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31/42

学割適用

まあ、リリーナ以外はみんな10代のはずなんですが細かいのは無しで

早朝。

昨晩の宴から一夜明け、歓楽街は再び活気に満ち始めていた。


狐鞠の屋敷兼ビル、その最上階

大きな窓からは街の全景が見渡せる

夜とは違う、昼の歓楽街は商人達の声や荷車の音が響き、別の顔を見せていた


エマは窓の外を眺めながら感心したように呟く。

「それにしても都会ですねぇ」


カロンも腕を組む

「でもウチの王都とは違った雰囲気だな」


レオンも頷いた

「流石は大陸一の歓楽街だ」


王都育ちの三人にとっても新鮮な景色だった。


一方でスタオンヌとリバティーナはどこか懐かしそうな顔をしている。

「私達の田舎には無かった空気ね」

スタオンヌが微笑む


リバティーナも頷いた

「そうですね…昼は昼で別の喧騒といいますか……」


スタオンヌは窓の外を見つめながら、ふと呟く

「小さい頃は……王都に憧れていたのを思い出すわ……」


リバティーナが少し笑った。

「姉さん、昔から良く言ってましたね」


その言葉に、エマが何かを思い出したように指を鳴らす。

「あ」

全員の視線が集まる

エマはニヤニヤしながらスタオンヌを見る。

「そういえばスタオンヌさん……レオくんや私みたいに、子供の頃からロンくんと知り合ってみたかったって言ってましたよね?」


「っ!?」

スタオンヌの顔が一瞬で赤くなる。

「エ、エマさん!?な、何を急に……」


エマは完全に面白がっていた。

「言ってましたよねぇ?王都で一緒に育ってたらなぁ~って」


「エマさんっ!!」

スタオンヌは耳まで真っ赤になる


その様子を見たカロンが笑う

「確かにな!言ってたな!」


「カロン様まで!?」

完全に逃げ場がない、リバティーナは苦笑し、

レオンは懐かしそうに笑った。


そんな中、カロンは突然何かを思いついたように立ち上がった。

「……あ」

全員が振り向く

カロンはニヤリと笑った

「いい事思いついた!皆さ――」


リバティーナは思わず聞き返した。

「え?制服で遊ぶ!?」


カロンは満面の笑みで頷く。

「おう!せっかくなんだしさ!学生の頃に出会ってたらって話になっただろ?なら今日は学生時代をやり直そうぜ!」


リリーナが真っ先に食い付いた。

「あ♡面白そう!修学旅行みたいじゃない!」


エマも思わず笑う。

「確かにロンくんらしい発想ですねぇ」

一方、少し離れた場所で話を聞いていた狐鞠は首を傾げていた。

(これが若者の娯楽かの……?よく分からぬが……楽しそうではあるのう)


沙耶は冷静な疑問を口にする

「しかし、急に学生服など用意出来るでござるか?」


「大丈夫だ」

カロンは即答した。

そして何の躊躇もなく窓を開け放つ


レオンが嫌な予感を覚える。

「……!、おい待てまさか――」


カロンは肺いっぱいに息を吸い込んだ。

「メグ姉ーーーーーー!!!」

歓楽街中に響きそうな大声のあと、数秒の沈黙

そして、どこからともなく声が返ってきた

『はいよ〜』



「「「「いるのかよ!!?」」」」


次の瞬間、光が弾けた


「うわっ!?」


「わ〜……久しぶりに着た……」

気付けば、カロン、レオン、エマは昔と同じブレザー姿になっていた。


レオンは自分の袖を引っ張る。

「何だこれ……懐かしいな……」


エマも苦笑した。

「卒業以来ですよ」


その隣、リバティーナは固まっていた

「……あの………」

誰もが振り向く。

「なんで私の出身校の制服なんですか……!?」


白いシャツにベスト

スカート

特徴的なリボン


間違いなく、自分が通っていた学校の制服だった。

スタオンヌも驚いている

「わ、私も……これ本当に通っていた学校の制服だわ……?」


ご丁寧な事に全員、それぞれの出身校の制服になっていた


カロンは感心したように頷く。

「流石メグ姉だな!」


そこは全人類の住所を知っている大賢者。

全員の母校制服の一着や二着、どうという事はない。

レオンは真顔になった

「いや怖ぇよ、情報量が神の領域なんだよ」


そして沙耶の方を見る

日ノ本伝統のセーラー服

カロンは数秒黙った

そして…腹を抱えて笑った

「沙耶!ほぼ小学生じゃん!」


「むーっ!!」

沙耶が頬を膨らませる。

「殿!拙者も立派な十六歳でござる!!」


「その見た目で言われても説得力が無い!」

「ひどいでござるー!!」


リリーナも自分の服を見下ろした。

上品なお嬢様学校のボレロ制服。

「うわー……何年ぶりだっけ……懐かしい……」


そんな賑やかな様子を見ながら、狐鞠は扇子で口元を隠した

「ふふっ……」

昨夜とは違う

どこか柔らかな笑み

「面白いのぉ」


そして静かに立ち上がる

「では…本日のみ特別じゃ、おぬし達は歓楽街の全ての店を五割引で利用して良いぞ」


一同が目を輝かせた


エマが真っ先に反応した。

「行きましょう!!今すぐ行きましょう!!」


レオンが突っ込む。

スタオンヌも思わず笑う。

リバティーナも。

沙耶も。

リリーナも。

そして狐鞠もまた、その光景を楽しそうに眺めていた


こうして歓楽街での少し不思議な一日

スタオンヌの小さな願いを叶える、

学生時代のやり直しが始まるのだった。


制服姿の七人は自然と二手に分かれた。

「じゃあ、また後でな!」

「チェックアウトまでには帰って来いよ!」


カロンは手を振り、そのままスタオンヌ、沙耶、リリーナを連れて商店街へ歩き出す


一方。

レオンはエマ、リバティーナと共に別の通りへ向かった


まずカロン達は甘い香りが漂うクレープ屋

「どれにする?」

カロンがメニューを見上げる


色とりどりのクレープが並び、三人は目を輝かせていた。


スタオンヌは完全に見入っている

「種類がこんなに……」


沙耶も真剣な顔で悩んでいた。

「甘味とは奥が深いでござる……」


リリーナも腕を組む

「迷うわねぇ」

カロンは三人の様子を見て笑った

「そんな珍しい?皆、学校帰りに寄り道しなかったのか?」


スタオンヌは少し照れながら微笑む。

「田舎だったので……寄るところも無くて…学校が終わったら、そのまま家でした♡」


沙耶も頷く。

「拙者は帰れば剣の稽古ばかりで寄り道など考えた事も無かったでござる」


リリーナは肩を竦める。

「親が厳しくてさ〜…寄り道なんて見つかったら

一週間外出禁止だったわ」


カロンは少し驚いたように頷いた。

「へぇ……みんな色々あるんだな」

そして、どこか懐かしそうに笑う。

「俺なんか買い食いして、カラオケ行ってそのあと公園で煙草吸って…帰ってからまたにメシ食べてたってのに」


「悪い学生でござる!!」

沙耶が思わず突っ込む


スタオンヌも苦笑した

「カロン様らしいですけど……♡」


リリーナは肩を震わせる

「自由過ぎでしょ!」

四人の笑い声が、商店街へ響いた。



その頃。

レオン達は大型商業施設のフードコートへ来ていた。

「懐かしいな……」

レオンはトレーを持ちながら席へ着く

プライドポテト

ドリンクバー

どこにでもあるような学生達の定番メニュー

エマはストローをくるくる回しながら笑う

「懐かしいねぇ…昔は毎回ロンくんの奢りで来たよね」

レオンも小さく笑った

「ああ、アイツ滅茶苦茶羽振り良かったもんな…『食え食え!』って毎回言ってた」


リバティーナは二人の話を静かに聞いていた。

目の前には、ジュースとポテト。

制服姿で並んで座る三人。

(これが……放課後……)

姉同様に憧れていた、何気なく友達と寄り道して

他愛もない話をしながら笑い合う時間

それを今、自分は少しだけ体験している

リバティーナはジュースを一口飲み、ふっと微笑んだ。

「……いいですね」


レオンが首を傾げる

「ん?」


リバティーナは照れくさそうに笑う。

「なんでもありません♡」

その笑顔を見たレオンとエマも、自然と笑みを浮かべるのだった。




クレープを食べ終えた四人は、制服姿のまま歓楽街をぶらぶら歩いていた。

「次どこ行く?」


「せっかくだし、もっと学生っぽい事したいな」

カロンが辺りを見回していると、一軒の見覚えある看板が目に入る

大陸中に展開するファストフードチェーン。

「おっ!ハンバーガー屋!」


沙耶は店を指差した。

「出たでござる……田舎にもギリギリある系のチェーン店……」


リリーナが突然ニヤリと笑う。

「そうだ!今日はアタシが出すよ〜!!」


「社長!!」

カロンが拍手する


数分後…

テーブルいっぱいにファストフードが並んでいた

一番人気のバーガー

全員ポテトはLサイズ

ドリンクもLサイズ


そして

「……」


スタオンヌが目を丸くする。

「な、ナゲットが……一人十五ピース……?しかも単品で…」


沙耶も圧倒される

「学生にとっては夢のような注文でござる……」


リリーナは胸を張った。

「大人の財力を見なさい!今日はカロリーなんて気にしないわ!」


カロンは早速バーガーへかぶり付く。

「これだよこれ!このジャンク感!」

スタオンヌは小さく笑った。

「凄いですね……カロン様♡」


カロンは真顔で頷く。

「それが良いんだよ歯磨きしても取れないで、夜まで口の中にくどさが残る感覚!そのうえで夕飯食うのが最高なんだよ!」


スタオンヌは吹き出した。

「ふふっ……♡でも、カロン様らしいです♡」

四人は笑いながら、山のようなナゲットへ手を伸ばした。



その頃。

レオン達は昔よく通ったような喫茶店へ入っていた。

木目調のテーブルとゆったり流れるジャズ

どこか懐かしい空気が漂っている


エマはメニューを眺めながら笑う

「ここ、落ち着くね」


レオンも頷いた

「なんかさ……喫茶店のピザとかカレーって、下手な専門店より美味いよな?」


「分かる」

エマは即答した


「昔さ、勉強するって言って来て…結局三時間くらい喋って帰ったよね」

レオンは苦笑する

「ノート開いて十分で雑談だったなテスト前なのに…」


リバティーナはそんな二人を見て、優しく微笑んだ。

「お洒落ですね……私の田舎には、こういう喫茶店ってあまり無かったので……懐かしいというより……」

店内を見回しながら、小さく笑う

「貴重、でしょうか♡」


レオンは運ばれてきた熱々のピザを一切れ持ち上げる。

「じゃあ、学生時代をやり直すつもりで楽しもう」


「はい♡」

三人は笑い合いながら、昔話に花を咲かせるのだった。



気が付けば、夕日が歓楽街を橙色に染め始めていた。

制服姿の四人は、笑いながら街を歩く。

リリーナが腕を伸ばした。

「そろそろ呑み行こう?」


カロンは少し考え

「うーん……」と首を傾げる。

そして笑った

「今日は酒は無しにしよう!せっかく制服着てるんだし最後まで学生気分で行こうぜ!」


沙耶が勢いよく頷く。

「賛成でござる!せっかく童心に還ったのでござる!」


スタオンヌも小さく微笑んだ。

「……ふふっ♡そうですね♡」

四人はしばらく歓楽街を歩き回り、どこへ入ろうか相談を続ける


高級料亭

洒落たレストラン

話題の洋食店

どれも魅力的だった

しかし最終的に足を止めたのは――


どこにでもありそうな、地元の学生達で賑わう定食屋だった


暖簾をくぐると、

「いらっしゃいませー!」

元気な声が飛ぶ。


制服姿の四人を見た店員が一瞬だけ目を丸くした

(あの制服……、狐鞠様のご友人……)

店員はすぐに笑顔へ戻る。

「本日は学割適用で!」 


「「「「やったーーー!!!」」」」


四人は思わずハイタッチした

「学生じゃないのに学割って最高!」

リリーナは値段なんて関係無しに大喜び


「狐鞠殿も太っ腹でござる!」

沙耶もテンションが上がる


スタオンヌは少し照れながら笑った。

「なんだか、本当に学生になった気分ですね♡」


しばらくして

湯気を立てる定食が次々と運ばれてくる


山盛りの唐揚げ定食

ニンニクの香りが食欲を誘うスタミナ定食

鉄板でジュウジュウと音を立てる焼肉定食

そして、新鮮な刺身定食


「いただきます!」

一斉に箸が動く。

「うっま!!」

カロンが思わず声を上げた


「唐揚げがサックサクでござる!」

沙耶は幸せそうに頬張る


リリーナも焼肉を口いっぱいに頬張り、

「これよこれ!高級料理もいいけど、こういう定食って最高!」


スタオンヌは優しく笑った。

「……美味しいですね♡」


豪華な晩餐とは違う意味での贅沢、

けれど、学校帰りに友達と寄り道をして、他愛もない話をしながら食べるような

そんな、どこか懐かしく温かな味だった


カロンは味噌汁を一口飲みながら、ぽつりと呟く。

「こういう飯が、一番青春っぽいよな」


三人は静かに頷いた。

「はい♡」

今日だけは

旅人でも、王族でも、剣士でも、社長でもない。

ただの学生として過ごしたかけがえのない一日だった。



その頃。

レオン達三人も、夕飯時を迎えていた。

「結局ここか」

レオンが苦笑する


目の前にあるのは、大陸中どこにでもある大手ファミリーレストラン

制服姿の学生から家族連れまで、様々な客で賑わっている


エマはメニューを広げながら笑った。

「やっぱり安心しますねぇ、こういう店」

席は広く

ドリンクバーもある

何時間居座ろうが店員は急かさない

料理を追加注文しても

勉強道具を広げても

雑談に花を咲かせても

少しくらい子供じみた事をしても、誰も気にしない

学生時代には当たり前だった


けれど、大人になると少しだけ遠ざかってしまう場所

料理が運ばれてくる。

ハンバーグ

オムライス

ドリア

そして食後のパフェ


エマはストローをくわえながら笑った。

「昔はドリンクバーだけで二時間くらい粘ってましたよね」


レオンも思わず吹き出す。

「ああ…『もう一杯だけ』とか言いながら結局閉店近くまでいたな」


「勉強なんて最初だけでしたしね」

三人は顔を見合わせ、自然と笑い合った。

レオンは椅子に深く腰掛け、店内をゆっくり見渡す


学生達の笑い声

注文を運ぶ店員

聞き慣れた食器の音

どれもが、どこか懐かしい

「なんか……」

ぽつりと呟く

「本当に懐かしい感じがした一日だったな……」


エマも静かに頷いた

「ロンくんの思惑通りでしたね」

「制服を着るだけで、こんなに昔へ戻った気分になるなんて」


二人の言葉を聞いていたリバティーナは、フォークをそっと置く。

少し照れくさそうに俯き。

小さく息をついた。

「正直ですが……」

一拍置いて、二人を見て、柔らかく微笑む

「……楽しかったです」


その笑顔は、飾らない本心だった。

レオンも優しく笑い返す。

「それなら良かった」


エマは嬉しそうに頷く

「またみんなで来ましょう」


制服は今日限り、けれどこの日の思い出だけは、大人になっても色褪せることはないだろう。


三人は食後のドリンクを片手に、閉店時間まで他愛もない話を続けるのだった。



すっかり日も傾き、歓楽街は再び夜の灯りを纏い始めていた


制服姿の三人は、笑いながら宿への道を歩いている。

レオンは空を見上げ、小さく息をついた。

「楽しかったな……」


リバティーナも微笑む。

「ええ、本当に……」


制服を着て

寄り道をして

他愛もない話をしながら歩く


叶うはずのなかった学生時代を、ほんの一日だけ過ごせた気がした


エマは二人を見ながら満足そうに笑う。

「ロンくん、大正解でしたね、こんな一日になるなんて思いませんでした」


その時、レオンがふと足を止める

「……エマ」


「ん?」


「ブレザーどうした?」


エマは一瞬だけ自分の制服を見下ろき、わざとらしく目を丸くした

「あっ、店に忘れて来たかも!」

慌てたように振り返る。

「レオくん! リバティーナさん!先行ってて下さい!すぐ取って追い付きますから!」


言うが早いか、エマは来た道を駆け出した。

「お、おい!」

レオンが呼び止める間もなく、その姿は人混みへ消えていく


静かになった帰り道。

残されたのはレオンとリバティーナ二人だけ

「…………」

少しだけ気まずい沈黙


しかしリバティーナは歩みを止める。

制服の裾をそっと握り締めながら、小さく顔を上げた。

「レオンさん……」


「ん?」


レオンが優しく振り向く。

「どうした、リバティー?」

リバティーナは少しだけ俯き、勇気を振り絞るように呟いた


「まだ……帰りたくないです」


「…………」

その一言にレオンの足も止まる

夕焼けから夜へ変わる空


街の灯りが二人を柔らかく照らしていた

少し離れた路地裏

物陰からそっと様子を覗く少女が一人。

エマは二人の姿を見つめながら、口元を緩める。

「……ふふっ…頑張ってね、二人とも」

ブレザーはもちろん、ちゃんと肩に掛けて持っていた。


そして自然に歩く向きを変えた


二人は互いの想いを確かめ合い、誰にも邪魔されることなく、恋人として新たな一歩を踏み出した。

そしてその思い出は、制服姿で過ごした特別な一日とともに、二人の心に深く刻まれるのだった。


レオンは自分に言い聞かせる

(軽く考えちゃダメだ……!!………でも…付き合って何週間は経ったよな…正直しても良いと思うんだよ…)


リバティーナも思う事は一緒だった

(初めては痛いらしいですけど…レオンさんになら…)




翌朝、空が白み始める頃

レオンとリバティーナは、本来泊まる予定だった宿へ静かに戻って来た


二人とも少し寝不足気味

制服のワイシャツには僅かな皺が残り、どこか照れくさそうな空気が漂っている。


レオンは必死に顔を作った、リバティーに笑われないように……しかし内心は…

(き…気持ちよかった……これが…)


リバティーも顔を隠した…しかしどこから見ても

真っ赤なのがバレバレだった

(しちゃった…レオンさんと…初めての……)


そして雰囲気を誤魔化すように、

レオンは小さく欠伸をしながら苦笑した。

「どうせ……カロン達もまだ帰ってないだろ……」


リバティーナも照れ笑いを浮かべる

「そうですよね……きっと、いつもの感じで……♡」

二人は部屋の扉を開けた


ガチャ。

「あ♡」

真っ先に振り向いたのはスタオンヌだった。

「レオンさん、リバティー、おかえりなさい♡」


沙耶も湯呑みを片手に振り向く。

「遅かったでござるな」


リリーナはソファでくつろぎながらニヤリと笑う。

「あ〜♡キスマーク着いてる♡」


「!!!?」

レオンとリバティーナは反射的に首元を押さえた。

さらに


部屋の奥で朝食を食べていた幼馴染二人が、同時に顔を上げる

カロンとエマ、二人は目を合わせ…

にやり、と笑った

「「おめでとう」」

「!!!!!!」

今までで一番。

レオンとリバティーナの顔が真っ赤になった。

「ち、違っ……!違いませんけど違います!!」


「どっちなんだよ」

カロンが吹き出す。

エマは腹を抱えて笑った

「ふふっ!二人とも分かりやすすぎですよ!」


スタオンヌも口元を押さえながら微笑む。

「良かったですね……♡」


沙耶は満面の笑みで頷く。

「めでたいでござる!」 


リリーナはニヤニヤしながら腕を組む。

「青春ねぇ〜♡」


レオンは頭を抱えた。

「……最悪だ…絶対バレないと思ったのに……」

その肩を、カロンがぽんと叩く。

「安心しろ!俺達は昔からお前のそういう顔見てきたからな」


エマも笑顔で頷く。

「幼馴染には隠し事出来ないよ、レオくん♪」

部屋には朝から大きな笑い声が響いた


こうして制服姿で過ごした、少し遅い青春の一日は幕を閉じる

けれどこの日得た思い出は、それぞれの胸の中で、学生時代には叶わなかった「もう一つの青春」として、いつまでも色褪せることはなかった。


リバティー→健全担当、エマ→サイコパス担当、

それ以外→カロンの女

因みに現在のpixivのブックマーク数ランキングだと

3位テラ 2位スタオンヌ 1位リバティーナです

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