第4回 「BC部の仕事ってどう回ってるの?」
ひなの「なぜなにひなのん、第4回! 今回はBC部について聞いていきます!」
伊織「よろしくお願いします」
ひ「前回はMC部について聞きましたけど、今度は一緒に仕事をすることも多いBC部です。望月さん、ざっくり言えば“作る側”で合ってますよね?」
伊「ざっくり言えば、ですね」
ひ「その“ざっくり”の中身を今日は聞いていこうと思います」
伊「そうしてください」
ひ「まず、BC部には制作管理Gと制作Gがありますよね。望月さんは制作G」
伊「はい」
ひ「名前だけ聞くと、制作管理Gが制作Gを管理してるようにも聞こえますけど、実際は違うんですよね?」
伊「違います。そこは制作管理Gの人に聞いた方が分かりやすいですね」
ひ「では専門家にお願いします。塩見さん!」
塩見「はいはい」
ひ「BC部制作管理Gの塩見理沙さんです!」
塩「よろしく」
ひ「さっそくですけど、制作管理Gって何を管理してるんですか?」
塩「人というより、制作案件ね」
ひ「案件」
塩「社内から制作の相談が来たら、まず内容を整理する。何を作るのか、いつまでに必要なのか、必要な素材はいつ揃うのか。あとは工数とか費用とか」
伊「それを整理したうえで、制作Gにこの条件で対応できるか確認してもらいます」
ひ「つまり、依頼をそのまま制作Gに渡すわけじゃない」
塩「それなら、間に制作管理Gがいる意味がないからね」
ひ「確かに」
塩「制作が始まった後も、素材が遅れたり、途中で仕様が変わったり、追加作業が出たりしたら調整に入る」
ひ「じゃあ制作管理Gが制作Gに指示する、というより」
伊「役割が違うんです。制作方法とか品質とか、実際にどう作るかは制作G側で判断します」
塩「制作管理Gは、その仕事が成立する条件を整える側ね」
ひ「なるほど。じゃあ今度は実際に作る方を聞きます。制作Gには何があるんでしたっけ?」
伊「DTP、校正、翻訳、イラストの四つです」
ひ「まずDTP」
伊「原稿や写真、図なんかを、カタログやパンフレットみたいな実際の誌面に組んでいく仕事ですね」
ひ「私たちが普段見る完成形に近づけるところ」
伊「そうですね」
ひ「校正は?」
伊「誤字脱字だけじゃなくて、表記や数字、原稿からちゃんと反映されているかとか。制作物に問題がないか確認します」
ひ「翻訳は多言語版」
伊「はい」
ひ「イラストは説明用の図やイラストを作る」
伊「そんな感じです」
ひ「じゃあ、その四つを望月さんがまとめて――」
伊「違います」
塩「違うわね」
ひ「そこは二人とも早いですね」
伊「俺がTLをやってるのはDTPと校正です。翻訳とイラストには、それぞれ別のTLがいます」
ひ「BC部全部の若きリーダー、ではないと」
伊「誰がそんな話にしたんですか」
ひ「では、ここまでを実際の流れで確認してみましょう」
塩「確認?」
ひ「はい。たとえば私が、イベント用の案内パンフレットを作りたいとします」
塩「うん」
ひ「かなり大ざっぱな相談から始めてもいいですか?」
塩「いいけど、大ざっぱならその分質問は多くなるわよ」
ひ「では……イベント用のパンフレットを作りたいです!」
塩「誰向け?」
ひ「家族連れです」
塩「何を伝えたい?」
ひ「イベントの内容と、当日の会場案内ですね」
塩「サイズとページ数は?」
ひ「えーっと、A4で八ページくらい」
塩「いつ必要?」
ひ「イベントの二週間前」
塩「原稿と画像はいつ揃う?」
ひ「その一週間前には……」
塩「そこはもう少し余裕が欲しいかな」
ひ「おお。もう調整が入った」
塩「今は簡単な例だけど、こうやって“作りたい”を実際に制作できる条件にしていくの」
ひ「ここで制作管理Gの仕事が見えてきますね」
塩「条件が整理できたら、次は制作Gに相談する」
ひ「望月さん、出番です」
伊「はい」
塩「こういう条件で八ページのパンフレット。どう?」
伊「まず、その原稿と素材が本当にその日までに揃うかですね。あと、新しくイラストを作る必要があるのか、校正をどこまで入れるのか。その時期のほかの案件も見ます」
ひ「制作管理Gが“この条件ならいけそう”と整理して、制作Gが“実際に作れるか”を見る」
伊「そうですね」
塩「こっちだけで勝手に『できます』とは決めないし」
伊「制作Gだけで納期や依頼内容を変えることもできません」
ひ「なるほど。じゃあ制作が始まった後に――」
伊「嫌な予感がしますね」
ひ「三ページ追加になりました」
伊「……はい」
ひ「しかも納期は動かせません」
伊「それは嫌な予感で合ってました」
ひ「こういう場合は?」
伊「まず、三ページ増えた分の作業は確実に増えます」
塩「だから、そのまま『分かりました』とはならない。人を追加できるのか、ほかの作業を減らせるのか、本当に納期を動かせないのか。条件を整理し直す」
ひ「制作管理Gから望月さんに『頑張って』ではなく?」
塩「それで解決するなら楽なんだけどね」
伊「頑張る前提で仕事を組まれても困ります」
ひ「ごもっともです」
塩「依頼する側には希望があるし、制作する側には現実的な工数がある。その両方を見て、どこなら成立するか探すの」
ひ「そうなると塩見さんって、依頼する側と制作する側、どっちの味方なんですか?」
塩「どっちかの言い分を通す仕事じゃないかな。案件をちゃんと終わらせるのが一番」
伊「無理な条件をそのまま持ってこないので、制作側としては助かってます」
塩「その代わり、制作側にも『本当にできないの?』とは確認するけどね」
伊「もちろんです」
ひ「片方を守るというより、両方に現実を見てもらう人なんですね」
塩「言い方はちょっと厳しいけど、まあ近いかな」
ひ「ちなみに塩見さん自身は、制作はしないんですか?」
塩「普段は制作管理。でも制作経験者は多いから、繁忙期に簡単なDTP修正や校正、データチェックを手伝うことはあるよ」
ひ「完全に分かれてるわけじゃないんですね」
伊「ただ、それが本業になったら制作管理の仕事が止まるので、あくまで応援ですけど」
塩「できれば応援が必要になる前に調整したいところね」
ひ「では、最後に一つ。BC部って、MC部から来る仕事が多い印象がありますけど、もちろんMC専属ではないですよね?」
伊「はい。マニュアル系の部署とか、ほかの部署からも制作依頼は来ます」
塩「社内で何か制作物が必要になったときに、相談先の一つになると思ってもらえばいいかな」
ひ「分かりました」
伊「お、早いですね」
ひ「最初は“BC部=作る部署”っていうイメージでしたけど、それだけじゃないんですね」
塩「作り始める前にも仕事があるからね」
伊「作ってる途中にもありますし」
ひ「“作りたい”を“ちゃんと作れる”にするところから始まって、そこから専門の人たちが実際に形にしていく」
塩「うん」
伊「それなら分かりやすいと思います」
ひ「ということで、BC部は“作る人たち”だけでは説明しきれない部署でした!」
伊「今回はちゃんとまとまりましたね」
ひ「今回は?」
伊「いえ、なんでもないです」
ひ「では、第4回『BC部の仕事ってどう回ってるの?』でした!」




