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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
それぞれの日常
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男勇者の戦い

Side:男勇者

「どいつもこいつもっ!私を馬鹿にしやがって、馬鹿にしやがってーっ!」

くっ、流石に4メートルの土人形は受け止められない…

「大層な口利いてた割には逃げるばかりかっ?情けないなっ!」

くっそ、ゴーレム任せで自分じゃなにもしてないくせに…

「そちらの棒使いはさっき『我が民が~』とか言ってましたね。もしかして姫様でしたか?ユビキタスの双璧の片割れがこの程度とは、騎士の力量も大した事なさそうですなぁ。いや、事実逗留してた騎士達の弱い事弱い事。あの程度で国を守る者だ等と…」

「黙れ」

フレイヤさん、キレたかな?

「ふふっ、図星を突かれて黙っていられなくなりましたか?お優しい…」

「黙れ。その耳は飾りか?お前にはその良く回る舌だけあれば充分だろう?」

「何ですって?」

「お前に人の言葉を聞く必要は無いだろう?自分の理想だけを見て、誰とも意見を交わさないお前には」

「聞き捨てなりませんねえ」

食い付いた。

「図星を突かれて黙っていられなくなったか?」

「くぅっ、この様な屈辱は、始めてです…」

「屈辱、屈辱ねぇ。それはコッチの台詞なんだよ。お前如きに私の守るべき民がたったの1人でも傷つけられたのが、耐え難い程に屈辱だ…」

メイドさんに続いてフレイヤさんもか…正直俺も普段から頑張ってる騎士の人達の悪口には耐えられない…

「だから…メイドさん、勇人、我慢しなくて良いよ」

「徹底的に殺って宜しいのですか?」

「ああ、村に被害を出さなければ何をしても良い」

「了解」

「畏まりました」

「さっきから何訳の分かんないこと言っているんですかっ!」

コイツまだ分からないのか?

「今、貴様らの相手は私でしょうがっ!その私を無視するなっ!」

「そうですね。ではそろそろ始めましょう」

「ああ、そうだよ!さっさと私のゴーレムによる公開劇を始めようっ!」

「ええ、ゴーレムを含めた…貴方の公開処刑を始めましょう」


「この国に、ユビキタスに手を出した事を地獄の釜で後悔なさい」

そう言ってメイドさんはゴーレムに正面から突っ込んで行った。

…いやいやいや、返り討ちにあったらどうすんだよっ!?

「勇人、正面はメイドさんに任せて私達は側面だ」

「って、メイドさんはいいのかよっ?」

「問題無い。この程度の相手なら掠りもしないよ」

そう言われてメイドさんを見てみたら…

「遅いです、遅すぎます、この程度ですか?」

正面からゴーレムを圧倒していた。

拳や蹴りは完璧に避けて、足踏みによる振動はステップで何事も無いように体勢を維持している。何も攻撃出来ないんじゃないかと思っていたら、手がブレた瞬間ゴーレムの体に深くてデカい刃物傷が出来ている…何だアレ?ただゴーレムは土を吸収して傷治してるから決定打が打ち込めないでいる。

「負けてらんねえよなっ!」

俺もジュワユーズで切り掛かったが、

カンッ

岩の塊みたいなゴーレムには意味が無い…

「はははははっ、何だい?まともに戦えるのは正面のメイドだけかい?」

フレイヤさんも同じ様な状態か…

流石に大きさが違い過ぎるのか?ゴーレムからしたら爪楊枝みたいなサイズだし、もっと大きくないとダメなのか?

「なら魔法はどうかな?光成す矛よ 邪を滅せ ホーリーランス」

フレイヤさんの魔法で上空から無数の光の槍がゴーレムに降り注いだ。致命傷とまではいかなくてもダメージを与えている…そうか、剣が効かないなら違う攻撃をすれば良いんだ!

「いくぜっ、ジュワユーズッ!」

剣に魔力を注ぎ込む。

ジュワユーズの能力は刻まれたルーン、『悪しき者には煉獄を 正しき者には楽園を 汝が想いを此処に示せ』だった。このルーンは使用者の魔力とイメージにより剣の形を変えるとゆうモノだった。

俺は魔法は上手く使えない。スゴイ量の魔力が有るのに、得意なはずの光魔法すら電球1つ分の光を出すのが精一杯。だから魔法は使わない。使えない。だけどジュワユーズに魔法は関係無い!

「ん?なっ、何だっ、それはっ!?」

ゴーレム使いが慌てている。無理もない。俺の手には3メートルもの巨大な剣が握られている。

これが俺の選んだ攻撃。武器が小さくて攻撃が効かないなら、武器を大きくすればいい!

幸い魔力で体を強化する事は出来るからこのサイズの剣でも使えなくはない。流石にそんなに速くは振れないけど相手は動きの遅いゴーレム。当てるだけなら簡単だ。

「行くぜーっ!」

全力で切り掛かる!

「くっ、来るな――っ!」

ゴーレム使いの叫びを聞きながら、俺の手にはゴーレムを叩き斬った、確かな手応えがあった…


Side:姫巫女

……勇人は馬鹿だね。

まさか剣を大きくしてくるとは思わなかった。精々剣を鋭くするとかハンマーみたいな形にしてくると思ってたから呆けてしまったよ。

しかもメイドさんの驚愕の表情が見れた。初めて見る程の珍しさだ。

さて、

「勇人、村に戻って村人にゴーレム倒したって教えてあげてきてくれないかい」

戦ってる間に村から随分引き離せた。流石にホーリーランスも勇人の大剣も村が近くに有ったんじゃ使えない。ホーリーランスは全弾命中する訳じゃないし、勇人の大剣は風圧で周りの地形がちょっと変わってる。村で使おうもんなら私達の方がよっぽど危険だ。

「おう。ゴーレム使いは任せた」

そう言ってジュワユーズを元のサイズに戻して鞘に収め村に走っていった。本当に単純な奴だね。

「さて、メイドさん。コイツの罪状は?」

勇人の一撃で完全に戦意を失って抜け殻になってるゴーレム使いを指す。

「はい。村の器物破損、民への暴力行為、誘拐未遂、殺人未遂、傷害、脅迫、魔法の倫理外使用、その他、に成ります」

その他は騎士への傷害等だろうが、それは騎士の実力不足も含まれるからそれほど重要じゃない。だが読み上げられた罪状はもはや魔法を使う者として許されるものではない。特に『魔法の倫理外使用』、これは場合によっては殺人以上の罰が下る。

「普通の身分不詳犯罪者は首都に連行され、そこで裁判により罰を下される。しかし、貴様は違う。私達には罪状が明確ならばその場で刑を執行する事が許されている。そして、貴様の罪状は死刑に値する」

「っ!くっ、来るな、来るなーっ!」

「もう遅い。貴様はやり過ぎた。私の民に、私の愛すべき者達に、その薄汚い手を向けた事、地獄の釜で後悔しろ」

グチュッ…

「お疲れさまでした」

「ああ。代えの服は有るかい?返り血がどうも、ね」

「此方に。死体は私の方で処理しておきます」

「ああ、ありがとう。さっさと終わらせて勇人の所に行こう」

「はい。ふふっ、また娘達を乙女に変えているのでしょうね♪」

「違いない♪」

速く戻って、からかってやるとしよう……


姫巫女とメイドさんの裏事情でした

次回はまた男A、その後誰か、とゆう順番に成ります


今更ですけど誰の話が一番好きなのか

気が向いたら感想とかで教えてください

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