第189話 称号の謎2
「『のみが扱える』って…」
「そう、その資格が無い物には触れる事も出来ない物よ。沙織とベアトリーチェはローブは触れる。私は剣と盾に触れる。ジン達は…」
「どれひとつとっても触れない…」
「そういう事。ね、称号も馬鹿に出来ないでしょ?」
ちなみに、『職業聖女』のマルティナにも試してもらった事があるが、『聖なるローブ』はマルティナの手を弾いている。
「ラルフさんが言うにはね、『こういうものが出て来たと云う事は、近々これを扱える者が現れると言う事だ。だから、その相手を見極めて仲間にしてから、手渡せ』と」
「勇者が現れる?」
「でも、厄災が起こる可能性もあるの…」
「そっか!厄災が起こるから、勇者が現れるのか!」
ドワーフと云う長命種で、鍛冶職人としても有名なラルフの言葉には、みんなを納得させられるだけのものがあった。
「そうだと思う。だから、何某かの事態に備える必要があると思案している所なんだ…」
「ディアナ…」
ベアトリーチェが心配そうにディアナを見つめた。
また、ディアナに頼り切りの戦いがあるのではないか?と思うと、気がかりだった。
確かに、現況ではディアナは最強の部類の剣士だろうと思う。だけど、心までは強くはない。傷つきもするし、泣きもする。イルマ家の事件後にはバーンアウトした感じもあった。
そんなディアナを支えられる様な誰かが必要だと、ベアトリーチェは思った。
そうなると、やはりディアナは国王の側妃となるべきなのだろうか?
ベアトリーチェには、ディアナの大親友は自分だと云う自惚がある。だが、それも国王とディアナの間にある信頼関係の前では、無意味に等しいと感じた事が度々あった。
(私では、お父様の代わりにはなれない)
ゲイル騎士団長事件の時に、諦めがついた。
(ならばせめて、何があってもディアナの味方でいよう)
ベアトリーチェは、そう心に決めた。
「剣聖、勇者、聖騎士、賢者…どんな人達なんだろう?」
「会ってみたいです」
「いい奴らだといいけどな」
ディアナは、ロイズ達を笑顔で見つめていた。
「沙織、手を出して」
「はい」
沙織が差し出した両手を握り、ディアナは複写スキルで自分のスキルや魔法を沙織にコピーした。
「え、何これ?あ、支援魔法が使える様になってる!毒・麻痺毒に媚薬耐性がスキルに!」
「私のステータスをコピーしたの。適性があるものしか複写出来ないけどね」
そして、ディアナは他のメンバー達にも次々とコピーしていった。
結果、トーマスにはインベントリと耐性、キースには炎と水と雷属性魔法、ジンには剣技と耐性と鑑定、ロイズには剣技と耐性が複写された。
「凄いスキルですね」
「わ〜い!お金貯めてマジックバッグを買おうと思ってたけど、インベントリ貰えた!」
「皆、頑張って熟練度を上げてね」
「了解!」
あとは、ゼノンにも何かコピー出来ればいいのだけど…とディアナは考えていた。
「随分、大盤振る舞いしたわね?」
「あぁ、うん。ゼノンを護ってもらわなきゃいけないからね。武器の類で、彼らにあげられるものあったっけ?」
「あ、ミスリルの剣+30を2本持ってますよ?」
「私は、魔力回復毎分10%の指輪かな?」
「放出出来る?」
「「勿論」」
二人共快く応じて、彼らにプレゼントした。




