第一章 人物・神機・用語紹介
第一章 人物・神機・用語紹介
※第一章のエピローグまでの内容を含みます。
■人物紹介
【九條藍子】
東雲神社の九條家に生まれた十六歳の少女。
怪異に追われて四季狐大社へ逃げ込んだことをきっかけに、青龍の力を宿す神機《徒桜》を起動させる。
困っている人を放っておけず、無理をしてでも助けようとするところがある。玄斎のもとで術や薙刀を学びながら、人に任せることや退くことにも向き合った。
霊力の属性は水。発する光は青色。
四月からは、京都の《八咫烏》で学ぶことを選んだ。
【柚白琥珀】
藍子の幼馴染。九條家から分かれた巫女の家系に生まれ、両親が旅に出ている間は藍子の家で暮らしている。
口数も表情の変化も少ないが、気になったことは率直に尋ねる。食べることが好きで、学園の案内でも食堂をしっかり確認していた。
稽古や現地での補助を通じて、霊力の扱いや記録の取り方を学ぶ。妖気の観測記録から、約二十四分の間隔にも気づいた。
霊力は白く光るが、属性はまだ確定していない。
自分の力について調べるため、藍子とともに京都へ渡った。
【屋島玄斎】
四季狐大社の神主。
金色の髪に丸い狸耳を持つ、小柄な少女の姿をしている。「わし」「お主」と話し、琥珀からは「玄爺」と呼ばれる。
《徒桜》と青龍のコアを管理し、藍子と琥珀へ術や戦いの基礎を教える。陰陽連盟とも連絡を取り、怪異への対処にあたっている。
二人の意思や力量を確かめながら役目を任せ、危険な時には撤収を命じる。料理もできる。
【九條葵】
藍子の母。東雲神社を守る九條家の当主。
家の役目を担っているが、藍子へ同じ道を強いるつもりはない。
出撃した娘の帰りを待ち、帰宅後には話を聞く。藍子と琥珀の京都への編入にも賛成し、準備を支えている。
【九條藤花】
藍子の姉。
京都の《八咫烏》で学び、生徒会長を務めている。霊力と術式の精度に優れ、冷静で責任感が強い。
玄斎が当初、《徒桜》の搭乗者候補として考えていた人物。
【藍子の兄】
藤花と同じく、京都の《八咫烏》へ通っている。
藍子は京都へ向かう前に兄姉へ連絡し、授業や実習について質問していた。
【伊達】
陰陽連盟の管轄支部長。
各現場の状況を受け、増援の手配や神機の派遣、撤収の判断を行う。
倉庫跡や旧取水施設では玄斎と協議し、《徒桜》への出撃要請を出した。
【原田】
陰陽連盟の術者小隊を率いる現場指揮役。
旧取水施設で怪異への対処と作業員の救助にあたり、救助班や神機の配置を調整した。
《徒桜》の到着後も、機体から見えない救助路の状況を藍子へ伝え、移動や交代を指示した。
【山南】
陰陽連盟の解析官。
怪異との遭遇記録や現場に残った痕跡を調べ、異常な妖気について玄斎へ報告した。
【三谷】
四季狐大社の奉術衆。
西の山側で消耗した術者たちを迎えるため、藍子と琥珀を連れて搬送支援へ向かった。
搬送の準備と結界の維持を行い、二人へ補助の仕方を教えた。
【《朧》の搭乗者たち】
陰陽連盟の神機を操る術者たち。
各地で怪異に対処し、地上の術者と連携して戦っている。
旧取水施設へ出撃した搭乗者は、《徒桜》と役目を分担し、藍子へ構え方や受け方を伝えながら救助を支えた。
【瀬川】
旧取水施設の作業員。
足を負傷し、駆動室に取り残されていたところを救助された。
事件後は自宅で療養している。作業員六人から届いた礼状は、藍子と琥珀のもとにも渡った。
■神機紹介
【神機】
搭乗者の霊力を用いて動く、人型の巨大な機体。
術者だけでは対処の難しい、妖殻化した怪異などとの戦闘に投入される。
操縦だけでなく、霊力の扱いや地上の術者との連携にも訓練が必要となる。
【《徒桜》】
四季狐大社が管理する、青龍のコアを宿した神機。
淡い青色の装甲と、狐を思わせる輪郭を持つ。背には五基の遠隔防御ユニットを備えている。
長く起動できる者が見つからなかったが、藍子の搭乗によって動き出した。戦闘では青い光の薙刀を用いる。
《朧》を上回る出力を持つ。藍子は実戦と稽古を通じて、その力の加減や、周囲を守りながら動く方法を学んでいる。
京都への編入後も、格納と整備は四季狐大社で行われる。
【《朧》】
陰陽連盟が各地へ配備している汎用神機。
任務に応じて武装を換え、第一章では長刀や霊装銃を用いた戦闘が描かれた。
搭乗者の霊力を増幅する《式核炉》を備える。
一定の霊力と適性を持つ者が、訓練を受けて扱う。
【式核炉】
《朧》に搭載されている、搭乗者の霊力を増幅して機体へ送り込む機関。
青龍のコアとは異なり、意思を持たない。
■組織・場所
【東雲神社・九條家】
藍子と母が暮らす神社。
九條家は古くから巫女や陰陽師を輩出しており、四季狐大社とも付き合いがある。
琥珀にとっても、幼い頃から馴染みのある場所。
【四季狐大社】
玄斎が神主を務める大社。
奉術衆が所属し、怪異の調査や対処を行っている。地下には《徒桜》の格納庫がある。
藍子と琥珀が放課後に通い、稽古や報告の整理などを行ってきた場所でもある。
【奉術衆】
四季狐大社に所属する術者たち。
怪異への対処、結界や神機陣の構築、観測、搬送などを担う。
【陰陽連盟】
怪異への対処を行う組織。
各地の支部や術者の部隊、神機を運用し、調査・討伐・救助・避難支援などにあたる。
怪異の存在が広く知られないよう、被害を野生動物による事故などとして扱うこともある。
【陰陽連盟附属術者養成学園《八咫烏》】
京都にある、術者を育てる学校。
術の基礎や、ほかの術者と組む実習などを学べる。
藍子と琥珀は四月から二年次へ編入する。
二人が暮らす寮の棟には、所属先との行き来に用いる人員用の転送室がある。
■術と怪異の用語
【霊力】
術や神機を扱うために用いる力。
強さだけでなく、流す量や保ち方、力を抜く加減も重要になる。
使いすぎれば身体へ負担がかかる。藍子と琥珀は、消耗を伝えて休むことも学んだ。
【属性】
霊力の性質。術や道具の扱いにおける得手不得手にも関わる。
藍子は水の属性を持つ。琥珀の白い光については、光属性と無属性のどちらなのか、まだ判別できていない。
【纏霊】
武器などの表面へ霊力をまとわせ、保つ技術。
藍子は薙刀を用いて、流しすぎず、弱めすぎずに扱う練習をしている。
【護符・術式杭】
術を働かせるために用いる道具。
結界の設置や補強、怪異の封印、神機陣の構築など、用途に応じて使われる。
【結界】
術によって範囲を区切り、怪異や妖気の侵入を防いだり、動きを抑えたりするもの。
維持には霊力や札が必要で、攻撃を受け続ければ破られることもある。
【怪異】
人の恐れや負の感情、土地に澱んだ妖気などから生まれる、人ならざる存在。
力や性質はさまざまで、術者が祓えるものもいれば、神機による対処が必要なものもいる。
【魑魅魍魎】
多くは知性に乏しく、人や町へ害を及ぼす怪異。
第一章では、従来の記録より多くの妖気を持つ個体や、複数の個体が集まる現象が確認された。
【付喪神】
古い器物などに宿る怪異。
第一章では、山中の古い刃物に由来すると考えられる個体へ、《朧》二機が対処した。
【妖気】
怪異の発生や活動に関わる力。
観測によって強まり方や流れを調べられるが、値が高いだけで原因や怪異の位置まで分かるわけではない。
【霊核】
怪異の力の源となる核。
妖殻に覆われた相手を討滅する際には、その奥にある霊核の破壊が重要となる。
【妖殻化】
怪異が霊核を守る膜や外殻を形成し、巨大化する変化。
通常の武器や並の術式では対処が難しくなるため、神機が必要となる。
【妖殻膜】
妖殻化の際、霊核を守るために最初に形成される硬い膜。
外殻が完成する前でも、この膜に守られた霊核を通常の武器や並の術式で破壊することは難しい。
【融合】
複数の怪異が集まり、一つの身体を形作る現象。
第一章では、融合後も複数の霊核が残っている例が確認された。
【コア】
強大な霊的存在の霊核が結晶化し、形を残したもの。
力だけでなく、元となった存在の意思も残る。
《徒桜》に納められている青龍のコアは、自ら力を貸す相手を選ぶ。
【四神】
青龍・朱雀・白虎・玄武の四柱。
四季狐大社では、その力を宿す神機を揃えるために調査を続けている。
【祓う・封印・討滅】
祓うことは、術で妖気を散らし、霊核も形を保てない状態にすること。
封印は、霊核を残したまま活動を止めること。
妖殻を破り、神機で霊核を壊す場合には、討滅と呼ぶことが多い。
■神機の招来と人員の転送
【母陣】
神機を送り出す拠点側の術式。
《徒桜》は四季狐大社、《朧》は陰陽連盟の支部などにある母陣を用いる。
【神機陣】
現地で神機を受け入れるための陣。
土地の確認や浄化、基材の設置、母陣との接続が必要となる。招来後は、帰還の経路としても用いられる。
【共同接続】
現地の神機陣で既存の接続を維持しながら、別の母陣からも神機を受け入れるための接続。
第一章では、陰陽連盟の《朧》の経路を維持したまま、四季狐大社から《徒桜》を招来するために用いられた。
【人員用の転送陣・通行札】
人が拠点間を行き来するための陣。
利用者や経路の登録、通行札の確認が必要で、使用する時間や条件も定められている。
藍子と琥珀は、この転送陣を使って四季狐大社から京都の寮へ向かった。
■調査が続いていること
【約二十四分の間隔】
妖気の観測記録を比べた琥珀が気づいた、妖気が強まるまでの時間の間隔。
毎回正確に二十四分ではなく、記録には幅がある。
ほかの地点との関係や、その原因については、第一章の終わりでも調査が続いている。




