なんかスゴイもの見た……陰陽師や古代天文学関連の展示@大将軍八神社
京都に住むことのイイ点は、国宝・重文がそこらじゅうにあることです(奈良にも近鉄電車で行きやすいですし)。
鷲生は日本史学科の学生だった頃から、そういうモノを見て回るのは好きでした。
そんな日本の古い品々を見慣れた鷲生でも、「かーなり珍しいものを見ている」と興奮したのが大将軍八神社の宝物庫(方徳殿)の特別公開!
この大将軍八神社、京都の北西、北野天満宮のすぐ近くにあります。
大将軍は方位の神様です(詳しくはwikiなどでご確認ください)。
桓武天皇が東西南北に大将軍を祀る神社を創建したうち、西の大将軍社が今に残るものです。
ほら、「方違え」のアレですよ。
方位に神様がいるから、それを避けるために方違えなんかをしており、それをつかさどっていたのが陰陽師。
鷲生は自分の平安ファンタジーの中で陰陽師を主役にしたことはありませんが(脇役ならあります※2)、世の中には陰陽師モノ多いですよねー。
ただ、この陰陽道関連、なかなか資料を見られません。
そもそも呪術ですからそんなに大っぴらにしてなかったうえ、明治に入ると非科学的なおまじないが禁じられてしまい、そこに断絶があるからです(「京都府が明治時代に陰陽道を禁じた文書」を京都文化博物館で見たことあります)。
仏教寺院が大伽藍を擁し、現代においても布教でもある拝観システムをとっているのとは、そこが違います。
文書に関しては、土御門家の家司の若杉家に伝わった文書が京都府の学術施設に保管されており、ネットでみることができます(※3)。
しかし、天球儀とかの現物には、なかなかお目にかかれない。
今回訪問した大将軍八神社に「天球儀や、天文史料がある」という情報は得たものの、公開されるのは5月1日~5日、11月1日~5日のみ。年間10日だけです。
毎年、慌ただしく過ごしているうちに、うっかり忘れてしまいがちで……。
しかし! 今年はようやく足を運ぶことができました!
いやあ、凄い。
2階の天球儀。
渋川春海の作と伝わっているのだとか(※4)
渋川春海って、ホラ、冲方丁さんの『天地明察』の主人公ですよ!
また、「黄裳天文図」(「淳祐天文図」「蘇州天文図」)1247年の拓本がありました。
その横には「日本国最後の太陰太陽暦」
小さな冊子で、表紙に「明治四年 未頒暦 大學暦局」と書かれていました。
その隣には貞享五年具注暦が。渋川春海が作ったものです!
同じ場所には「符天暦」も。
ああ、安倍晴明の(っていうか、史実の上では直接のかかわりがないんですが、関連があるとされてきた)『簠簋』もありました!
この大将軍八神社に伝わっている「安倍家(土御門家)古天文暦道関係資料」は府の文化財だそうです。
以上が2階。
次に1階に降りてみると……。
「大将軍神像 立体星曼陀羅」の看板があり、その区画に足を踏み入れると……。
うわあ!
81体の神像が四方にずらっと並んでいます。
仏像が並ぶというケースでしたら、極端な例では三十三間堂で1001体とか、東寺に立体曼荼羅があるとか、そうでなくても薬師如来と十二神将とかで見慣れていますが……。
神像というのは、仏像と違って束帯姿です。
束帯姿の人形……「にんぎょう」ではなく、ここは「ひとがた」と読みたい……が、雅楽の流れるちょっと薄暗い部屋に何十って並んでる様は、なんというか……。
なかなかヨソにはない雰囲気です……。
日本の古いものを見慣れている鷲生にとっても、これは「珍しいものを見ている!」という印象が強いです。
写真は撮りたかったですが、もちろん禁止。
しかし、神社のウェブサイトその他で写真が見られます(例えば※4でも)
いくつかの展示品についてはポストカードが売られていたので、天球儀の写真のを買いました。
この神社、実際に行ってみると、とても感じが良かったです。
最初、受付に座っている男性が髭があっていかつくて、ちょっとビビったんですよw。
去年でしたか、鷲生のお出かけ先で参政党の集会が開かれてましてね。
面白そうだからと前をうろついていたら、参政党関係者(なぜか会場に入らず、かといって仲間と談笑するでもなく、エントランスとか通路に男の人たちがバラバラに立っている)ににらまれ、そのうち一人にはちょっと付きまとわれたんですよね。気持ち悪かったです。
ネットで見てても、ネトウヨはねぇ……。
こんなことがあったせいで、神社でいかつい男性を見ると警戒感が湧いてしまうというか。
それでも宝物庫に入るためにはここで入場券をゲットしないとイケナイので、恐る恐る「あの、宝物庫に入りたいのですが……」と申し出てみると。
それが、とっても爽やかに愛想のいいご対応で、一気に好感度アップ。
帰りにポストカードを買った際の受付の人は別の人でしたが、この人も感じが良かったです。
また、社務所で健康関連のイベントをやっておられて盛況でした。
宝物庫もベンチがあって(おそらくDIY)、休憩しながら見ることができました。
それから社務所から宝物庫の間の段差がスロープになってましてね。
なんか、いろいろ心配りがゆきとどいていらしゃるなぁ、と。
ネトウヨっぽくなくて嬉しかったのはもう一つ。
この神社以外の展覧会のチラシが何種類か置かれていたのですが、その中に「高麗美術館」があったこと。
名前からお分かりのように朝鮮半島の古美術(常設展示は民芸品寄りかな)の美術館です。
なんか、ほっこりしてチラシを一枚いただいてきました(今やっているのは「土器」についてです。鷲生は「朝鮮王朝の動物クリム展」に行ったことあります)。
この大将軍八神社、北野天満宮のすぐ南です。
面白い&感じが良いので、11月の宝物庫公開に合わせてまた来たいと思います!
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※1大将軍八神社
https://daishogun.or.jp/
※2 「野藤の后 上東門院彰子異聞」
https://kakuyomu.jp/works/2912051595978712453
※3京都府立京都学・歴彩館歴史資料アーカイブ
https://www.archives.kyoto.jp/websearchpe/
例えば「小反閇作法」
https://www.archives.kyoto.jp/websearchpe/detail?cls=112_komonjo_catalog&pkey=0000031057
※4 方徳殿の特別公開【大将軍八神社】https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=3765
※5 冲方丁さん『天地明察』を読んだときの日記もあります。
「【和風F】『天地明察』と『下鴨アンティーク』を読んでます。」
https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16817330664789480542
「【和風F】【中華F】『天地明察』読み終えました!」
https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16817330665053919111
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そうそう、この記事にも書いている「算木」。
大将軍八神社の展示にもありました! 使い方まで解説してくれて勉強になりました!




