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第一王女を探さないで〜隠された愛と男装王女の誓い〜  作者: 国士無双
第2章:王子様、ぼくを探さないで
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薔薇姫を迎えに行く〜吸血鬼王子の嫉妬〜 ※従魔チョコ視点

【※注意】今話は第3王子ダルテ様の従魔:チョコ視点です。

前回、サラちゃん(姫様)とニコくんが麻雀をしている時に、現実世界で何が起きていたのか、従魔と一緒にお楽しみくださいませ!

いつもブックマークや応援、本当にありがとうございます!

「ルルちゃん、強すぎねぇ?」

「あら、そうかしら? チョコくん」


 俺様は、従魔・ウサちゃんことルルちゃんの隣でゲーム画面を覗いていた。


 ゲーム世界にいる姫様が「麻雀の人数が一人足りない」と愚痴をこぼした直後、ルルちゃんが「任せて、サラちゃん! わたしが操作するわ!」と麻雀ゲームに参加した。


 この時の俺様は、ルルちゃんがルールを知らないと思って心配していたけれど、杞憂だった。


「ごめんね、サラちゃん。ロン!」

「ツモ! ニコくんがテンパイしてたのは分かっていたのよ」


 なんとルルちゃんがことごとくアガりまくっていた。


「容赦ねぇ〜!」

「そうねぇ、サラちゃんには申し訳ないわね。でも、サラちゃんは分かりやすすぎるのよ。テンパイすると、ウサ耳がピコピコ揺れているから」

「確かに……」


 姫様は素直な性格なのか、感情を隠すのが苦手で、顔だけでなく、ウサ耳でもリアクションを取っていた。

 

 それにしても、ゲームの世界にいるとはいえ、姫様の格好は男の俺様からすると、目のやり場に困るんだよなぁ……。


「姫様って、どうやって胸を隠してるんだ? かなりオッパイが大きい……っ!」


 しまった。心に秘めておくつもりが、声に出してしまった。


 案の定、ルルちゃんがギロっと俺様を睨みつけた。


「チョコくん! もしかして、貴方がサラちゃんにあんな格好を? あの子は嫁入り前のお嬢様なのよ!」

「ちげぇよ! あの衣装はニコが選んだんだと思うぜ」

「はぁ……。ニコくんったら、クールに見えて、おませさんなところがあるのよねぇ……」

「あっはっは! それは否定できねぇ!」


 ルルちゃんは面白いことを言う。

 しかも、麻雀も強すぎるし……。


(ん? ちょっと待てよ。そもそもさ、なんでルルちゃんが麻雀を知ってるんだ?)


「俺様も聞きたい! どうしてルルちゃんは麻雀のルールを知ってるんだ? 王族の遊戯だろ?」

「王族といえば、サラちゃんのお友達にアダムくんという第10王子の男の子がいるわ。彼が打っているのを、サラちゃんと一緒に見ていたからよ」


 俺様の質問に対しても、ルルちゃんは動揺せずにゲーム画面を見つめたまま、理由を丁寧に答えてくれた。


 ルルちゃんは姫様のことを心から慕っているし、姫様もルルちゃんのことを大切にしている。

 

「俺様も、ルルちゃんみたいな幸せな従魔生活を送りてぇ……」

「そうね。わたし、幸せよ。でも、今はちょっと心配なの。なぜなら、サラちゃんが熟考しているから」


 小さくて白いモフモフの手で、ルルちゃんが画面を指差す。


 そこに映っていたのは、牌を手に持って、ウサ耳を交互に揺らしながら、一生懸命考え込んでいる姫様だった。

 目を大きくして、ニコの様子を窺っている。


 一方のニコは姫様を観察するだけでなく、助言までして、余裕綽々としていた。


 無垢な姫様は「リーチ!」とすぐに打ってしまい、ニヤニヤしたニコからロンを喰らってしまった。


 結果として、ニコが一位で、ルルちゃんが二位。姫様は最下位だった。


「はぁ……楽しかったわ。この後、二人が元の世界に戻れたらいいのだけれど……上手くいかないわね……」


 ルルちゃんは二位なのに、浮かない顔をしていた。


「ルルちゃん、どうしたんだよ?」

「ニコくんは……戻りたくないみたいね……。大変、サラちゃんが困ってる……」


 画面越しに、姫様とニコがお互いの顔を見つめ合っていた。

 だが、二人の表情は真逆だった。

 

 姫様はキョトンとした顔で、眉毛とウサ耳が下がっていて、心配そうにしている。

 一方で、ニコは姫様と二人きりでいられる世界が、楽しくてたまらない様子だ。


(そうだよなぁ。俺様やご主人様の相手をしなくて済むのだから……)


 ニコの気持ちもよく分かる。


 だけど、ここから先は俺様でも読めなかった。


 あろうことか、ニコが姫様をベッドに押し倒した。


「おいオイおいオイおい! ニコの奴、なんて破廉恥なことを――!」

「キャ――! サラちゃんが食べられちゃうわ!」


 俺様たちはあたふたして、羽をパタパタさせることしかできないでいた。

 

 ルルちゃんにいたっては、画面を見続けるのが怖いのか、両目をギュッと瞑ってしまった。


 それで正解だ。


『あぁっ……!』


 姫様の悲鳴がゲーム画面越しに響く。

 

 助けてあげたくても、姫様はニコに囚われて逃げられない。

 

 ニコが、絶対に離そうとしないから。

 

「ニコ……もしかして……」


 ゲーム世界に行く直前、ニコが言ってたセリフを思い出す。


「好きな子と映画を観に行く」って。


 ニコが言っていた「好きな子」は、姫様のことだったんだ。

 

 その上、ご主人様が血眼になって追い求めている姫様でもある。


(まさか兄弟で、二人とも同じ姫様を想っていたとはなぁ……)


 頭が痛くなりそうだと思ったタイミングで、突如、俺様の足元に紅色の魔法陣が浮かび上がる。


「ッ――!?」

「チョコくん、捕まって――!」


 ルルちゃんが助けに手を伸ばしてくれたけど、無念。

 俺様はゲーム機もろとも、強制的な移動魔法によって、ある場所へ転送されてしまった。


「ったた……」

「無事か?」

「えっ?!」


 間違いない。

 この声はご主人様だ。


 珍しい。最初の言葉が、俺様の身を案じる発言だなんて。


 驚いて振り向くと、なぜか右手に鮮やかな黄色の果物を握ったご主人様の姿が。


「レモンッ?!」

「あぁ。レンゲ様の論文内容を参考に、検証用として用意してみた。それより、チョコ。さっきから魔力が乱れているな、何かあったんだろう?」


 そう言って、ご主人様がゲーム画面に視線を移した。

 その鋭い朱い瞳に映し出されたのは、バニーガール姿の姫様が、狼男のニコに強くハグされているシーン。


「ギャァアアア!」


 俺様は素っ頓狂な声を上げてしまった。


 ご主人様が青筋を立てた右手で、持っていたレモンを思いっきり握り潰したからだ。

 

 その勢いで、果汁が俺様の体にピチャッと派手に飛び散った。


「チョコ、どういうことだ」


 ヤバイ!

 比べ物にならないくらい、ご主人様がキレているッ!


 だけど、なんて言い返せばいいのかわからない。


「ふーん。大きな瞳に、陶器のように白い肌。レンゲ様にそっくりだな……薔薇姫は天使族のお嬢さんだったのか」


 ギクッ!


 俺様は姫様に「正体については内緒にする!」と約束を交わしたんだ。

 

 だからこそ、俺様は一言も喋らなかった。


 なのに、聡明すぎるご主人様には全て筒抜けだった。

 

「ニコが俺の薔薇姫に手を出すとはな……」


(おっ、()()薔薇姫……?!)


 どうやら、俺様だけでなく、ご主人様も余裕がないらしい。

 

 俺様が思うに、ご主人様は嫉妬でメラメラ燃えている。


「ご主人様……?」


 恐る恐る声をかけると、ご主人様は画面を睨み据えたまま、指示を出した。

 

「チョコ、今すぐ俺をそのゲーム世界へ送ってくれ。俺が薔薇姫を迎えに行く」

ご主人様ことダルテ様も参戦!


サラちゃんは無事に元の世界へ戻ることができるのか?


次回もお楽しみにᕱ⑅ᕱ♡

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― 新着の感想 ―
 サラちゃん、大ピンチ!  チョコちゃんの動揺もピークのまま、ダンテ君がゲーム機の中に参戦!?  修羅場を迎える次話が楽しみです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
今回はチョコくん視点で、前回の裏側が見られて楽しかったです。 ルルちゃんが麻雀に強すぎて、サラちゃんのウサ耳の動きまで読んでいるところに笑いました。サラちゃんは一生懸命なのに、感情が全部耳に出てしま…
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