国宝「薬師寺吉祥天女像」をかぶりつきで!@奈良博「南都仏画展」
【以下の文章は、今週初めからちまちまと書き連ねていた文章です。
その中で発生した熊本地震で被災された方に心からお見舞い申し上げます。
私も神戸出身で、阪神淡路大震災の記憶は今も褪せません。
酷暑も重なりとてもしんどいと思いますが、どうか何とか踏ん張ってくださいますように……。これから身近で義援金の募金などもあるかと思いますので、信頼できるところに些少ながらお預けしようかと思っています。鷲生の実家もいくばくか義援金を頂戴しましたので……】
以下は今週初めに奈良博に行ったお話です。
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前回の記事でお話した通り、海の日を含む連休明けの火曜日の朝一で奈良博「南都仏画展」(※1)に行こうとして休館日だったわけですが(『連休の月曜祝日は開館して翌火曜が休館になるルール』を、酷暑でイカレた鷲生が忘れておりました……)。
日を改めて行ってきました。
良かったですよ~。
この「南都仏画展」(正式名称「「南都仏画―よみがえる奈良天平の美―」展)。
「ボストン美術館共同企画」と銘打たれています。
「美術展ナビ」様による紹介文は以下のとおり(※2)。
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ボストン美術館には、明治時代にアーネスト・フェノロサや岡倉天心らによって守り伝えられた、日本有数の仏教美術コレクションが所蔵されています。なかでも奈良ゆかりの仏画は、質・量ともに世界屈指を誇る素晴らしい内容です。その優品がまとまって日本で紹介される本展は、大変貴重な機会といえるでしょう。
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20年におよぶボストン美術館との企画、そしてその結果、優品が海を渡って里帰りします。
迎える日本側だって気合いの入ったラインナップですとも。
Xのこの展覧会の公式アカウントの紹介文(※3)はさらに煽ってますw
以下、Xのポストをコピペしましたが、多用されている絵文字も反映されてますでしょうかw テンション高めですねw(投稿しようとしたら、いくつかの顔文字はやはりダメでした……)。
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\✨空 前 絶 後 の豪華な展覧会✨/
#南都仏画展 は #なんと❗️#国宝 19件、重文69件、#ボストン美術館 の作品13件、計171件の至宝を擁する空前絶後の日本美術展なんです
東新館の第1章「#法隆寺 金堂壁画―日本仏画の黎明」~第4章「追憶の天平仏」では、#奈良 ~平安時代の仏画・絵巻の名品が並びます。
ともに奈良時代8世紀に描かれた薬師寺の #国宝「吉祥天像」(8/2まで展示)とボストン美術館「釈迦霊鷲山説法図(法華堂根本曼陀羅)」とが共存する、贅沢な空間は今だけ❗️
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前回、鷲生は東博の普賢菩薩像(国宝)を見たいと述べましたが、今回はまだ展示がありませんでした(8月18日からの後期展示です)。
しかし!
今回は国宝「薬師寺吉祥天女像」が見られました!
この「吉祥天女像」ってアレですよ。
天平美術の代表例として、日本史や美術の教科書に掲載されている、アレ。
唐風のふくよかな女性が左から右へ向かっている絵、装飾品や衣装がゴージャスなあの絵です。
鷲生が行ったのは開館直後だったせいか、人も数人くらいしかいなくて、独り占めというわけにはいかないものの比較的じっくり見られました(もちろんある程度正面で見つめたら場所は譲りますが、数人くらいならまたその後ろに並んでもう一度見るのにも時間はかからなかったです)。
同じ「吉祥天女像」は2025年の「超国宝─祈りのかがやき─」展(※4)にも出品されてましたが、この展覧会は奈良博130年記念特別展にして、2025年大阪万博関連で京都大阪奈良で大規模日本美術展覧会が開催されていたこともあって、すごい人でした。
鷲生もここでこの絵を見ましたが、チラ見しかできませんでしたね。
だから今回じっくり見られて良かった、一生の思い出というか、冥途の土産というかw
中華ファンタジーを書く上でも、女性の衣装の参考にとってもなります!
日本と中国ではもちろん気候が違い、また伝来した過程で変わってしまったところも多いでしょうけれども。
ただ、最近のはともかく、鷲生が中華ファンタジーを書くのに参考にしていたやや古めの中国衣装関連の参考書では、中国の長安などの中心部にはあまり古いものが残っておらず、西のシルクロードのアスターナ古墳群、東の正倉院御物のものが参考にされていたことが多かったんですよね。
京都もそうで、長い間政治の中心で人も多い地域はその後の歴史が積み重なって(戦乱や火災、都市改造など)、平安時代以前のモノってなかなかないんですよ。醍醐寺や宇治平等院鳳凰堂は京都の市街地から外れてますしね。
こうして日本の奈良時代の遺品で古代中国をイメージできるものを見ることができるのは地の利だと思います。
展示に一つの柱として、法隆寺金堂壁画がテーマの展示もありました。
なんで「テーマ」という回りくどい言い方をしたかというと、実物は焼損してしまったかっらです。
それも、第二次世界大戦を乗り越えたのに、終戦直後の失火によって(悔しい)。
残っていたら、ものっすごい立ち位置の文化財だったと思います。
ただ、世界的に評価されるようになってから焼損するまでの間、明治から昭和にかけて当代の有名画家による模写や写真が残っています。
それらの展示で往時をしのぶことができました。
展示の最後では、カラー原板(だけど写真は白黒)から、フィルム会社がデータを取り、研究しまくって再現した色彩についても触れられていました(※4)。
それから、「幻の大寺」奈良の「内山永久寺」関連もフィーチャーされてました。
「幻の」というのは、江戸時代まで大いに栄えて「西の日光」とまでうたわれたほどなのに、明治の廃仏毀釈で廃絶してしまったからです。
日本美術に興味のある人はご存じでしょうが、この廃仏毀釈のせいでどんだけ素晴らしいアートが失われたことか!!!
ほんと、つい最近まで残っていたはずなのにと思うと悔しいです。
日本にも宗教に基づく芸術破壊はしーっかり存在してるんですよ(怒)。
そのなかで、海外に流出した分は、流出した先が大切に保管してくれて本当に良かった……。
今回のボストン美術館からの里帰り品を見ていると、ありがたい限りです。
「春日宮曼陀羅」は数多く残っていますが、ボストン美術館所蔵のものは最古例の一つ。
私は星を題材にした「北斗九曜影向図」が興味深かったです。
北斗はもちろん北斗七星。九曜は、日・月・火・水・木・金・土に、想像上の星である計都と羅睺を加えたものです。
(この計都と羅睺。小野不由美さんの十二国記シリーズの驍宗様の乗騎ですね。今度新刊がでるんですよね、楽しみです※6)。
また、十一面菩薩観音来迎図も印象に残りました(阿弥陀来迎図はよく見ましたが、十一面観音はあまり見た記憶がなかったです)。
地蔵菩薩像も、衆生を救うという穏やかながら芯の強い姿で良かったです。
最後の方では、「箜篌」というシルクロードの弦楽器の復元展示がありました。
正倉院展に残欠があり、そこから復元したものです。
演奏については伝わっていないのですが、今回の「南都仏画展」の関連企画で、雅楽家の東儀秀樹さんの演奏があったそうです。
鷲生は聞きに行けませんでしたが、カクヨムでフォローしている奈良在住で古代史の歴史小説を書く作家様が聴いてこられてXに感想を投稿しておられました。
この「南都仏画展」
「吉祥天女像」は8月2日まで(ちなみに所蔵している薬師寺ではお正月の1~3日の吉祥悔過で公開されているようです※7。ただ、お正月三が日に観に行くのも大変ですから、こういう展示で見た方がいいと思います)。
8月18日からは、あの東博の「普賢菩薩像」がやってきます。
冒頭で述べたように、そりゃもう充実した内容の展示ですから、お近くでしたらぜひぜひ!
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※1 「南都仏画―よみがえる奈良天平の美―」展公式ウェブサイト
https://nantobutsuga2026.exhibit.jp/
※2 美術展ナビ 2026.07.14
【関西プレビュー】「南都仏画―よみがえる奈良天平の美―」奈良国立博物館で7月18日から 国宝「吉祥天像」国宝「普賢菩薩像」などが集結 ボストン美術館との共同企画でたどる奈良が育んだ仏教絵画の世界
https://artexhibition.jp/topics/news/20260713-AEJ2946868/
※3 X 特別展「南都仏画 よみがえる奈良天平の美」 2026年7月25日
https://x.com/nantobutsuga26/status/2080786671709401451
※4 鷲生の探訪記がこの日記エッセイにあります。
「超国宝 祈りのかがやき」展 ツウ好み&企画の意気込み大&観客のレベル高!
https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16818622174204897618
※5 X 富士フィルム 2026年7月23日
【富士フイルムの技術で77年前に焼損した法隆寺金堂壁画の色彩を復元~奈良国立博物館で高精細カラー画像として初公開】
突然ですが、法隆寺金堂壁画をご存じでしょうか。古代仏教絵画の最高峰として世界に認められた壁画で、77年前の火災で大きな被害を受けました。しかし、焼損前にカラーフィルターを介して撮影された「ガラス原板」(所蔵:法隆寺、便利堂)が残されており、ここに記録された色情報を用いて、富士フイルムの技術により、当時の壁画の色彩を科学的に復元することに成功しました。
復元された壁画は、富士フイルムの空間演出用プロジェクター「FP-ZUH12000」で高精細カラー画像としてよみがえり、奈良国立博物館で7月18日(土)から開催している「南都仏画展」で初公開。本展に先駆けて行われた記者発表会(法隆寺金堂壁画保存活用委員会発表)では、今回の復元の取り組みについて紹介し、内覧会での展示と合わせて高い注目を集めました。
※6 新潮社公式サイト 十二国記
https://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/
※7 薬師寺 修正会
https://www.yakushiji.or.jp/event/shushoue.html




