・グリーン
ノーザの兄弟分であり、伝説の勇者パーティの弓使いです。ノーザ編はとにかく王道の冒険譚を目指していたので、勇者・魔法使い・戦士・僧侶に加え、「狩人」ポジションとして誕生しました。終始胡散臭い関西弁で馴れ馴れしい性格だったのは実は意図的で、当初リーが裏切る予定だったため、読者に「裏切るならサンの方では?」と思わせるミスリード役でもありました。最後まで頼れる兄弟分として旅を支えてくれた、お気に入りの仲間の一人です。
スミ
ノーザの幼馴染であり、実質的にはシリーズで最初に登場したヒロインです。地味に最初期の構想から存在していたキャラクターなのですが、その頃から「幼馴染ヒロインの宿命」なのか、ニーナの登場と同時にフェードアウトする予定でした。今振り返ると、その後どうなったのかくらいは描いてあげれば良かったかな……と思う、少し不遇なヒロインです。そんな扱いとは裏腹に、実はpixivでのブックマーク数はノーザ編のキャラクターで一番多かったりします。作者の想像以上に読者から愛されていたキャラクターでした。
リコ・ヴェール
途中加入したレア職業「スキルチューナー」の持ち主です。実は当初、リーが裏切る予定だった展開を変更したことで、その代わりとして「裏切るキャラクター」として誕生しました。結果的には物語の重要人物となり、魔王との最終決戦では、ノーザに最後まで足りなかった"あと一歩"をスキルチューナーとして補い、勝利へ導いてくれた縁の下の力持ちでもあります。名前の由来は「リコ=利己」、「ヴェール=隠す」。自分本位な本心を隠すという、彼の在り方を表した名前になっています。
ミネル・ヴァリエ
ノーザが旅の途中で偶然出会った、フクロウの鳥人族のヒロインです。物語の後半で「ノーザを人間だけでなく、種族を超えて慕われる勇者として描きたい」と考えたことから誕生しました。また、ノーザ編は王道ファンタジーではありますが、食料や消耗品が都合良く無限に湧いてくるようなご都合主義にはしたくなかったため、鳥人部隊による物資輸送や補給という役割も担っています。後半からの加入ながら、最終決戦まで仲間たちを支え続けてくれた、頼もしい存在でした。
カーミラ
武闘大会で現れた、仮面の魔剣士です。ヴィヴィとは真剣勝負を通して熱い友情が芽生えた、お気に入りのライバルキャラクターでもあります。また、ノーザと同じく武器も魔法も高い水準で扱える「勇者タイプ」「勇者の資質」という世界観の基礎を作ったキャラクターでもあります。中盤時点では作中最強クラスだったかもしれません。最終決戦では助っ人として駆けつけ、最後まで頼もしい活躍を見せてくれました。そしてオチとして、仮面を外したら実は絶世の美女だったというギャップも、作者的には気に入っているポイントです。
アルベルト
カーミラに続いて登場した、「勇者の資質」を持つ三人目のキャラクターであり、騎士団ラークナイツの団長です。「ノーザ率いるクレインパーティと、別の実力派冒険者パーティを一度戦わせてみたい」という発想から生まれました。騎士らしい正々堂々とした性格で、ノーザ達の好敵手として活躍してくれました。実は全シリーズを通して、剣を使うキャラクターは多いのですが、「剣と盾」を正式な戦闘スタイルとしているキャラクターはアルベルトだけだったりします。騎士らしさを一番意識して作ったキャラクターです。
紫織・カンナギ
転移装置の事故で日ノ本へ飛ばされたノーザとニーナを匿ってくれた、お寺の娘さんです。「どこかでノーザに刀を手に入れるイベントを作りたいな」と考えていた時に誕生したキャラクターでした。物語が進み、実は紫苑の祖母だったことが判明したことで、アクアと紫苑が出会う48年前には、互いの祖父母もすでに出会っていたという繋がりが生まれました。シリーズ全体の歴史や縁を感じられる設定になり、作者としてもとても気に入っているエピソードです。
恵元
紫織の育ての親であり、啓龍寺の住職です。ノーザへ名刀「黒刀六道」を託した人物で、紫織と同じく刀の入手イベントを考えていた時に誕生しました。ノーザの刀技「六道斬り」を受け継がせる重要な役割を担ったキャラクターでもあります。ちなみに六道斬り六つの型の中で最強奥義を「千手観音」にした理由は、啓龍寺のモデルとなった実在のお寺が千手観音を守護本尊として祀っていることからです。物語だけでなく、実際の寺院への敬意も込めた設定になっています。
ニシカワ・ショウコ
現代日本を舞台にした作品『怪異探偵』のヒロインで、本名は西川翔子です。実はこの作品世界ではノーザよりもずっと前から考えていたキャラクターで、終盤を盛り上げるセルフゲストとして登場させました。怪異狩りの能力を持つ女子高生が異世界へ飛ばされ、魔族相手に無双する姿は、ある意味もう一人の主人公だったかもしれません。ノーザと肩を並べる、あるいはそれ以上の実力者として描けて作者も満足しています。不定期ではありますが、『怪異探偵』の方もよろしくお願いします!
アイリーン
クレインパーティを支えた鳥人部隊の一員で、オウギワシの鳥人です。ミネルに次いで出番の多かった鳥人キャラクターで、「魔族の支配地域まで大量の物資を運べる鳥はいないかな?」と調べた結果、巨大な猛禽類であるオウギワシを知り誕生しました。作中で英語を話す場面が何度かありましたが、これは作者が当時「オウギワシは北米に生息している」と勘違いしていたためです(笑)。正しくはメキシコなど南米にかけて生息する鳥でした
グラーフ・ネフェル
ノーザ編のラスボスであり、先代の魔王です。実はメタ的には息子のグランを先に考えていたため、名前や口調などは少しグランの影響を受けています。グラーフは「魔王が加害者、人類が被害者」という王道の構図を担う存在として描きました。一方で、ワイアット編やカロン編では主人公側が加害者となる場面も多く、グランはむしろとことん被害者でした。その対比もあり、グラーフには最後まで"魔王らしい魔王"として物語を締めてもらいました。シリーズ全体を振り返ると、善悪の立場が少しずつ変化していく始まりの存在だったのかもしれません。
王国史上最悪の問題児、世界を救えと言われたので休暇を満喫する。
カロン・クレイン
シリーズ三代目の主人公で、実はキャラクター案自体はアクア編が終わった直後から存在していました。アクアがポセイドンをモチーフにしながら純朴で優しい主人公だったので、カロンは降三世明王をモチーフに「気に入らない奴は踏み潰す」という真逆の主人公を目指しました。当初はワイアット以上に残虐で危険な男にする予定でしたが、いざ書いてみると悪人度では結局ワイアットを超えられませんでした(笑)。ただ、善悪ではなく自分の好き嫌いで動き、それでも結果的に多くの人を救うという、歴代主人公でもかなり異質な存在になったと思います。ちなみに降三世明王以外のモデルは、『GTA5』の主人公三人を足して3で割ったようなイメージです。
レオン・グランツ
カロンの幼馴染で親友の軍人にして、カロン編の準主人公です。実は初期設定では女性で、カロンに最初に出会うツンデレ女軍人という全く違うキャラクターでした。スタオンヌにばかり鼻の下を伸ばすカロンに呆れながらも、次第に惹かれていく予定でしたが、この案は廃止。その後、カロンの暴走に付き合うツッコミ役兼相棒として現在の形に落ち着きました。男二人だけで旅をスタートするのは中々挑戦的でしたが、クレイジーなカロンと対照的な、健全で真っ当な準主人公になってくれたと思います。ちなみにモデルは『バイオハザード4』のレオンです。
スタオンヌ・ドゥラメリア
カロン編のメインヒロインにして、カロンの理想の女性像をそのまま形にしたようなキャラクターです。実はカロン編の主要人物では珍しく、初期案からほとんど変更されることなく本編に登場しました。カロンを全肯定するデレデレなヒロインで、当初は純粋な科学者として考えていたはずが、物語が進むにつれて何故かどんどん毒使いとしての才能を開花させていきました(笑)。それでも最後までカロンの一番近くにいるメインヒロインという立ち位置は一切変わりませんでした。モデルというより名前の由来は、作者が思う「史上最強の3勝馬」、スターズオンアースです。
リバティーナ・ドゥラメリア
レオン目線のヒロインであり、仲間内では一番の常識人だった弁護士です。実は初期案では姉のスタオンヌと一緒にカロンと付き合う予定で、職業も弁護士ではなく「獣使い」のような設定でした。しかし、ミリタリー要素の強い本作には少し合わないと思い変更した結果、レオンと健全・純潔・潔白な恋愛を貫く「本作の良心」のような存在になりました。名前の由来は、悲劇の三冠牝馬リバティアイランドです。私自身も献花に行き、無事に繁殖入りしてイクイノックスとの産駒を見たかったという思いが残っていたので、せめて創作の中では幸せになってほしい――そんな気持ちも込めたキャラクターです。
エマ・グレイス
カロンの幼馴染でありながら、恋愛には発展しない非攻略ヒロインです。この辺りから、初期案には存在せず、本格的に投稿を考え始めてから生まれたキャラクターになります。銃と車両が主体の本作では補給が非常に重要なので、金策や物資調達から戦闘、詐欺、潜入工作まで何でもこなす万能枠となり、振り返ってみればある意味カロン編のMVPだったかもしれません。その一方で、血と悪人の絶望する顔が大好きという、味方側のサイコパス担当でもありました(笑)。モデルは『終末のワルキューレ』のジャック・ザ・リッパーで、上品な笑顔の裏に危険な一面を隠しているところも意識しています。
沙耶・ヒジカタ
アクアと紫苑からカロンの護衛として派遣された、日ノ本出身の用心棒です。作中では触れませんでしたが、実は紫苑とは部下あるいは後輩に近い関係という設定があります。16歳という若さながら作中屈指の剣の達人で、一方では旅を通してカロンに惹かれていく乙女としても活躍してくれました。戦闘スタイルのモチーフは、新選組副長・土方歳三と座頭市を組み合わせたものです。キャラクター自体のモデルは、ホロライブの風真いろはさんです。剣士としての格好良さと、カロンの前で見せる可愛らしさの両方を描けたキャラクターでした。
リリーナ・ジョウリッサ
世界的大企業グループの会長にして、総資産160兆ダストを誇る若き大富豪です。カロン編はシリーズ過去最大のハーレムにしたかったので、「世界的大企業の女社長まで惚れさせたら、カロンの規格外っぷりも出せるし金策にもなるのでは?」という発想から誕生しました。商談・人脈・ゴルフ・酒では無類の強さを誇る一方、恋愛だけはクソ雑魚というギャップが特徴で、頼れる仲間でありながら結構なお笑い担当でもありました。160兆という資産に物を言わせる豪快さも、カロン編のやりたい放題な雰囲気にピッタリだったと思います。モデルはReGLOSSの一条莉々華さんです。実は作者の推しだったりします。
レジェンドユタカ
カロンが敬愛してやまない、競馬界の生ける伝説です。本編ではほんの一瞬の登場でしたが、カロンが本人を目の前にして完全にただのファンになるという爪痕を残してくれました。モデルについてはもちろん、「生ける伝説」「ミスター日本競馬」のあの御方です。
ミスターノリヒロ
こちらもカロンが敬愛する競馬界のレジェンドであり、レジェンドのさらに先輩にあたる存在です。モデルはポツンでおなじみのあの御方、何をするか分からない独特の騎乗、それでも時折とんでもない結果を出し、誰よりも馬を大事にする、作者としてももう一度あの御方がG1を勝って大喜びする姿を見たいです
ロイ
とある街で出会った恋人を寝取られた若者です。当初から、「NTR主人公を助ける話が書きたい」とは思っていたのですが、冒険もの主人公でそれをやるのは…と思い誕生したのがロイでした。立ち直ってからはリリーナの会社で働いています。最終回の手紙では無事に新しい彼女も出来て自信も付いてたましたね。
フレン
ロイの幼馴染で元カノ、ロイのような男の子を助けたくなったのも実はフレンのようなヒロインが出てるそういう系の漫画読んだ結果なんですよね、私は心だけは主人公に残ってる系のNTRが好きなので、フレンのモデルになったようなヒロインは助ける気起きなかったですが書いててスカッとしたのでいいかと(笑)名前の由来は不倫→フレンで某人気Vtuberとは一切関係ありません(笑)
エリオル
ある意味カロンとエマの一番の被害者だったかもしれないキャラです。ワイアットはカタギには迷惑掛けない主義でしたが、カロンはムカつく奴は問答無用でボコるという…ある意味カロンの一番ヤバい所に当たってしまったキャラかもしれません。結果が女の子にされてしまいました(笑)
ルーナ・リージェ
元ジーク一行の仲間で、三人組のリーダー格だった女性です。カロン達に救われた後は会社を立ち上げ社長にまでなっていました。ワイアット編の平行世界にもそっくりな三人組が登場していましたが、当時は「第2章に出てきた特に思い入れのないキャラ達」という立ち位置でした(笑)。ただ、実はその頃から「別の世界線ならこの三人が救われる展開もあり得たかも」とぼんやり考えていて、それを本史で実現したのがルーナ達です。結果的にはカロンに救われ、彼を慕うヒロインの一人となり、平行世界とは全く違う人生を歩ませてあげることができました。
エルナ・シュヴァルツ
ルーナ、ミラと行動を共にしていた氷の剣士です。平行世界版の三人では、もしかすると一番地味な存在だったかもしれません(笑)。本史では「強気だけど三人の中では一番子供っぽいルーナ」「悪女感たっぷりのミラ」に対して、エルナは意外にも一番の常識人という立ち位置に落ち着きました。カロンに救われてからは以前よりずっと笑うようになり、三人の中でも変化が分かりやすかったキャラクターだと思います。ちなみに本編では描きませんでしたが、三人で会社を立ち上げた後は経理部長を務めています。なんだかんだ一番安心して会社の財布を任せられる人です(笑)。
ミラ・ナージュ
ルーナ、エルナと行動を共にしていた三人組の一人で、三人の中では一番の悪女担当です。平行世界では最終回直前にワイアットへ色仕掛けした結果、ミレイナにボコボコにされるという、ある意味最後に戦ったあちらの世界の実質ラスボスでした(笑)。実はカロン編で三人を救済しようと思った一番のきっかけが彼女で、悪女ではありましたがキャラクターの見た目自体はかなり気に入っていました。本史でもジークに対してはしっかり悪女でしたが、カロンに救われてからは一転、彼に尻尾を振りまくる仔犬のようなヒロインになりました。ちなみに起業後は営業部長で、その口の上手さを今度は真っ当な仕事に活かしています(笑)。
テラ・アドミーヤ
世界的トップスターにして、白銀歌劇団の花形。歴代全作品を通しても、おそらく最も世間で名の知られたヒロインです。誕生のきっかけは「カロンと世界的アイドルを密かに交際させる、ちょっと危険な恋愛を描きたい」という発想でした。イメージは『新サクラ大戦』のアナスタシアと、シェイクスピアの喜劇『十二夜』に登場するシーザリオです。名前を考えていた頃、ちょうどアドマイヤテラが阪神大賞典をレコード勝ちしており、「アドマイヤ=賞賛・感心」という意味も世界的スターにピッタリだと思い、テラ・アドミーヤに決まりました。男装の麗人としての格好良さと、カロンの前だけで見せる一人の女性としての顔、そのギャップもお気に入りです。
妲狐鞠
カロン達が訪れた大陸一の歓楽街を支配する、傾国の大妖怪です。全キャラクターの中でも設定を考えるのが一番楽しかった反面、完成まで最も時間がかかったキャラクターでもあります。「傾国の美女すら惚れさせるカロン」というネタを思いついたことから誕生しました。作中では「1000年もわちきにとっては数年」と語っていましたが、彼女は末喜であり、ヘレネであり、妲己や玉藻前でもあるため、カロンと出会った時点で実年齢は約3600歳です。当初は妲己・クレオパトラ・玉藻前あたりの要素だけだったはずが、設定を考えるのが楽しすぎて気付けば滅茶苦茶盛られていました(笑)。数千年に渡って数多の男や国を翻弄してきた傾国の美女が、最後には17歳のカロン一人に惚れ込むという結末もお気に入りです。キャラのイメージは紫今さんの『魔性の女A』です。
ラヴィア・メメントモリ
カロン編で最後に登場したヒロインです。テラ、狐鞠と個性的なヒロインが続いたので、「今度は魔族側にもヒロインがいていいんじゃないか?」という発想から誕生しました。魔族でありながら争いを嫌い、その考えゆえに魔族からも人間からも異端視されていましたが、カロン達と出会ったことで高原リゾートを巡り、初めて普通の女の子らしい夏の思い出を作ることができました。結果的に彼女との出会いが、人間と魔族が共存するベルガードへ繋がる大きなきっかけにもなっています。終盤登場ながら物語そのものを「魔王を倒す」から「魔族も救う」方向へ変えてくれた重要なヒロインでしたし、高原リゾート編は作者としても書いていて特に楽しかったエピソードです。
ティトル・ドゥラメリア
スタオンヌとリバティーナの兄で、ドゥラメリア家の長男です。序盤から二人に兄がいること自体は匂わせていましたが、過激派掃討作戦で軍人として満を持しての登場となりました。名前の由来はもちろんタイトルホルダー。2023年のジャパンカップで、タイトルホルダー、スターズオンアース、リバティアイランドというドゥラメンテ産駒三頭が同じ舞台に立った光景は、今でも忘れられません。一番好きな馬を一頭だけ選べと言われると悩みますが、「競馬における私のヒーローは?」と聞かれたら、答えは絶対にタイトルホルダーです。作中での出番は僅かでしたが、妹二人を大切にする頼れる長兄として、名前に恥じない格好いい兄貴になってくれたと思います。
ユリウス・アークライト
ジークよりはちゃんとした(笑)、真面目で高潔な勇者です。「自由奔放で勇者らしさ皆無のカロンVS真面目で高潔な正統派勇者」という対決を以前からやってみたくて誕生しました。伝説の勇者ノーザに心から憧れている一方、その孫でありながら蛮行を繰り返すカロンのことは認められない、というある意味もっともな価値観の持ち主です。ノーザの奥義まで体得していることから、人間としては間違いなく作中屈指の実力者……のはずなのですが、本編ではとにかくカロン相手にボロ負けしていました(笑)。決してユリウスが弱いわけではありません。カロンがおかしいだけです。
エリシア
ユリウス率いる勇者パーティの賢者であり、ユリウスが密かに想いを寄せていた女性です。大賢者を名乗りながら作者権限まで持っているどこかの人とは違い、こちらはちゃんと普通の賢者です(笑)。ユリウス一行を「ゲームで言う上級職だけを集めたパーティ」にしようと考えた結果、賢者枠として誕生しました。当初は普通にカロン達と敵対して戦う予定だったのですが、書いているうちにカロンの人望やワイルドさに惹かれるようになり、最終的にはユリウスの脳を破壊する役まで担当することに。とはいえエピローグ後もカロンと付き合えたわけではないので、ユリウス共々、恋愛面ではなかなか報われなかったキャラクターです(笑)。
ヴェルゴーニャ
魔王軍No.2にして過激派のトップとして登場した龍王です。名前の意味はズバリ「恥」。魔王グランのやり方を甘いと見下し、「自分達こそ真の魔族」と実権を奪おうと調子に乗っていたのですが……相手が悪すぎました(笑)。クレイン王国と日ノ本による約400両規模の連合軍に本拠地を滅茶苦茶にされ、満を持して登場した中ボスなのに僅か一話で退場。しかも最後は狐鞠に動きを封じられ、カロンに話すらろくに聞いてもらえず撃たれて終わりました。最終決戦直前の強敵というより、カロン達のやり過ぎオールスター回最大の被害者だった気がします(笑)。
幹部達
ヴェルゴーニャ率いる過激派の幹部達で、ものすごく重要そうに登場して一瞬で消し炭になった人達です(笑)。ヴォルグ、フリジア、レクイエム、ダンテ、リリスと、それぞれ「終盤はコイツらとのボスラッシュになるのか!?」と読者に思わせるために用意しました。そのため百人隊長、氷の魔女、死霊楽団長、奈落の処刑人、悪戯姫と、登場から数分で退場する割には設定もしっかり考えてあります。ところが戦闘開始と同時にクレイン王国と日ノ本の火力が全部を台無しにし、まともなボス戦すらさせてもらえませんでした(笑)。「強そうな敵幹部達VS主人公一行」ではなく、「強そうな敵幹部達VS近代火力」をやりたかったがために生まれた、壮大な前フリ担当です。
グラン・ネフェル
先代魔王グラーフの息子にして、カロン編のラスボスです。平行世界であるワイアット編第2章『伝説の勇者の息子は共に生きて老いて死ぬ為に』に登場したグラン・ネフェルと同一人物で、なぜか彼が登場すると毎回「主人公が加害者、魔王が被害者」という構図になります(笑)。平行世界ではワイアットの外道戦法によってまさかの「切れ痔の魔王」にされながらも最後には和解し、本史でもカロンにボコボコにされた末に和解するという、何とも彼らしい結末になりました。父の遺志と魔族の未来を背負って魔王となりましたが、本質的には同胞を愛し、何より妻ルアを大切にする愛妻家です。結局のところ悪い魔王だったのではなく、魔王になるには優し過ぎる男だった――それがグランというキャラクターだったと思います。
ルア・ネフェル
魔王グラン・ネフェルの妻で、こちらも平行世界のワイアット編に登場した魔王の妻と同一人物です。……なのですが、実は作者自身がカロン編終盤まで彼女の存在を完全に忘れていました(笑)。最終回の展開を考えている途中で「そういえばグランって既婚者だった!」と思い出し、急遽本史にも登場することになりました。結果的には、カロンが「同胞のため」と戦い続けるグランに本当に大切なものを自覚させる、最終決戦の重要人物になっています。ワイアット編では一瞬だけ戦闘描写もありましたが、具体的にどれくらい強いのかは今なお不明です。忘れていた設定を拾い直した結果、ラスボスを救う決め手になったキャラクターでした(笑)。
降三世明王
カロンのモチーフであると同時に、その背後を守り続けた「三界の勝利者」です。不動明王には個人的に「智慧の明王」というイメージがあったため、カロンには五大明王の中でも実力No.2でありながら、驕り高ぶる者を屈服させ、破壊神シヴァすら力でねじ伏せる降三世明王が最も似合うと思い選びました。カロン自身の「相手が何者だろうと気に入らなければ屈服させる」という生き方にも、結果的に非常によく馴染んだモチーフだったと思います。作中では軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王、烏枢沙摩明王を従え、カロンの背後に構える守護神として描きました。そして最後には、倒れた敵を踏みつけ降三世印を結ぶカロン自身が「三界の勝利者」の姿と重なり、物語を締め括ってくれました。
続投キャラ
ワイアット・クレイン
シリーズ初代主人公にして、今回の主人公カロンの父親です。カロン編では52歳になりましたが、その自由人っぷりは相変わらず。国王を引退した現在は悠々自適な生活を送り、かつてのヒロイン四人の家をハシゴしながら遊び呆けています(笑)。息子のカロンも大概好き勝手に生きていましたが、悪人度では最後まで父親を超えられなかったあたり、やっぱり元祖は格が違いました。王でも勇者でもなくなった後まで「自由に生きる」という生き方だけは一切ブレなかった男です。
カレン・クレイン
ワイアット編の二人目のヒロインにして、今回の主人公カロンの母親です。実は地味ながら、シリーズ全作品に登場している皆勤賞キャラクターでもあります。元海賊団船長、ヒロイン、女王、そして母親と、シリーズが進むごとに立場は変わってきましたが、ワイアットへの愛情だけは昔から全く変わっていません。52歳になった現在も夫婦仲は相変わらずで、何歳になってもイチャイチャしています(笑)。カロンの自由奔放さや女好き、盗みの技術などを見ていると、ワイアットだけでなく母親からもしっかり色々受け継いでいるんだなと思います。
エトラ・クレイン
ワイアット編の三人目のヒロインで、清楚系ヒロイン兼「元祖チート魔法」担当です。カレンに負けず劣らず、何年経ってもワイアットとの夫婦仲はかなり熱いようです(笑)。ミレイナは正妻ポジションで娘のディアドラが王位を継ぎ、アイネスは息子のアクアが二代目主人公になった一方、振り返るとエトラだけ少し影が薄くなってしまっていました。そのためカロン編では「どこかでちゃんと出してあげたい」と思い、短いながらも再登場してもらいました。出番こそ僅かでしたが、元祖チート魔法使いとして今でもクレイン家を支える一人です。
アクア・スメラギ
前作の主人公で、旧姓アクア・クレイン。日ノ本を救った英雄であり、歴代主人公の中では唯一、一人の女性だけを愛し続ける純愛を貫いた男です。アクア編終了後も、短編の伊勢参りでは福井県の明通寺に祀られた降三世明王を見てカロンの姿を重ねるなど、次代の主人公へ繋ぐ役割を担ってくれました。そしてカロン編では沙耶を派遣し、終盤には自ら助っ人として参戦するなど、今度は先代主人公としてカロンをバックアップする立場に。主人公として日ノ本を救い、父や夫となった後は次の主人公を支える――長い間シリーズを繋いでくれた、私の作品には欠かせない主人公でした。
紫苑・スメラギ
前作のヒロインにして、現在はアクアの妻です。侍の時代が終わり急速に近代化していく日ノ本では、刀を振るう侍から県知事秘書へと転身し、新しい時代を生きています。実は母方の実家が、かつてノーザに黒刀六道を託した啓龍寺であり、祖母の紫織も若き日のノーザとニーナに出会っていました。つまりアクアと紫苑が生まれる何十年も前から、クレイン家とスメラギ家には不思議な縁があったことになります。アクアと純愛を貫いたヒロインであると同時に、ノーザ編からアクア編、そしてカロン編まで三つの時代を繋いでくれたヒロインでもありました。
ディアドラ・クレイン
クレイン王国第2代国王にして、「阿修羅の女王」の異名を持つ地上最強の生物です。全てのチート魔法をフィジカルだけで打ち消し、挙げ句の果てには神すら蹴り一発で昏倒させるという、シリーズのパワーバランスを一人だけ無視しています(笑)。今回は女王としてカロン達を支える立場だったため戦闘描写こそありませんでしたが、弱体化したわけではなく、現時点での強さは
ディアドラ>>>>>メグ>>>カロン>アクア>ハーデス……くらいで、シリーズを重ねても1位と2位の壁は未だに変わっていません。カロンに輸血した結果、その規格外の身体能力の一部まで弟に受け継がせてしまったあたり、今回も別方向で「阿修羅」していた人です。
アズール・クレイン
カロンの実兄であり、ワイアットとカレンの子供、七人兄弟の長男です。前作では海軍提督を務めていましたが、陸軍将軍レグナスがクーデターに失敗し粛清された後、陸海軍全てを統括する元帥へと昇進しました。兄弟には阿修羅の女王や大魔導士、救国の英雄、そして問題児カロンと濃すぎる面々が揃っていますが、その中では比較的まともな常識人です(笑)。今回は魔族過激派掃討戦で約400両規模の同盟軍を指揮し、砲兵・機甲部隊を統率する名将ぶりを発揮してくれました。超人的な力ではなく、軍人としての能力でクレイン家の規格外っぷりを見せてくれた長男だったと思います。
ハーデス・クレイン
クレイン王国の大魔導士で、ワイアットとエトラの息子です。アズールとは同い年ですが数ヶ月遅く生まれたため、王室兄弟では次男にあたります。母エトラ譲りの強大な魔力を持ちながら、バイデントを振り回して接近戦までこなすという、魔法使いの割にかなりの武闘派です。普段は冷静で真面目なのですが、妻のメグとは執務中でもこっそりイチャイチャしており、結婚後は意外な愛妻家ぶりも見せてくれました(笑)。今回の過激派掃討戦では、メグのチートを受けた「ヘルヘイムバイデント」で敵部隊を一掃。前作主人公アクアの兄として、久々に王室兄弟の規格外な強さを見せてくれました。
メグ・クレイン
ハーデスの妻にして「大賢者」――を名乗る、作者権限の保有者にして世界の管理者です。アクア編で初登場した頃は、ボロアパート暮らしのアル中引き篭もり、Iカップ、チョコミントアイス中毒、煽りカス、ショタコンお姉さんという属性過多のヤバい奴でした(笑)。しかしその正体は、「魔法」と称してこの世のあらゆるものを好き勝手に操れる、作者の分身とも言える存在です。カロン編でも唯一世界そのものの構造を理解しており、新たな魔王の再臨にも真っ先に気付き、カロンの旅を始めさせた張本人でもありました。そして何気に、作中最強のディアドラを戦闘で唯一「疲れさせた」人物でもあります――まあ、結局負けましたが(笑)。アクア編では旅の仲間、カロン編では物語の仕掛け人として、二作品に渡って好き放題してくれた大賢者でした。
次回作は現在構想中です。
もしその時はまたお願いします!
では本当にありがとうございました!




