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新たな名

目を覚ますと、そこは見慣れない天井がある。

「《斬》!ようやく目を覚ました…。良かった…」

《木葉》が俺の横で泣きじゃくっている。

「ここは…病院か?」俺がそう聞くと、

「ああ、そうだぞ。」と《鷲》が返してくる。隣には《剛》の姿もある。

《鷲》「しっかしお前が病院に救急搬送されたって聞いた時はびっくりしたぞ。しかも頭部にかなり酷い損傷を負ったって話だぜ。それで教官に聞いてみたら、お前と《剛》が単独でそれぞれダンジョンを攻略しに行ったなんて言うから、まじでびっくりしたぞ。」

《斬》「まぁ、他言無用って言われてたからな。心配かけてすまなかった。」

すると《木葉》が涙で目元を赤くしながら

「ほんとに心配したんだから…」と言ってくる。

うん、すごく申し訳ない。

すると《剛》が俺に聞いて来た。

「しっかしお前がそんな傷負うなんて初めてだよな。何があったんだ?」

俺はことのあらましを説明した。

すると《剛》が自慢げに言って来やがった。

「アタシはそんなチマチマやらずに正面からボコボコにしてやったよ。やっぱお前よりアタシの方が強いな」

「相性ってもんがあるだろ相性が」と言い返すが、

「はいはい負け惜しみは惨めだね〜」なんて煽って来やがる。まじで腹立つなコイツ…。



数日が経ち、俺の傷もほとんど治って来た頃、俺と《剛》はまた黒鳥隆俊さんに呼び出された。

「聞いたで〜。結構大変やったみたいやな。まぁでも何はともあれ、任務達成おめでとう。」

隆俊さんはニコニコしながらそう言って来た。

「ありがとうございます。心配かけてすみませんでした。」

俺はそう謝ったが、返ってきたのは

「いやいや、無茶言って君たちにソロ攻略に行かせたのは俺や。ほんま、すまんかった。」

想定外の謝罪だった。しかもこちらに向かって深々と頭まで下げられている。

俺たちはびっくりして思わず早口になってしまう。

《斬》「そんな、頭を上げてください。それに俺は今回の経験でまた強くなれました。」

《剛》「そうですよ。ボロボロになったのはコイツが弱いだけで、こちらが謝られるなんてそんな。」

《斬》「テメェまた俺の悪口言ったなこの野郎。」

《剛》「あん?お前はか弱い女の子に手ェ出そうってのか?」

そう言ってまたいつもの下らない喧騒をしていると、教官からの怒号が飛ぶ。

「お前たち、いい加減にしろ!黒鳥校長の前だぞ!」

ようやく我に変えると、隆俊さんが口を開く。

「そんで君たちに提案なんやけど、ここを出て一般のハンターとして活躍していく気はないか?」

告げられたのは、またしても衝撃の言葉だった。

「ここを出ていく、というのは?」脳の理解が追いつかず、思わず聞き返してしまう。

「文字通りや。別の言い方をすれば、卒業っちゅうことやな。」そう隆俊さんは答える。

すると次は《剛》のやつが聞く

「しかしアタシたちみんな親戚なんてほとんど知らないような奴ばっかですよ。いきなり社会に出ても、まともに生きていける気がしないんですが…」

隆俊「そこについては問題ない。ある程度自分で生活できるようになるまでは、うちが支援したる。」

《剛》「本当ですか?」

隆俊「本当や。まぁ今回の任務はある意味、卒業試験も兼ねてたってことやな。それで君たちは見事それに合格した。ほんまにおめでとうやで。」

俺たちは隆俊さんに精一杯の感謝を伝えた。

《斬》「今まで、育ててくれてありがとうございました。」

《剛》「この御恩は一生忘れません。お世話になりました。」

そして部屋を出て行こうとすると、止められた。

隆俊「君たち、仮にでも社会に出て生活していくんやで。戸籍がないと生活は成り立たん。ほら、これが君らの戸籍謄本や。今後《斬》君は「秋山実(アキヤマミノル)」、《剛》君は「西崎楓(ニシザキカエデ)」。これが君らの名前や。」

実「秋山、実…」

楓「西崎、楓…」

隆俊「せや。そんでこれが、君らのハンターのライセンスカードや。」

楓「おぉっ!」

実「これがライセンスカード!」

隆俊「いやぁ君らの反応は見てて面白いな。それじゃ、これでお別れやで。あぁあと最後に、実はハンターってのはな、自分の名前以外にも名称をつけれるんや。それで、どや。俺が独自に考えて来たんやけど、よかったら受け取って貰えんか?」

俺たちはこの人にうんとお世話になって来た。

「是非とも、受け取らせてください。」

そう言うと、隆俊さんは嬉しそうに教えてくれた。

「まずは楓君やな。君はウチで《剛》なんて呼ばれるくらい、その硬さと強さが個性や。やから「《ブレイク》西崎楓」なんてのはどや?」

「《ブレイク》…。メチャメチャカッコいいっすね!ありがとうございます!」

楓もとても嬉しそうだ。

「そしたら次は実君やな。君の過去の実績を見させてもらったが、君は今まで任務に失敗したことがない。試合でも負けたこともない。せやから、失敗、敗北回数がゼロかいっちゅうことで、「《ゼロ》秋山実」ってのは、どや?」

想像していたものとはかなり異なっていたが、しかし《ゼロ》。とても良いと俺は思って。

「ありがたく、頂戴いたします。」

そして隆俊さんが口を開く。

「よかった…。それじゃ今度こそお別れや。寂しくなるで、たまには顔出してや!」

少し悲しいが、俺たちはもう旅立つんだ。最後にめいいっぱいの大声で感謝を伝えた。

実&楓「今まで、ありがとうございました!」

キャラクター紹介

【《斬》改め《ゼロ》秋山実 本名、死龍真】

日本刀で戦うハンター。スキルなし。現在17歳。

【《剛》改め《ブレイク》西崎楓 本名、不明】

スキル〔剛拳〕を駆使し、拳と体術で戦う男勝りな女傑ハンター。現在17歳。

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