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第6話:狂乱と毒された饗宴

ヴァエロリアの首都の外にある「ささやきの森」は、低レベルの訓練場のはずだった。斑の日光が古いオークの木々の密な天蓋を濾過し、鮮やかな緑の苔とせせらぎの小川の斑点を照らしていた。ファンタジーRPGの開始ゾーンにぴったりの絵葉書のような景色だった。


しかし今、その空き地は暴力で彩られていた。


バキッ!


ギザギザの黒い雷の一撃が空気を裂き、金切り声を上げる緑のゴブリンを完全に消し去った。その生き物は錆びた棍棒を振る時間さえなく、土に焦げたクレーターと数枚の低レベルの銅貨だけを残して蒸発した。


湊達也は惨劇の中心に立ち、彼の巨大なパーカーが魔法の局所的な風圧で激しくはためいていた。彼は剣も杖も持っていなかった。ただ素手で、雷と闇の魔法の破壊的な組み合わせを織りなしていた。


「もっと」達也はささやいた。灰色の目は見開かれ、いつもの無気力さは完全に消え去っていた。「もっと速く湧け」


彼は積極的に自分の究極スキル【無止境の狂乱】(レベルS)をテストしていた。システムの説明文には、全ての痛覚受容体を無効化し、物理的トラウマを純粋無垢なアドレナリンと戦闘陶酔に変換すると書かれていた。結果は恐るべきものだった。数秒前、別のゴブリンが粗い火打ち石の短剣で達也の頬をかすり傷つけた。たじろぐ代わりに、達也はそのゴブリンの顔を掴み、生の暗黒電気をその頭蓋に流し込んだのだ。


木々の境界線から新たなモンスターの波が湧いてきた――3体のランクEスライムと2体のランクDホブゴブリン。


達也は回避しなかった。彼は前に飛び込んだ。暗い深紅の飛沫が彼の青白い顔に飛び散り、灰色の髪を染めながら、彼は恐ろしい効率でモンスターを引き裂いた。瞬きもしない。息も荒くしない。ゆっくりと、静かで反社会的なゲーマーの血まみれの顔が、大きく狂気の笑みへと歪んだ。


空き地の端で、7人の高校生が身を寄せ合って震えていた。


彼らは達也に割り当てられたグループだったが、どうすればいいのか全く分からなかった。ヴァエロリアの伝統的な騎士たちは「聖なる賜物を訓練しなさい」と言っていたが、生きている生き物を殺すという現実に、ほとんどが麻痺してしまっていた。彼らは達也に従い、トップテンの生徒なら計画を持っているだろうと期待した。


代わりに、彼らは虐殺を目撃していた。


「彼は…彼は正気じゃない」一人の少年が呟いた。彼は無傷の未使用の鉄の剣を握りしめ、ナックルは白くなっていた。「本当に楽しんでいるんだ」


「彼を止めなきゃ。MPを使い果たすわ」リナという名の少女が前に出た。他の者とは異なり、リナの【隠蔽】スキルは外見を完全に変えてはいなかったが、彼女の髪を柔らかく輝く金色に変えていた。それは高位ヒーラーとしての彼女の新しいステータスに合致していた。


「リナちゃん、やめて! 放っておいて!」別の少女が彼女の腕を掴んでシューッと囁いた。


しかしリナは腕を振りほどいた。彼女は空き地に足を踏み入れ、ブーツが焦げた土を砕いた。「湊くん! もう十分! ゾーンは制圧したわ。休まないと!」


達也は固まった。指先で踊っていた黒い電気がパチパチと消えた。彼はゆっくりと頭を向け、灰色の目をリナに固定した。狂気の笑みは彼の顔に貼り付いたままで、死んだ冷たい目の表情と恐ろしいコントラストをなしていた。


リナはさらに一歩近づき、手を差し伸べた。「湊くん…どうしちゃったの? 自分を見て」


彼女の指が彼のパーカーに触れる前に、達也の腕が素早く動いた。彼は彼女の胸を強く押した。


リナは息を呑み、よろめいて土の上に倒れた。


「触るな」達也は言った。その声は恐ろしい、喉を鳴らすようなささやき声に落ちた。狂気の笑みはついに消え、完全な嫌悪の表情に取って代わられた。「哀れなNPCどもが俺の育成の邪魔をしてるんだ」


「おい!」鉄の剣を持った少年がついに勇気を見つけ、他の者たちと一緒に木々の境界線から出てリナを助け起こした。「てめえの問題はなんだ、湊!? 俺たちは一緒にいるんだぞ! 彼女はただお前を心配してただけだ!」


「そうよ! サイコパスみたいに振る舞ってる!」別の少女が叫んだ。


達也は言い争わなかった。自分を弁護しなかった。ただ右手を上げた。


瞬時に、空き地の周囲温度が急降下した。純粋な闇魔法の濃く息苦しいオーラが達也の体から噴出し、局所的なハリケーンのように彼の周りを渦巻いた。その圧力は非常に強烈で、残りの生徒たちは物理的に押し戻され、彼のマナの純粋な密度に息を詰まらせた。


「よく聞け」達也は言った。その声は自身の魔法の轟く風を切り裂いた。「これは修学旅行じゃない。これはサバイバルゲームだ。お前たちは足手まといだ。もしまた俺について来るなら、もしもう一度俺の育成ルートを邪魔するなら…」


黒い雷が彼の目に燃え上がった。


「…容赦なく排除する。分かったな?」


グループは恐怖に麻痺した。少年たちは武器を落とした。二人の少女は叫び始め、クラスメイトから放たれる殺意に完全に圧倒された。


リナだけは目をそらさなかった。彼女は立ち上がり、スカートの埃を払い、金色の目に闇の魔法を映した。彼女はショックを受けているわけでも、怖がっているわけでもなかった。ただ、信じられないほど悲しそうに見えた。


達也は舌打ちし、魔法を解除した。彼は彼らに背を向け、ヘッドホンを耳にかけ、ささやきの森の奥へと歩いていった。


◆


場所:アウトランド 100階層


SSSクラスダンジョンの押しつぶすような暗闇の中には、日光も木も、叫ぶクラスメイトもいなかった。ただ、草薙京也が冷たい石の床をペチャペチャと這う音だけがあった。


ペチャ。ペチャ。パタン。


「この移動方法は非常に非効率的だ」京也は心の中で愚痴った。粘性のある濃い紫のスライムの体を、誤って薄く広げすぎずに速く動かす方法を考えながら。


「基準の敏捷性は50です。文句を言うのを止めて、質量分布を最適化してください」彼のAIの鋭い女性的な声が頭の中で反論した。「それと、あてもなくさまようのは止めてください。左に40メートルのところに最適なバイオマス堆積物を検知しました。進路を変更してください」


京也は心の中でため息をつき、内部の重力を変え、その座標に向かって滑った。彼は飢えていた。スライムは胃で空腹を感じない――主に、もう胃がないからだ――しかし彼は細胞エネルギーの深い全身的な枯渇を感じた。


巨大な石筍の周りを這うと、【暗視】が恐ろしい光景を照らし出した。


洞窟の壁にもたれて、巨大な死んだ生き物が横たわっていた。ミノタウロスのように見えたが、その毛は完全に黒く、筋肉質な体は厚い骨のような装甲で覆われていた。


【対象識別:装甲アビサルミノタウロス】

【ランク:A | 状態:死亡】


「消費しなさい」とAIが命令した。


「正気かデジタル頭脳?」京也は嘲笑し、スライムの体を震わせて抗議した。「巨大な腐った牛男だぞ。前に生のモンスターの肉を食べた時のこと覚えてるか? 自分の尊厳を吐き出して、人間性を失ったんだ。味だけでも殺される」


「訂正:私はあなたの神経系と完全に統合しました」AIは滑らかに述べた。「味覚知覚を担当する神経経路を一時的に遮断できます。分かりやすく言えば、味蕾をオフにできます」


京也は止まった。「待って。本当に? そんなことできるのか?」


「私はあなたの潜在的な天才から生まれた無限クラスの認知構造です。もちろんできます。さあ、死肉あさりに見つかる前にバイオマスを摂取しなさい」


「それは実際、すごくクールだな」京也は認めた。


ためらいがなくなった京也は前に滑った。彼は【サイズ変更(レベルC)】スキルを起動した。彼の濃い紫の体は急速に膨張し始め、巨大な半透明の毛布のように伸びて薄くなった。彼は巨大なミノタウロスの側面を這い上がり、その胴体、そして四肢を包み込み、ついにランクAの死体を酸性スライムの薄い層で完全に覆った。


「【吸収】起動。味覚受容体オフライン」京也は思った。


消化プロセスは迅速だった。彼のスライム形態の酸性特性がミノタウロスの装甲、筋肉、骨を純粋なエネルギーに分解し始めた。それは信じられないほど満足感があり、雪の中で凍えた後で温かいシャワーを浴びているようだった。


突然、まぶしい焼け付くような痛みが京也の液体構造全体を引き裂いた。


液体窒素とバッテリー酸を混ぜたものを直接コアに注入されたように感じた。彼のスライムの体は激しく泡立ち、濃い紫の色合いは不気味な有毒な緑色に点滅した。


【警告:バイオマスに致死性毒素を検知】

【HP:15/15 → 7/15】


「がぁぁぁっ!」京也は心の中で叫び、その質量が痙攣した。「AI! これはなんだ?! 最適だって言っただろ!」


「ミノタウロスは老衰で死んだのではありません、京也」AIは彼の苦痛にもかかわらず完全に落ち着いた声で答えた。「それは高濃度の局所的神経毒によって殺されました。おそらくSクラスのクモ形類の噛みつきでしょう」


「それで俺に食わせたのか⁈」


「計算されたリスクです」AIは冷たく言った。「この環境では、あなたはいつか毒のある存在に遭遇するでしょう。生き残るためには、遺伝子コードを適応させなければなりません。目には目を、京也。毒を征服するには、それを摂取しなければなりません」


京也は彼女に向かって叫びたかった。この耐え難い拷問に彼をかけたことで彼女を責めたかった。しかし彼の【INT:∞】はその論理を完璧に処理した。彼女は正しかった。それは残忍で容赦ない戦略だが、深淵を生き残る唯一の方法だった。


【HP:7/15 → 3/15。毒素が臨界密度に達しています】


「来い…」京也はコアを安定させ、毒の溶解効果と戦った。「分析しろ。分解しろ。同化しろ!」


【毒素構造を分析中…100%】

【抗体を合成。遺伝子配列を更新】

【スキル獲得:毒耐性(レベルB)】


灼熱は即座に止まった。


ランクAミノタウロスの残りが完全に消化されると、純粋で洗練されたエネルギーの巨大な急流が京也のシステムに溢れた。青いシステム画面が次々とポップアップし、彼の心の暗い空虚を照らし出した。


【経験値閾値を超過】

【レベルアップ:5 → 21】

【HP:30/30 | SP:60 | MP:60】

【STR:25 | AGI:85】

【バイオマス基準を満たしました。新しい変身テンプレートをアンロック:下級装甲ミノタウロス(ランクC)】


京也は伸ばした形態を縮め、床の上で凝縮された濃い紫の水たまりに戻った。巨大な死体は完全に消えていた。


「やったぞ」京也は安堵の息を心の中で漏らした。HPは倍になった。敏捷性は大幅に上がった。もし生の強さが必要なら、ランクCの物理形態に切り替えられるようになった。「よし。これはうまくいってる。このまま――死んだ高ランクのモンスターを見つけて吸収し続ければ――戦わずに低ランクをパワーレベリングできる」


深淵に落ちて以来初めて、京也は本物の希望の火花を感じた。


「いいえ」AIはぶっきらぼうに言い、彼の安堵を打ち砕いた。


京也は存在しない目を瞬かせた。「すみません? 『いいえ』ってどういう意味だ?」


「あなたのパワーレベリング戦略は数学的に健全ですが、環境的に欠陥があります」AIは説明した。彼女のデジタルな声には暗い楽しみのヒントがあった。「ランクAのアビサルミノタウロスがただ単に死んで、偶然ここに放置されたと思いますか? 頂点捕食者は自分の獲物を放棄しません」


京也の足元の地面が突然震え始めた。


「ミノタウロスに毒を盛ったSクラスの存在は、単にそれを柔らかくするために置いて行ったのです」AIは快活に結論づけた。「そして、夕食のために戻ってきました」


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