大山崎山荘美術館に行ってきました。
最近、京都検定とか日本伝統工芸検定とか受けてみようかな~と思い始めた鷲生。
思い立ってテキスト買っただけで、それをパラパラみてるだけなんですが。
こうして眺めているだけでも、鷲生の知らないことはたくさんあるなあ…とため息が出ます。
鷲生は平安ファンタジー小説・中華ファンタジー小説を書きましたので(作品はコチラ→※1)、それらに関する項目はそれなりに調べて知っていますが、例えば日本の鎌倉時代とかになるともう色んなことが分からないのです(泣)
こういった社会科系の知識って、机に向かって勉強するんじゃなくて、史跡を巡るとか実物を見るほうがぐっと頭に入りやすいもの。
鷲生はミュージアムや史跡めぐりが好きですから、これから心がけて知らない時代や分野に関してもお出かけしようと思っているところです。
さて。
日本伝統工芸検定の最初の項目は陶磁器。
益子焼の項目に「大正時代に濱田庄司によって新風が吹き込まれた」との記述があります。
鷲生はこの濱田庄司さんがどんな方か分からない……(←陶磁器に詳しい方はドン引きされていらっしゃることでしょう……)。
ちょっと調べてみると民藝運動の主要メンバーだったとか。
民藝運動……これについても鷲生の頭にあるのは、「『柳宗なんとか』さんと、河井寛次郎さんの戦前からの運動で、民間での素朴な実用陶磁器を愛するムーブメントかなんかだよね……」くらいのうっすーい認識程度w
(河井寛次郎さんだけフルネームで知っているのは、京都市清水五条に「河井寛次郎記念館」というのがあって名前だけは知っているからです)。
「柳なんとか」さんは、確か「ヤナギソウエツ」じゃなかったっけ?と思ってこれで検索してもヒットせず。
結論から言うと柳宗悦さんのことです。
こうして鷲生が「うーん、民藝運動についても基礎的な知識を持ちたい」と考え始めたところで、京都と大阪の府境にある「大山崎山荘美術館」で、河井寛次郎と濱田庄司の展覧会があると知って、電車に乗ってお出かけしてきたのです。
ちなみに大山崎には、平安ファンタジー小説の舞台として登場したので川沿いを散策(というか探検というか)したことはあります(※2)。
この大山崎山荘、戦前の大実業家の山荘で、クラシカルなモダン建築です。三角屋根でハーフティンバーで、煙突もある。上高地の帝国ホテルみたいな感じですね。
建物目当てのためか女性訪問者が多いように見受けられました。
そんな素敵建物でしたが、その人の手から離れた後パッとせず、更地になってマンション計画が持ち上がったりしたところ、アサヒビールが企業メセナとして所有。
アサヒビールの創業者の山本為三郎の民藝コレクションが大山崎山荘美術館の所蔵となりました。
(山本為三郎は民藝運動に賛同し、大いにバックアップしたことでも知られています)。
鷲生は、『もっと知りたい 柳宗悦と民藝運動』(※3)という薄めの本を1冊読んで出かけました。
山本為三郎の名前も出てきますよ。
展示の第一章「民藝前夜」では、河井・濱田両氏の初期の作品、また影響を与えたイギリスのスリップウェアがありました。
うーーん。
民藝運動は「日用の美」を目指すものなので、何か特別に派手なところがあるわけではありません。
正直、そのへんの陶器市で売られていても、どれが美しくてどれが美しくないのか判断する自信は鷲生にはありません…。
ただ、やはり作家モノなので、決して悪いという印象は持たなかったですね、さすがに。
第二章「民藝誕生」では、民藝運動の作家が収集した、朝鮮半島や日本各地の焼き物の展示がありました。
京都から割と近い兵庫県丹波立杭焼、伝統工芸検定テキストにも出てくる大分県の恩田焼、秋田県・楢岡焼の小壺、鹿児島の龍門司・苗代川焼がありました(テキストでは薩摩焼として登場します)。
鷲生が印象に残ったのは、黒っぽい瓶の上の方が緑っぽいもの。
帰宅して調べたところ、龍門司焼の「黒釉青流し」じゃないかと思います(写真撮らせて欲しかった……)。
なんか、「南国っぽい」と思って、展示パネルの地図を確認したら鹿児島だったので「なるほど!」と納得したんですよね。
素敵だったので、これから陶器市とかあったら龍門司黒釉青流しの何かを探してみたいと思います。
第三章は本館から離れたところにあるので、そちらに移動する前に本館の建築をパンフレットで確認。
第二章の会場となった部屋(山本記念展示室でもある)には、古代中国の画像石をあしらった暖炉がありました。
西洋スタイルの暖炉の一部ですが、博物館でガラスケースに入って展示されているよりも、こうして実際に使われている姿の方が画像石本来の「用の美」を伝えているのかもしれません。
本館から第三章の会場までクラシカルなヨーロッパらしい格子窓の通路を経て、キューブ状のモダンな建築に入ります。安藤忠雄さん設計です。
中は山本為三郎の営んだ三国荘がテーマ。
先ほど鷲生には民藝作品の目利きは無理だと書きましたが、それでも「趣味の良い空間であった」ことはなんとなく分かります。
民藝運動家が見出した陶芸品を「本歌取り」して、濱田庄司や河井寛次郎が同じように製作した作品も、元ネタと並んで展示されていました。
この元ネタの方は、東京駒場にある日本民藝館の所蔵のようです。
(大阪にも大阪民芸館があるそうです。旧い字体の「民藝」ではないですが、柳宗悦とか関西でも活動していたので、関連する施設のようです。全国の工芸品もあるようなので今度行ってみたいと思います)。
第4章は本館の2階です。
再びモダン建築の中の階段を上がると、大きなオルゴールがありました。一日に何回か演奏してくれるようで、この日の曲目は「カルメン」から「闘牛士の歌」。
カフェもあり、テラスから山崎エリアが見渡せるとのこと(お高いのと、一人で入りづらかったので利用しませんでしたw)。
この山崎、ホラ、豊臣秀吉の山崎の合戦の舞台ですよ。周囲にもそれ関連の史跡の案内が多いです。
展示室には濱田庄司・河井寛次郎作品がズラリ。
小さな湯呑がたーくさん並んでいて、人気投票が行われていました。
前期の集計結果が張り出されていましたが、鷲生が「あ、これイイな」と思ったのも多数ランクインされていて嬉しかったですw
大山崎山荘美術館には、民藝運動の品だけでなく、アサヒビールの会社が所蔵しているモネなどの西洋絵画もあります。
今回はその中からモネ6点が展示されていました。
こちらの会場も安藤忠雄さん設計です。
(つまり、大山崎山荘美術館には、本館の他に安藤さん設計の新館2つがあることになります)。
いかにも安藤忠雄さんの作品らしい、コンクリート打ち放しの直線的な建築です。
中にあるモネ。
やはり素敵です(昨年2025年に鷲生は大枚はたいてフランス旅行に行ったんですよ。モネもたくさん見ましたよ~)。
モネは長生きしたので作品がたくさん残っていますし、晩年は目を悪くしたのもあって抽象画に近い絵も多かったりしますが、ここのモネの絵はどれも良かったと思いました。
民藝運動の作品も、このモネもここの所蔵品なので、またちょくちょく展示があると思います。
関西圏にお住まいの方、一度足を運ばれてみてはいかがでしょう?
また、今回の鷲生は京都の平安時代ばかりではなく、全国の焼き物についても触れましたが、皆様に馴染みのあるものもありましたでしょうか。
その土地でそれぞれのミュージアムもあるようですから、お近くの窯業ミュージアムに足を運んで見られると面白い発見があるかもしれませんよ。
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※ 1
錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術
https://ncode.syosetu.com/n5748hn/
後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符
https://kakuyomu.jp/works/16817330658675837815
※2
物語の舞台「山崎津」―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「一」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/users/washusatomi/news/16816927861724395475
※3 『もっと知りたい柳宗悦と民藝運動』2021 杉山享司監修 東京美術
https://www.tokyo-bijutsu.co.jp/np/isbn/9784808712204/
※4 アサヒグループ大山崎山荘美術館 所蔵品 モネ
https://www.asahigroup-oyamazaki.com/collection/monet/




