●第6章:晩年(1700-1713 / 1735-1750)
【バッハの視点】
1735年、私は50歳を迎えていた。視力の衰えを感じ始めながらも、創作への情熱は衰えることを知らなかった。
「カノンの技法」「音楽の捧げもの」「フーガの技法」。これらの作品には、私の音楽的探求の集大成が込められている。
1747年、フリードリヒ大王の宮廷を訪れた時のこと。王から与えられた主題に基づく即興演奏を行った。その場での演奏から生まれたのが「音楽の捧げもの」である。
「バッハ殿、あなたの音楽は時代を超えています」
王の言葉は、私の心を深く打った。しかし、その時すでに私の視力は著しく衰えていた。
【コレッリの視点】
1713年1月、私の生涯も終わりに近づいていた。オットボーニ邸の一室で、愛用のヴァイオリンを手に取りながら、最後の日々を過ごしていた。
「音楽とは何だったのだろう」
人生の最後の問いに、答えを見出すことはできただろうか。
「それは魂の声。神と人をつなぐ架け橋」
最後まで、その確信は揺らがなかった。
【バッハの視点】
1750年7月28日。私の視力はほとんど失われ、最後の作品「フーガの技法」も未完のまま残すことになった。しかし、不思議と心は穏やかだった。
「音楽は永遠に続く」
それは、私の最後の確信となった。




