表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/14

第12話:入学式(1)

 無事、俺は合格通知を受け取った。


 俺は賢者なので、この程度のイージーな試験ならラクラク合格できる。

 賢者試験の方が、よほど難しかった。


 クリスタリア魔術学院を卒業すれば、俺は魔術界でも最高峰の学歴を取得できる。


 学歴があれば、書類審査で弾かれて、苦い思いをすることもない。


 賢者の大半は五大校の出身であり、出身校に応じて学閥を形成している。


 俺は独学で賢者になったので、学閥には加入できずに孤立しており、共同研究ができず、素材の入手にも苦労していたが、クリスタリア魔術学院を卒業すれば、クリスタリア魔術学院系の学閥に加入できる。


 俺は最強賢者だが、賢者の世界では、強さだけではなく、学歴もなければ正当な評価は得られない。


 だが、クリスタリア魔術学院を卒業すれば、そうした悩みの大半は解決するだろう。


 学歴があれば良い仕事に就けるし、高級住宅街に住むこともできるし、良い結婚相手を見つけることもできる。


 今日は入学式。


 俺の輝かしいキャンパスライフが、ここから始まるのだ!


 思わず、テンションが上がってしまった。


 俺は幼い頃から小説を読むのが好きで、特に学園ラブコメが大好きだった。


 学園ラブコメの舞台は、大半が魔術学院だった。


 そんな、夢見ていた華やかな学園に、今日から通えるのだ。


 外に出て、空を見上げた。


 雲ひとつない青空が広がっていた。


 太陽も、俺を祝福してくれていた。


 さあ、進もう!


 入学式の会場は、俺と同じように、高揚した表情の学生が大勢いた。


 五大校の入試は難関で、多くの学生は滑り止めとして1ランク下の学園も受験する。


 合格者の大半は、長く苦しい受験勉強を乗り越えて、今ここに立っているのだ。


「アレクさん! おはようございます!」

 俺を見て、ユリカが駆け寄ってきた。


「おはよう、ユリカ。……そういえば、ユリカは、どのくらい受験勉強したんだ?」

 合格者の話題としては、受験勉強は定番だ。


「……え? 受験勉強ですか? 全くしてないですよ?」

 ユリカはきょとんとした表情を浮かべた。

「……クリスタリア魔術学院は五大校だぞ? 受験勉強抜きだと、筆記試験は解けないはずだ」

「はい。ですから、私特製の合格鉛筆の力を借りました。転がすだけで、簡単な問題なら自動で解いてくれる優れものです!」

「……それ、大丈夫なのか? カンニングにならないのか?」

「はい。筆記試験では、既製品の高機能鉛筆の持ち込みは禁止ですけど、手作りなら問題ありません。それも含めて実力ですね!」

「……問題を自動で解くアーティファクトを作るのは、普通に問題を解くより大変じゃないか?」

「私は錬金術アカデミーに通ってましたから、こうしたアーティファクトを作るのは得意ですよ。アレクさんも、アーティファクトを作る際は、私に気軽に何でも相談してくださいね!」

 確かに、俺も無限の砂時計の製作で行き詰まっていた。


 アーティファクトの専門家である錬金術師に聞いてみるのは、有益かもしれない。


「ところで、アレクさんは、どのくらい受験勉強したんですか?」

「全くしてないぞ」

「良かった! 私たち、仲間ですね!」

 こうして、俺とユリカは友情を深めた。

 

「面白かった」「続きが読みたい」などと思われましたら、

ブックマーク・評価・いいねをして頂けるとモチベーションが上がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ