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京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記  作者: 鷲生 智美


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22/24

糸が布に!線が面に! 「手織体験」してきました!@西陣織会館

 いやー、むちゃくちゃ面白かった&積年の願いが叶いましたよ!


 皆様も日本昔話の「鶴の恩返し」、ご存じですよね?

 あれで鶴が機を織っているじゃないですか。

 アレ、鷲生はずっと「どうなっているか知りたい」&「やってみたい」と思っていたんですよね。


 また、古代中国・日本を舞台にしたファンタジー小説を書くために資料をあさっていると、服飾関連で布地についても出てくるじゃないですか。

 平織、綾織とか錦織とか……。


 それに、錦と言えば、シルクロード関連で洋の東西で「経錦」「緯錦」と織り方が違うと聞いたような気が(すみません、うろ覚えです。詳しく知りたい方はご自身で確認お願いします)。


 平織や綾織、これらは縦横の糸の組み合わせ方で違うんだそうですね。

 平織は縦糸(経糸)と横糸(緯糸)が交互に重ねられているとのことで、文字の説明を読んでいても、まだ分かりやすい方です。

 

 しかしながら、綾織になると、もうよく分かんないw


 そもそも。

 その縦と横の糸って、あの機織りの機械の仕組みの何がどうなって布に織りあがっていくのでしょうか?


 前々から、ここが分からないのがもどかしくて、「これは自分で手を動かさないと分からないな~」と思って手織り体験できる場所と料金や、卓上で使える織機なんかを探しておりました。

 しかし、踏ん切りがつかないままだったんですよね。


 ……って話を国立民族学博物館の展示(東南アジアかどこかの布)を見ながら、一緒に行った友人に「織物とか詳しくなりたいんですよね~」と漏らした瞬間。

「行きましょう!」とw

即決ですw


 それで今回、前から目星をつけていた西陣織会館に行ってきたのです。

 そして、これまでの疑問が一気に氷解しました!


 この西陣織会館(※1)。

 ええ、もちろん応仁の乱の「西陣」の辺り(山名宗全の邸宅跡もあります)、今でも織物産業関係のお店や会社がまだたくさんあるエリアにあります。


 この建物の上階は貸会場なんで、京都市民には何かの試験会場としておなじみです(鷲生もファイナンシャルプランナーの試験ここで受けましたよ)。


 その1~3階が、西陣織についてのミュージアムのような展示場になっています。

 友人と受付近くで待ち合わせている間、動画を見ていました。


 一つは蚕の話で、群馬県の養蚕についての話でした。

 実はその友人はもともと群馬の人なんです。

 聞いてみたところ、昔はその家でも養蚕していたそうですし、彼女もご近所の家でお蚕さんたちが桑の葉を食べる音とか聞いたことあるそうなんですよ!


 受付をしてもらって案内の人に3階に連れて行ってもらいます。

 「こちらです」と招じ入れられた部屋に入って「うわあ!」と歓声を上げる友人と私。


 織機(日本昔話の絵本にのっているアレ)が小さなホールにずらーっと並んでる~!

 写真はnoteに投稿してます ( https://note.com/eagle9052/n/nb35d9edb01ce )

 なんでも、団体でお越しの場合もあるそうです。修学旅行生とか外国人の団体さんとか。

 この時は私たちだけだったので、手前の2台を使います。


 どんな色の織物を織るのか、色は自分で選べます。

 軸に毛糸のような太い糸を巻き付けたものが何通りか出てきて、その中からチョイス(2巻使って、約20cm×30cmのテーブルセンターを織ります。持ち帰れます)。


 それを紡錘形のの中に入れます。

 そして、いよいよ自分の織機の椅子に座ります。おおお! 


 織機には既に縦糸(経糸)が張ってあります。

 その経糸は、一本一本、縦方向に針金ようなものでつられています。

 この経糸と連動している針金のようなもの(綜絖=そうこう。ここでは金属製ですが、別に素材は何でもいいと思います)を上下することで、ある経糸は下に、ある経糸は上に開きます。


 平織の場合は、それが1本おきです。

 その一本おきに上下に開いている中を、杼を使って緯糸を渡します。

 糸を渡したら、おさという櫛状のものでトントンと織目を整えます(「緯糸を打ち込む」と表現するようです)。


 綜絖の上下は右足と左足のペダルを踏むと、連動して上下するようになっています。

 右のペダルを踏んで、一本おきに上下に分かれた経糸の間を、杼を横に動かして、そして櫛でトントン。

 次は左のペダルを踏んで(一本おきの縦糸の上下が入れ替わる)、そのまま折り返しの方向に杼を横に動かして糸を渡して、櫛でトントン。

 ↑

 うん、アニメとかでみる「機織り」の動作です。

 なんか、感動するというか、友人と二人で「これ、面白いですねーっ!」とはしゃいでましたw


 仕組みが分かって、自分の興味が満たされて面白いというのもあるんですが。

 やっているうちに、線だった糸がどんどん布という面になっていく。

 自分の手が何かを生み出しているという、労働の喜びといいますかw そんなものも感じます。

 織機を買って趣味で織る人の気持ちが分かりましたよw


 綜絖があることで、経糸が上下に分かれる中を緯糸を通すだけで縦糸緯糸が交差する布地が織れるわけですが。

 これが1本おきでないと、綾織になります(確か2本だったと思いますが、昔読んだ本にそう書いてあっただけなので正確な知識は各自お知らせくださいませ)。


 また、経糸をある程度飛ばすことで横糸で模様を織ることができます。

 織物体験では無地の平織だけですが、同じ館内の下のフロア(2階)で模様を織る実演をしておられました。

 源氏香のマークを織りだしてらっしゃいましたが、模様を出すには、綜絖でどの経糸を動かすかがカギとなります。

 昔は、織機の上に人がいて、動かす経糸の操作をしていたそうです(西陣織会館1階に展示されている「空引機」で今となってはかなり珍しい「幻の織機」です。たまにイベントで実演があるそうです その案内はコチラ→※3)


 その、「どの綜絖を引き上げるか問題」を自動化したのがジャガード織。

 2階で基本的に毎日実演されているのがそうです。


 織機の上に、どの綜絖を引き上げるのかを穴の位置で示した紙を置いて、それに沿って綜絖が引き上げられ、下で職人さんが緯糸を入れていきます。

 その紙はパンチ穴が空いてあって……昔、昔、大昔のコンピューターがパンチ穴カードで動いていたような感じというか(いくら鷲生がオバはんとはいえ、これほど古いコンピューターはさすがに見たことありませんよw)


 このジャガード織では、職人さんが緯糸を手で入れておられました。

 緯糸を入れる作業まで機械で行うと、緯糸は布の端から端まで通ります。

 一方、手織りの場合、模様に必要な分しか緯糸を入れないので、この分布地が軽くなるのだそうです。


 西陣織は、手織り・空引織機の時代から、明治時代にフランスのリヨンからジャガード織りを導入し、その後はパソコンを使っておられるとか(1階の動画でみました。古い動画らしくて、パソコンのモニタが奥行きのあるブラウン管でしたよw)。


 この西陣織会館。

 なんと、蚕の卵から生きて餌(人工餌)食べてるところまで見せてくださいます。

 50匹から売ってくれるところがあるそうですよ。

 そして蚕は1日の間でも見た目が大きくなるのだそうで、係の人が「今朝見たときより太っていますよ」とおっしゃっていました。


 私と友人が行った時はやってなかったんですけれども、蚕から糸を取るところも実演があるようです。


 鷲生は、この文章をおおむね自分が見た順番に書いていますが、モデルコースとしては以下のものが良いのではないかと思います↓


 1階で空引機を眺める。

 同じフロアの映像コーナーで養蚕のビデオを見る。

 ↓

 2階に上がって卵からかえった蚕が餌を食べているのを見て、その周辺の解説パネルを見る。

 ここで繭から糸を取る実演があればそれも見る。

 ↓

 手織り体験をする(要予約。1階の受付で案内係の人と待ち合わせ)

 ↓

 2階のジャガード織機の実演を見る

 ↓

 1階の映像コーナーで西陣織の現在のビデオを見る。


 これで、西陣織が分かります!


 この西陣織会館のある西陣エリアは、現在でも織物関連の町屋が多く、また、それを活用したおしゃれカフェなんかもたくさんあります。

 西陣織会館は「昭和の観光施設」という感じがしますが(※3)、一周回ってレトロな味がエエかも、です。

 建物が少々古臭くとも、織物についてグッと解像度が上がりますからおすすめの見学先ですよ~。


*****


※1 西陣織会館

https://nishijin.or.jp/

「手織体験」

https://nishijin.or.jp/experience/


※2 2025年9月の西陣伝統文化祭「千両ヶ辻」で実演されたとか。

今年の2026年の秋にもあれば是非見に行きたいと思います。

https://nishijin.or.jp/blog/2025/64027/


※3 天井が低かったり、どうにもこうにも昭和な感じの雰囲気なんですよね……。

この記事を書くのにGoogleMapで「西陣織会館」の項目を見ていると、口コミで「過疎ったスーパーの洋服売り場のような雰囲気」なんて感想がありましたw

ええ、確かにw

ただ、このコメントをした人も続けて「せっかくイイ内容なのに、悔しい、もったいない」とお書きでした。

ほんと、興味深くてエエ場所なんですよ。特に、和風中華風ファンタジーを書く人間にとっては。おすすめです。


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