任務-1
食事会場に着くと、そこはすでにかなりの人が居た。
「おーい《斬》!こっちこっち!」
声のする方を見ると、俺と同じ班の奴らが居た。どうやら他の班員の分の席まで確保してくれてるらしい。なんて優しい。
朝食を受け取り、そして席に着く。
「《木葉》に《鷲》、ありがとな」そう言い、俺は席に着く。
この組織は、悲しいことだが親に捨てられてしまった子供が9割以上だ。故に、ほとんど全員が名前を持たない。だからまずある程度の歳になるまでは、無名のままで組織に育てられる。そこから、本格的な試験が実施され、それを通過できたものだけが組織内に残ることができ、正式にMHSに入ることが出来る。そしてその際にそれぞれの戦闘スタイルに合った《コードネーム》を貰えるんだ。俺の場合、組織内でも稀な日本刀使いで、斬り合いや魔力の斬撃を飛ばしたりするのが得意だから、《斬》っていうコードネームが付けられたってわけ。
「《剛》は?まだ来てないのか?」と聞くと、
「来てないね。どうせいつも通りの寝坊だよ。」と《鷲》から返ってきた。
《剛》というのは、俺の所属してる班の最後の1人で、かなりの男勝りな女傑だ。スキルが〔剛拳〕だからまぁコードネームはそのままついたって感じだな。
そしたら後ろから急に背中を思いっきりぶたれた。
「よぉ《斬》。今の避けれねぇってやっぱ鈍ってんじゃないのか?」こう言い放ってきたのが《剛》だ。
「バカ言え。今食事中だぞ。周りにも迷惑かかるだろうが。」
そういうと《剛》はハイハイと言いながら俺の隣に座って、パンを勝手に奪っていった。
そして俺がキレてちょっとした言い争いになる。まぁこれいつもの流れなんだが。
そうしていたら、アナウンスが流れてきた。
「第3部隊第8班の《斬》と《剛》は朝食終了後、教官室に来るように」
今まである程度注目されてはいたが、放送で名指しされた事は初めてだったし、当然《剛》も同じなもんだから、マジでびっくりした。
朝食が終わって、2人で教官室に向かって歩いていると、周りからチラチラ見られてなんか恥ずかしい。
そうしているうちに教官室に着くと、奥の方にある特別室に通された。
特別室に入ると、
「君達が《斬》と《剛》やな。噂は色々聞いてるで。」
目の前にいたのはなんと、ここMHSの創始者であり校長であり、そして日本4大財閥の1つ、黒鳥家のトップの黒鳥隆俊さんだった。
そして告げられたのは、次の言葉だった
「君らに、特別任務をやってもらおうと思ってん。」
「特別任務、ですか?」と俺が尋ねる。
「せや。君らには、C級ゲートのソロ攻略に行ってもらう。」
俺たちは驚愕した。普段の任務で、班でC級ゲートを攻略してもらった事ならあるが、1人で、というのは初めてだったからだ。だが、自分を育ててくれた親とも言える人からの直々の任務なので、断ることなどできるはずもない。そうして俺たちはこの任務を引き受けた。
「わかっているとは思うが、他言無用やで。ほな、期待しとるで。」と最後に言われ、俺たちは部屋を出た。
C級ゲートのソロ攻略。
この任務に俺はワクワクしていたが、あんなことが起きるなんて、想像もしてなかったんだ。
キャラ紹介
【《斬》 本名、死龍真】
関東地方を中心に勢力を広げる死龍財閥の次男。
スキルなし。
5歳という若さで捨てられ、MHSに入った。
現在17歳。誕生日は7月2日。
【《剛》 本名、不明】
スキル〔剛拳〕の使い手。めっちゃ男勝りな女傑。
現在17歳。誕生日は5月17日。
【《木葉》 本名、不明】
スキルなし。現在は忍びの修行中。
活発で明るい女の子。
現在16歳。誕生日は10月29日。
【《鷲》 本名、不明】
スキル〔飛翔〕の使い手。戦闘時は超好戦的。
現在19歳。誕生日は2月5日。
【黒鳥隆俊】
関西地方を中心に勢力を広げる黒鳥財閥のトップ。
現在47歳。誕生日は4月4日。
【MHS】
黒鳥財閥が作った身寄りのない子供達をハンターとして育てる機関。所在地は愛知県。




