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第198話 三種の神器とルーキウス建国秘話

 「クレメンスさん、昨日言ってた三種の神器の話なんだけど…」

 「はい?」

 「厄災が起こるから、それをどうにかするために勇者が現れ、勇者が現れるから三種の神器が現れるの?」

 「はい、そう聞いています。そして、勇者の死と共に行方が判らなくなるとか…」

 「これまでにもそういう事があったって事?」

 「正教会にある覚書には、3度あったと記載がありました。その内の1回が、初代ルーキウス国王様ですよ」


 クレメンスの話によると、千年前、人族によるエルフ狩りが発端となり、魔族と人族の関係が悪化し一触即発の状態が続いていたある日、とある農夫が耕していた畑の土の中から大きな宝箱を見つけた。

 鍵は掛かっておらず、蓋をあけると中には柔らかい光に包まれた剣と盾とローブが入っていた。

 あまりの美しさに手を伸ばして掴もうとするが、見えない何かに遮られ触れる事すら出来なかった。しかも、火花が散り手を火傷する始末。

 触れはしないが、売れば何某かの足しになるだろうと自宅に持ち帰ると、その夜に奇妙な夢を見た。

 これまでに見たこともない、豊かな金色の髪に海のような青緑色の瞳を持つ美しい女性が夢に現れ、男にこう告げた。

 

 「近い将来、貴方の前世での縁者が貴方の前に現れる。その者に剣と盾とローブを渡しなさい。さすれば、世界に平穏が訪れるでしょう」


 男はその時に、自分の前世の記憶を思い出したのだと云う。自分の前世が、日本と言う国の政治家だった事。そして、家族に見守られながら天寿を全うした事。

 自分の前世の記憶を取り戻した男は、今この地に必要な物は何かを考えながら、やってくる縁者を待った。

 そして、一部で魔族と人族の衝突が勃発した頃、その男の前世での孫が友人である勇者と聖女を連れ現れた。


 「まだ若いお前が来たのか…」

 「すまん爺さん。俺は向こうで死んだみたいだ。でも、こっちでやれる事あるみたいだし、いっちょ暴れてやろうかと」


 剣聖が剣を取り、勇者が盾を持ち、聖女がローブを羽織り、戦った。魔族と人族の両方を救う為に。


 「両方?」

 「えぇ、両方です。なぜならば、剣聖が人族、勇者が獣人族、聖女がハイエルフだったからです」

 「要するに、3人の間には種族の違いなど関係なかったと…?」

 「おそらく…」


 戦いが終わり平穏が訪れる。魔族と人族の住み分けの為の国境線が引かれた。

 その線沿いの魔族側を夫婦となった勇者と聖女が治め、種族の違いや階級すらも関係無く誰もが等しく国民である「リベラ共和国」が出来た。


 「二度と衝突が起きぬよう、我らが盾となろう」 


 そして人族側に近い土地に、剣聖がルーキウス王国を建国した。


 「リベラとルーキウスで、2枚の盾ってことね?」

 「はい、そうです」

 「勇者が亡くなったのは?」

 「寿命です。その時に、三種の神器も光となって消えたそうです」

 「そりゃ、初代様も聖女様も驚いただろうな…」

 「えぇ、そう仰言ってました」

 「ん?クレメンスさん、まるで聞いてきたかの様に言うのね?」

 「あ〜その聖女様、まだ生きてますから」

 「は?」

 「ハイエルフですからね〜寿命1500年位あるそうですよ?」

 「齢千年ちょい?」

 「見た目若いですけどね、意地悪婆さんですよ。我々のパーティ名をむさ苦しい名前にしたのも、その方で…」

 「ぶはっ!会ってみたいな」

 「近々会えますよ。教皇様もディアナ様にお会いしたいと仰言ってましたから」

 「…教皇様?」

 「はい。元聖女の教皇様です」

 「あぁ、そう云うことかぁ〜」


 やっと腑に落ちた感のディアナを、クレメンスがにこやかな笑顔で見ていた。



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