だから俺はコイツを護衛する
今回一番行き詰まったのはスタオンヌとリバティーナの兄の名前がマジで思い付かなかった事ですね
ガーディアン90の車内。
山間の町を後にし、ゆっくりと街道を走る。
レオンはハンドルを握りながら苦笑した。
「しかし……リバティー達の腕前にはビビったな……」
助手席のリバティーナは少し照れ笑いを浮かべる。
「昔は家族で、よく山に行きましたから、狩猟は父さんと兄さんに教わりました」
レオンは思い返すように笑う
「確かに…今思えばリバティーもスタオンヌも、魔物の死体見ても全然平気な顔してたよな」
リバティーナは小さく頷く。
「小さい頃は……父さんや兄さんと一緒によく山へ入りましたから、命を頂く事には昔から向き合ってきました」
レオンは感心したように息を吐く。
「なるほどなぁ……だから昨日も落ち着いてたのか」
少し間が空く
ふと、レオンが思い出したように尋ねた。
「そういえば……リバティーのお兄さんって軍人なんだよな?所属は?」
リバティーナは思い出すように
「確か……陸軍の機甲科ですね」
「へぇ……名前は?」
「ティトル・ドゥラメリアです、会った事あります?」
レオンの表情が一瞬止まる。
「…………ん?もしかして、中尉?」
リバティーナが目を丸くした。
「え……そうですが……」
レオンは思わず笑ってしまう。
「……会った事あるわ…訓練生の頃」
「えっ!?」
今度はリバティーナが驚く番だった。
「兄さんと!?」
「ああ機甲科の教導訓練で一回だけな…滅茶苦茶厳しかった……でも面倒見の良い人だったよ」
リバティーナはどこか嬉しそうに微笑む。
「兄さんらしいですね」
レオンは苦笑する。
「世界って狭いな……次会った時、怒られないかな……妹さんに手を出したなって」
リバティーナは肩を震わせた。
「ふふっ、兄さんは……そこまで頑固じゃありませんから♡……たぶん」
「たぶんかよ」
二人は顔を見合わせる。
そして、どちらからともなく笑い出した
穏やかな笑い声が車内に響く
その笑顔を見ていたエマがバックミラー越しに小さく微笑んでいた…
ガーディアン90は街道を軽快に走り続ける
窓の外には、どこまでも続く田園風景
リバティーナはレオンを見つめ、ふと微笑んだ。
「レオンさんは……小さい頃はどんな子だったんですか?昔からカロンさんやエマさんと一緒だったんですか?」
レオンは少し懐かしそうに笑う。
「……アイツらとは三歳からの付き合いだ、気付けば、いつも一緒だったな…趣味なんていうより毎日遊び回ってた」
そう呟くと、レオンの視線は遠くへ向く
「そういえば……あの日も、いつもと変わらない一日だったな……」
――今から八年前
クレイン王国、王都
城下町には子供達の笑い声が響いていた。
石畳の道を、一人の少年が先頭を走る。
「二人とも!行くぞー!」
カロン・クレイン、九歳。
王族の血を引いているとは思えないほど、服は少し土で汚れ、元気いっぱいの悪ガキだった。
その後ろを、小さな少女が慌てて追い掛ける
「待ってよー!」
エマ・グレイス
まだ今のような腹黒さも、血を見ることへの興味もない
笑顔の似合うごく普通の少女だった。
最後尾では一人の少年が呆れたようにため息をつく
「カロン!そんなに走るなって!」
レオン・グランツ
真面目ではあるがこの頃はまだ今ほど堅物ではない
カロンの無茶に振り回されながらも結局は一緒になって遊んでいた
「今日はどこ行く?」
レオンが尋ねると、
カロンは胸を張った。
「決まってんだろ!面白そうな所!」
「それじゃ分かんないよ!」
エマが笑いながら突っ込む
三人は顔を見合わせる。
そして――。
「「「あはははは!」」」
王都の青空へ、子供達の笑い声が高く響いた。
現在
ガーディアン90の車内。
リバティーナはくすりと笑った。
「エマさん以外は、あまり変わっていないんですね」
レオンも思わず笑う。
「ああまあ、エマは色々あったからな……
カロンなんて今も昔も変わらない、思い付いたら即行動だ」
リバティーナも頷いた。
「確かに、そのままですね」
レオンは懐かしそうに窓の外を眺める。
「昔はもっと酷かったけどな……」
――八年前。
クレイン王国王都。
カロンは当時から問題児だった。
授業中に居眠り
教師へ口答え
面白そうな事があればすぐ首を突っ込む
しかし試験になれば毎回学年トップ、同級生からも慕われ、教師達も頭を抱えるほどの"インテリギャング"だった。
一方のレオンは正反対
宿題も忘れず
先生の話も真面目に聞く
気付けば自然と皆をまとめる立場になっていた。
「カロン!また先生怒ってるぞ!早く戻れ!」
「へいへーいわかったよ」
口では適当に返事をしながらも
レオンが本気で困る前には、ちゃんと戻る。
そんな絶妙な距離感だった
正反対、だからこそ不思議と馬が合った
学校が終われば毎日のように三人で遊び
川へ行き、森を探検し
時には他のクラスの悪ガキ達と喧嘩になり
「やるかコラ!」
「負けるか!」
泥だらけになって帰る事もしょっちゅうだった
もちろん悪戯も数え切れない
城の庭でボール遊びをして窓ガラスを割ったり
軍の物質を勝手に持ち出したり
国家予算を持ち出し競馬に突っ込んだり
祖父の名前を出してJKをナンパしたり
嫌いな奴の家に爆弾仕掛けたりもした
その度に待っているのは――王室相談役。
ヴィヴィアン・スカーレット
当時六十六歳
「馬鹿かお前らーー!!」
雷のような怒号が王城へ響く
レオンは即座に正座した
「す、すみませんでした……」
しかしカロンだけは腕を組んだまま
「うるせぇな!怪力ババア!」
「誰がババアだーー!!今日という今日は覚悟しろーー!!」
「うわっ、逃げろレオン!」
「なんで俺までぇーー!?」
エマは笑いながら後を追う。
「あははは」
城中を三人が逃げ回り、ヴィヴィが本気で追い掛ける。
そんな騒がしくも平和な毎日が、三人にとっては当たり前の日常だった。
ヴィヴィは肩で息をしながら、逃げていく三人の背中を睨んだ。
「まったく……ニーナに似て、ムカつくガキだねぇ……!その減らず口までそっくりだよ!」
その怒鳴り声は、城下町中へ響き渡った
城の外
路地裏へ飛び込んだ三人は、ようやく足を止める。
カロンが大きく息を吐いた
「よし!逃げ切ったな!」
レオンは膝に手をつきながら肩を落とす
「逃げ切ったじゃねぇよ……お前、どうすんだ?
帰ったらまた怒られるだろ?」
カロンは腕を組み、数秒真剣に考える
「…………」
そしてパッと顔を上げた。
「しゃーない!学校に忍び込んで泊まる!」
レオンは目を見開いた
「はぁ!?何その結論!」
カロンは当然のように親指を立てる
「お前らも来いよ!」
エマは頷いた。
「ロンくんとレオくんが行くなら……」
レオンは頭を抱える。
「エマまでぇ……」
結局反対したはずのレオンも、二人に押し切られるのだった
その夜、誰もいない学校
職員が帰ったのを確認し、三人は塀をよじ登る
「侵入成功!」
「成功じゃない!」
レオンが小声で突っ込む
家庭科室へ忍び込むと、冷蔵庫や棚を漁り始めるカロン
「よし!今日はチョコケーキ作るぞ!」
「なんでそんな慣れてるんだよ……」
三人で試行錯誤しながら焼き上げたケーキは、見た目こそ少し歪だったが、甘い香りだけは一人前だった。
「次!」
さらに職員室から鍵を拝借、
体育館からマットを運び出し
三人は屋上へ
冷たい夜風と満天の星空の下
「いただきまーす!」
マットへ寝転びながら、チョコケーキを頬張る。
エマは幸せそうに笑った。
「美味しい……♡」
レオンも一口食べ、思わず頷く。
「……悔しいけど美味い」
カロンは得意げに胸を張る。
「だろ?料理だけは自信ある!」
レオンは呆れ顔で笑う。
「お前なぁ……明日絶対怒られるぞ」
カロンは星空を見上げながらケラケラ笑った。
「大丈夫!最悪メグ姉に現実改変して貰うから!」
「そんな理由で世界を書き換えるな!」
「あはははっ!」
エマも声を上げて笑う
夜空には、無数の星。
三人にとっては怒られることさえ笑い話になる
そんな、かけがえのない子供時代だった。
※現在
ガーディアン90の車内。
リバティーナは思わず苦笑した。
「……変わらな過ぎて凄いですね……そんな小学生、本当にいたんですか?」
レオンは肩を竦めて笑う。
「まあ……カロンだからな」
二人は笑い合う。
しかし、その笑顔は次第に静かなものへ変わっていく。
レオンは窓の外を見つめ、ぽつりと呟いた。
「……でも…あの日からだ全部が変わったのは」
――八年前。
クレイン王国王都郊外
この日は年に一度の王国軍公開演習の日だった
王都中から多くの見物客が集まり演習場は祭りのような賑わいを見せている
レオンの父もこの演習へ参加していた
カロンとレオンは、それぞれ親に手を引かれながら会場へ向かう
カレンは観覧席を見渡しながら笑顔を浮かべた。
「見てよ、ワイアット♡あの子、あんなに張り切ってる♡」
ワイアットも優しく頷く
「ああ、アズールもすっかり元帥らしくなったな」
視線の先に演習部隊を指揮する若き将校
アズール・クレイン
凛々しい制服姿で部隊へ指示を飛ばしている
九歳のカロンは目を輝かせた。
「アズ兄、カッケぇー!」
兄の堂々たる姿に、純粋な憧れを抱いていた
その日、演習の目玉となったのは――
クレイン王国陸軍主力戦車
“ノワールMk4”
そして初公開となる次世代主力戦車
“レオノール2A4”
王国が誇る最新鋭戦車だった
轟音を響かせながら並走する二両
その姿に、観客席から大きなどよめきが起こる
「おぉ……!」
「凄い……!」
司会官の声が会場へ響いた
「ノワールMk4そしてレオノール2A4!」
「その名はかつて世界を駆け抜けた英雄――
先代国王・ワイアット・クレインの愛馬『ノワールジェネシス』、そしてミレイナ・クレインの愛馬『レオノール』の名を受け継ぐもの夢の共演であります!」
拍手が沸き起こる。
ワイアットは少し照れくさそうに笑った。
「まさかあの2頭の名前が戦車になるとはな」
カレンも肩を寄せながら微笑む。
「でも、ミレイナは喜びそう♡」
演習開始の号令と共に大地を震わせる轟音が響いた
主力戦車ノワールMk4
そして
初公開となる次世代主力戦車レオノール2A4
二両の戦車は土煙を巻き上げながら演習場を駆け抜ける
正確な機動
息の合った隊形
そして標的を撃ち抜く圧倒的な火力
観客席からは大きな歓声が沸き起こった
「おおっ!」
「これが王国軍の最新鋭か!」
「すげぇ!」
しかし
ワイアットの瞳には戦車ではなく別の景色が映っていた
かつての愛馬――ノワールジェネシス
そして、ミレイナの愛馬――レオノール
二頭は旅を終えた後も穏やかな余生を送り、
ノワールはレオノールとの間に九頭の産駒を授かり、二十八歳で静かにその生涯を終えた
今、その名を受け継いだ戦車が王国の未来を背負って走っている
ワイアットにとってそれは単なる兵器ではなかった
若き日の旅
仲間達と共に馬を駆け、笑い、戦った日々
その全てが、戦車の履帯が刻む轟音と重なって聞こえた
隣で見守るカレンも、小さく微笑む。
「……懐かしいわね♡」
ワイアットも静かに頷いた。
「……そうだな…時代は変わっても……こうして誰かが守り続けてくれるなら、それでいい」
一人の父親として
そして、一人の"過去を知る男"として
誇らしげに次の世代を見つめていた
平和な歓声
家族の笑顔
子供達の憧れ
誰もが、この日が誇らしい一日になると信じていた
現在
ガーディアン90の車内。
リバティーナは静かにレオンを見つめる。
「それは……何があったんですか……?」
レオンは少しだけ苦笑した。
「前に言ったと思うけど……あいつには恩がある…
命を救われたんだ」
その言葉に、リバティーナは息を呑む
レオンは静かに目を閉じた。
「……あの日だ」
――八年前。
クレイン王国軍公開演習
最新鋭戦車が駆け抜け、観客席は歓声に包まれていた。
王国が誇る技術、未来、平和
誰もがその光景へ目を奪われていた
誰一人としてこの数十分後に起こる悲劇を知る者はいなかった
レオンは落ち着かない様子で辺りを見回す
「父さんの出番……まだかな」
演習へ参加している父
その勇姿を一目見たくて仕方がなかった
「ちょっと見てくる!」
「お、おいレオン!」
カロンが呼び止めるより早くレオンは人混みを抜けて走り出した
ワイアット夫妻も、レオンの母も
ほんの一瞬の出来事だった
誰も気付けなかった
建物の裏へ回り込んだ、その時
遠くから怒号が響く
「おい!!」
「待てーー!!」
「止めろーーー!!」
レオンが振り返る
そこには――式典用の軍馬
何かに驚き、手綱を振り切って暴走していた
「……え」
目の前で起きた出来事に、頭が真っ白になる
足が動かない
逃げなければ
そう思っても身体が言う事を聞かなかった
軍馬は一直線に迫る
あと数メートル
その瞬間、遠くから聞き慣れた声が響いた。
「レオン!!」
次の瞬間。
ドンッ!!
強烈な衝撃。
レオンの身体が横へ弾き飛ばされる。
地面を転がりながら顔を上げると、
目に映ったのは――
自分ではなかった
カロンだった
レオンを突き飛ばした勢いのまま
逃げ切れなかったカロンの身体へ暴走した軍馬が真正面から激突する
ドゴッ…
鈍い音が響き、
小さな身体は数メートル先まで吹き飛ばされた。
「……っ!」
レオンの顔から血の気が引く。
「カ……カロン!!」
その叫びが、演習場の歓声を切り裂いた
病院。
静まり返った廊下
手術室の赤いランプだけが、冷たく灯っていた。
誰も口を開かない
ただ、重苦しい時間だけが流れていく
カレンは扉の前に立ったまま、力なく膝をついた。
「カロン……」
声にならない
両手で口元を押さえたまま、涙が止まらなかった
その肩を、ワイアットが静かに抱き寄せる。
「カレン……大丈夫だ……」
そう言いながらも、その声は震えていた
これまで数え切れない修羅場を潜り抜けてきた
だが――我が子が生死の境を彷徨う
その恐怖だけは、ワイアットですら受け止め切れなかった
拳を握る手は、僅かに震えていた。
少し離れた壁際では、ヴィヴィが拳を壁へ叩き付ける
「クソッ……!!」
鈍い音が響く
「どんだけ馬鹿なんだよ……!死ぬんじゃないよ……!カロン!!」
涙を拭う暇もない。
かつて勇者と共に魔王を倒した女戦士、
そんな肩書きも胆力もこの瞬間には何の意味もなかった、そこにいるのは血は繋がってなくとも、
カロン成長を見守ってきたもう1人の祖母だった
やがて病院の廊下に、新たな足音が響く
「カロン……!」
駆け込んできたのはニーナ
その後ろにはノーザもいた
事故の知らせを聞き急いで駆け付けたのだ
ニーナは震える手で手術室の扉へ触れる
「お願い……助かって……」
ノーザは何も言わなかった
いや、言えなかった
魔王を倒した伝説の勇者
幾度となく仲間を鼓舞し続けた男
そんな彼ですら、孫の命を前にしては不安を押し殺すことしかできなかった
静かな廊下。
誰もが同じ願いを抱きながら、ただ赤いランプを見つめ続ける
その時だった
廊下の奥から、小さな足音が聞こえてきた。
レオンだった。
まだ九歳の少年は、自分のせいで親友が命の危機にあるという現実を理解し始めていた
リバティーナは信じられないという表情でレオンを見る。
「え……?そんな……でも、カロンさんって……今」
レオンは静かに頷く。
「ああ…俺も、なんで無事だったのか分からない……メグ様が治したのかな……」
この先はレオンも知らなかった
「……普通ならあの怪我で助かるのは、不可能なはずだった」
車内に静寂が流れる
レオンはゆっくりと話を再開する
「そして、一ヶ月後だ」
――事故から一ヶ月後。
カロン・クレインは退院した
医師達ですら信じられなかった
砕けた骨、損傷した内臓
本来なら命を落としていてもおかしくない重傷
それがわずか一ヶ月で完全に回復してしまった
傷跡さえ、ほとんど残さずに
退院の日
病室には家族が集まっていた。
ディアドラは弟の頭を優しく撫でる。
「カロン……本当に、良かった」
カレンは涙を浮かべながら抱き締める。
「もう……心配させないで……」
ワイアットも静かに笑う。
「帰ろう」
病室は久しぶりに穏やかな空気へ包まれた。
その日の夕方
王都の公園
いつもの待ち合わせ場所
ベンチへ座っていたレオンは、小さな足音に振り返る。
「おう!久しぶりだな!」
包帯も取れ、いつもの笑顔
まるで何事も無かったかのように笑うカロンがそこにいた
レオンは俯いたまま立ち尽くす
「……カロン…なんで俺なんか庇ったんだよ…
俺だったら……死んでても……」
言葉が続かない
するとカロンは首を傾げる
「別に?お前が死んだら遊ぶ奴いなくなるし、
そんな世界、退屈だろ?」
あまりにもあっさりした答えだった
英雄らしい言葉でもない
自己犠牲を誇るわけでもない
ただ"親友だから助けた"
それだけだった
「……お前…本当に馬鹿だな」
カロンも笑い返す
「褒め言葉だな!」
二人は顔を見合わせる
そして、いつものように笑い合った
その日、レオンは心の中で静かに決めた
――この男には、一生返せない恩がある
だからこそ
どんな無茶な旅でも
どんな危険な戦場でも
自分は、最後まで隣に立ち続けるのだと
※現在
ガーディアン90の車内。
リバティーナは静かに息を吐いた。
「……レオンさん…カロンさんって……やっぱり、よく分からない人ですね……」
自分の命を懸けてまで助けた理由が
「遊ぶ相手がいなくなるから」
英雄らしくもなく
格好つけるわけでもない
それが、カロン・クレインという男だった
レオンも苦笑する。
「まあ……アイツを完全に理解するのは、不可能だよ考えてるようで考えてないし、それでも妙に筋は通ってる」
レオンは少しだけ笑みを浮かべた。
「だからこそ、ついて行きたくなるんだ」
その時だった、窓の外から聞き慣れた声が響く。
「おーーい!!」
並走するバイクの上で、カロンが大きく手を振っている。
「レオン!段々、町に着くぞーー!!ぼーっとしてんなー!」
レオンは思わず吹き出した。
「……ほらな…昔からあの調子だ」
リバティーナもくすりと笑う。
「ふふっ……本当に変わりませんね」
レオンはアクセルを少し踏み込む
「だから安心なんだよ」
ガーディアン90。
ククリRPV。
そして一台のバイク
三台は夕日に照らされながら、新たな町へ向かって走り続ける。
こうして――
カロン達の旅は、今日も続いていく。
クレイン王国は「僕の考えた最強軍隊」状態です




