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任務-2

「ここだ。」

教官に連れてこられ、指差す先にあったのは俺が今回ソロ攻略をするC級ゲート。

「任務の成功条件はゲートを閉じ、生還すること。それでは、検討を祈る。」

そうやって俺は送り出された。

しかし、やはりここに来て1人で攻略するということを意識すると、少し緊張してくる。だが、やると決めたならばやる他ない。そう覚悟を決め、ゲートの中に足を踏み入れる。

光のない、薄暗い空間。そこに1人でいるというのはなかなかに乙なものである。

すると、「ガルルルル...」そんな鳴き声でこちらに歩みを進めてくるの魔物がいる。それはレッドウルフ。しかも群れだ。しかしレッドウルフがC級ダンジョンに出てくるなどあまり聞いたことがない。まあでも、そういうこともあるんだろうと自分に言い聞かせ、刀を構える。

「それじゃ、ダンジョン攻略始めますか!」

道中は特にそこまで苦労することは無かったが、しかし敵の数がかなり多く感じた。きっとこれはソロでやってるから普段より処理する必要がある魔物の数が多いからだろうと思った。

そうこうしているうちに、ボス部屋へと辿り着いた。

気合いを入れ直し、扉を開ける。

中にいたのは、ミノタウルスだった。

正直言ってハズレを引いた。ミノタウルスはかなり大きな体を持ってるくせに、スピードがかなり速い。それに見るからに重そうな斧をこれまたとてつもない速さで振ってくるし、体はかなり硬いし。

「まぁでもここまできて引き返すわけにも行かないし、頑張りますか。」

そう言って中に足を踏み入れる。

次の瞬間、とてつもない速さで上から斧が振り下ろされる。それを回避し、攻撃体制に入る。

初めて刀を握った時、頭の中に不思議と動きが視えた。そして今までそれを頼りに様々な戦いで勝ってきた。

「ハァッ!」

魔力を込めた刀を振るう。しかし想定通り、巨大で強固なミノタウルスの体には、かすり傷程度しか付けられない。だが、やりようはある。

回避し、斬りつける。回避し、魔力の斬撃を放つ。

そうこうしているうちに、自身の体力もかなり削れていく。だがミノタウルスにもかなりの量の傷を負わせることが出来ている。傷口にさらに攻撃をすることで、よりダメージを確実に稼いでいく。

「さて、そろそろ畳み掛けるか。」

そうやって強く地面を蹴り上げ、上から斬撃を飛ばす。見事にそれはミノタウルスの右目に命中した。

しかし、想定外が起きた。右目をやられ、ふらついたミノタウルスが斧を地面に突き刺すと、大きな振動が起きた。すると、先ほどから放っていた斬撃によって少しずつ損傷していた天井の岩が頭上から落ちてきたのだ。想定外の事故により、少し反応が遅れた。そして、降ってきた岩の直撃を、もろに頭の左で喰らってしまった。



衝撃が響く。


景色がぼやける。


次に打てるのが最後の一発だと実感する。

ミノタウルスが咆哮を上げ、斧を振り上げながらこちらに走ってくる。



集中しろ。

ミスをすれば死ぬ。

魔力を刃に込めろ。

神経を研ぎ澄ませろ。


ミノタウルスが斧を振り下ろす。


ここだ。


「はぁぁぁっ!!」

刀を思いっきり上に振りあげる。

それは見事に、ミノタウルスの体を真っ二つにした。

しかし勝利の余韻に浸る暇もなく、身体からは力が抜けていき、立つことさえままならない。頭に手を当ててみると、赤黒い液体が自分の手を伝って地面に落ちてゆく。

ボスを倒してからダンジョンのゲートが閉じるまでおおよそ1時間かかる。しかし、今の状態では歩く事など到底できない。

ポケットに中にもしものためと思って帰還石を入れて来ている。これに魔力を込めると、ダンジョンの外に自動で帰還することができる。

最後の魔力を振り絞り、石に魔力を込める。

身体が白い光に包まれる。



目を開けると、そこはもうすでに外だった。

教官がこちらに向かって駆けつけてくる。

「なんて酷い傷だ。おい、しっかりしろ!生きているか!」

「だい…じょうぶ…です。なん…とか……ボ…スは…たおし…まし……」

そうして俺の意識は途切れた。

「まずいぞ!すぐに病院に連れて行かねば!」


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