vsボ厶ド
もう、一話完結を謳えるほど短くまとめられなくなったので、事案スタイルやめました。
そろそろ『続く』もやめようかな
「ここは―――」
二人と分かれ、謎の部屋に落とされたオキミ。
見渡すと一面灰色の無機質な空間だと分かる。
ピタリと。一点に視線が止まる。
ドアが一つだけあった。しかし彼は近づかない。
何かが迫ってきているのを感じたからだ。
ドアが開き、入ってくる。
それは、一輪車に乗ったピエロの人造妖怪だった。
人造妖怪が入ってきた途端にドアが閉まった。
「そんな不安定な状態で戦えんのかよ?」
「いけますよ、いけますとも。このボ厶ドに不可能などありません」
ボ厶ドと名乗る人造妖怪は自身の背後を指差した。
「今、そこのドアは施錠されています。ワタシに勝利すれば解錠され、この部屋から出ることができます」
一通り説明を終えると、今度はオキミの全身をまじまじと見つめた。
「オキミさんですね?なるほど。よく考えられた組み合わせだ」
「はあ?どういうことだよ」
ボムドは顎に手を当てる仕草をした。
「ワタシの予想が正しければ、斬之助はオグさん、マジリンはナルさんでしょう。それがどちらにも勝機があるであろう、組み合わせですから」
「そうなのか?」
「ええ。物理攻撃が多いオグさんには剣士の斬之助、妖術攻撃のみ使うナルさんには妖術使いのマジリン。それぞれの特性に合わせています。そして―――」
ボムドはボールを一個持ち、空高く上げた。
次の瞬間―――ボールが爆ぜた。
「は・・・・・・?」
「爆弾使いのワタシには、念力使いのオキミさん。大丈夫。あなたにもきっと、勝機がありますよ」
ボムドは口角をニィっと上げた。
その顔を見て思うことがあった。
(丁寧に対応してくるな。それが逆にムカつく)
睨みつけ、一歩一歩近づいていく。
「ナメてんじゃねぇぞ、ロボット風情が」
「フフフッ。近づいてきますか、そうしますか。ならば!ワタシも迎え撃ちましょう!」
ボムドがまた新たなボールを構えた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「そういえば、次郎達はどうしてここに?」
ここは人質達のいる別室。軟泡が次郎に尋ねた。
「僕達はここで作っている部品を仕入れさせてもらいたくて、商談しに来たんだ。そうしたら、なぜか別室で待ってるように言われて。待ってたら二人が入ってきたんだよね」
カモッシーは隣で、うんうんと頷く。
「ところで―――ひなとくんって今いくつ?」
次郎が前のめりになって聞いてきた。
「6歳です」
「へぇ〜、6歳かぁ。可愛いなぁ。えへへっ。また“孫“ができちゃったよ〜」
次郎は言いながら、ひなとの頭を撫で回す。
「孫・・・・・・?」
「次郎さんは年下を孫として可愛がるところがあるのですよ。彼からすれば、現代人なんて全員子供みたいなものですからなぁ」
「全員子供・・・・・・」
「うん。だからね。僕からすると剛くんも、毒太くんも、ルナちゃんもみ〜んな、子供なんだよね」
「へ、へぇ〜・・・・・・」
若干引いた。ルナなんて100歳くらいだと聞くが。
年齢のことで言うと―――
ひなとは次郎の顔を見上げた。
彼は見た感じ、30代くらいに見える。
「次郎さんは、おいくつなんですか」
「僕?僕は200、いや220?くらいかなぁ」
「聞いたのは体の方です!たぶん、亡くなられた時の年齢で止まってますよね」
彼の体のことは何となく想定がつく。
おそらく《再現粘土》に遺体の一部を入れて造った物なのだろう。
「ああ〜。31だよ」
「お若い、ですね」
「若いかなぁ?この前、角でぶつかりそうになった犬の妖の子に『おじさん気をつけてよ。危ないでしょ』って言われちゃったけど」
「ぼくからすると、30代はまだまだ若いんです」
「そうかぁ。ふふ、ありがとう」
ひなとは時計に目をやった。
ここに来て15分。まだ出られそうにない。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
場面はオキミとボ厶ドの部屋に戻る。
先ほど構えた爆弾を投げてきた。投球はあまり速くなく、余裕で避ける。
ボ厶ドはさらにまた2個、3個と投げてくる。
それらも避ける。だが、またすぐに爆弾が飛んでくる。
(質より量ってことか―――速度は速くないけど、連続でいくつも投げられるとキツイな)
避けつつ、ボ厶ドの攻撃を観察する。
狒々川のことはよく知らない。
今日初対面の奴が、どんなレベルのロボットを作れるかなんて―――そんなこと知るわけがない。
でも、奴だって完璧じゃないということは知っている。
欠けた存在から生まれたこいつも、当然欠けている。
絶対に隙になることが、欠点があるはずだ。
そう信じて観察していると―――一つ、分かった。
爆弾を投げてから次の爆弾を出現させるのに、2秒ほどかかっている。
たったの2秒。だが、反撃の余地はある。
オキミは被弾覚悟で、距離を詰めた。
ボ厶ドが爆弾を投げ、オキミは屈み、それを躱す。
さらに爆弾を用意しようとした、その刹那。
オキミが横から拳をぶつける。
たった一発。無防備で何の仕掛けもない、ただの拳。
だが、当たれば立派な攻撃。
ボ厶ドは左頬に拳を食らい、少しぐらついた。
しかし、一輪車から落ちることはなく。すぐに姿勢を取り直した。
「いっ―――たぁ!」
手に、骨に響くような痛みが残っている。
一方、ボ厶ドの方はピンピンしている。
「そりゃあ痛いでしょうよ。ワタシ、鋼鉄でできているのですよ?」
「く・・・・・・」
こいつに攻撃できるチャンスはたったの2秒。
そんな短い時間で、攻撃方法を選んでなどいられない。
もう、戦闘本能のまま殴ることしかできなかった。
「フフフ。しかしまあ、驚きましたよ。まさかこんな風に反撃してくるとは。やはり、あなたは肝が座っている」
ボ厶ドは感心したように、ゆっくり頷いた。
すると今度は一気に四つ、爆弾を手に持った。
「っ―――!マジか!」
それを二つずつ、腕を振るようにして投げた。
始めの二球を躱す。煙で見えなくなったところに、さらに二球飛んできた。
「くそ、喰らえ!」
手を伸ばし、【念力】を発動させる。
二つの爆弾は空中でピタリと止まった。
そしてオキミが指を動かすのに合わせて、ボ厶ドの方へ飛んで行く。
ボ厶ドは別に驚くこともなく避けた。
(あいつ、一度に爆弾を複数出すこともできんのか。もうこっからは避けるだけじゃ無理だな)
そう思い、ここからは反撃に転ずることにした。
再びボ厶ドが爆弾を投げる。それも六個。
オキミは念力を使い、それらを返す。
しかし当たらない。
そこからはボ厶ドが投げる、オキミが返すの繰り返しだ。
投げる、返す、投げる、返す、投げる、返す―――
「ああ!もう!くっそ!」
何だかむしゃくしゃして頭をかく。
まっっったく、なんにも進まない。
「短気なひとですねぇ。フフフ」
「うるせぇよ!」
息を荒く、肩を上下させながら考える。
ボ厶ドは一輪車の扱いに長けているらしく、爆弾が全く当たらない。ただヒラヒラと躱されてしまう。
つまり攻撃を当てるためには、まずは一輪車を壊さなければならない。
爆弾を一輪車に当て返そうにも、躱されてしまう。
こうなったら―――
オキミは手を開き、ボ厶ドに向けた。
「ん?一体何をなさるおつも―――ぐぁっ!」
言ってる最中、ボ厶ドは一気に壁際まで吹き飛ばされた。
何か衝撃波のようなもので攻撃されたのだ。
「今のは一体―――?」
「オレの能力が【念力】だけだと思ったか?他にもあるぜ。今のは俗に言う、サイコキネシスだ」
「正式名称は?」
「ねぇよ、そんなの。親父が死んだ今、世界で使えるのオレだけだし。そんな限定的な能力に名前なんか付かねぇよ。―――てかすごくね?だって世界で唯一の使い手だぜ?な?すげーだろ」
ヘヘッと笑みを浮かべ、鼻をこするオキミ。
ボ厶ドは「うぅぅ・・・・・・」と唸って悔しそうだ。
「ハハハ―――」
(あっぶねぇぇぇ!)
オキミの顔は笑っているが、心は焦っていた。
このボ厶ドの反応。気づいていないようだ。
先ほど鼻をこすった仕草。
実はそれは、出てきた鼻血を拭き取る行動だった、ということに。
自画自賛したのはフリだ。鼻をこする動きが自然に表れたように見せるために。
オキミは確かに【念力】以外の能力も持っている。
しかし、それらは【念力】と違って体に負荷がかかってしまうのだ。
氷を生み出す、炎を生み出す、体の一部を伸ばす。
こういった妖術の特徴を、【術の形式】と言う。
得られる術の形式は、遺伝や修行方法で変わってくる。
ほとんどの術は太古の昔からあり、特に自然物を具現化する物が多い。
一方、オキミのこの術は、父であるダイダラボッチのオリジナルだ。
彼の大きな体のエネルギーを、術の形式に変換して消費している。
能力としては、俗に言われる『超能力』。
しかし、これを成り立たせるには“体が大きいこと“が条件だ。
ゆえに体が人並みの大きさのオキミは、使うと同時に体に負荷がかかり、怪我を負う。
こういった都合がある以上、【念力】以外の能力は使いたくない。
さて、どうしたものか。
すると、ボ厶ドがボールではない物を取り出した。
ジャグリングのピンだ。
それをほいさほいさと投げて、ジャグリングする。
「何だよ、それ」
ジャグリングのスピードは加速し、目で追えないほど速くなった。
すると、一本のピンが高速で飛んできた。
「うおっ!」
ピンを避けようとするも、時すでに遅し。
オキミの1mほど手前で爆発した。
「ぐわあっ!!」
腕で顔を覆い少し姿勢を屈めたが、少し遅かった。
腕と顔に火傷を負った。
離れる隙もなく、残りの二本も飛んでくる。
今度は【念力】で止めて返そうとするも、ボ厶ドに当たる少し手前で爆発した。
「てめぇ・・・・・・」
「フフフフフ、これだけではありませんよ〜」
今度は細長いピンクの紐のような物を取り出した。
よく見ると、それは膨らませる前の風船だった。丸いタイプではなく、細長いタイプ。
ボ厶ドは息を吹き込んで、風船を膨らませた。
そして、目にも止まらぬ速さでプードルを作る。
完成すると手の平の上に乗せて、こちらに見せてきた。
「・・・・・・で?」
口からそんな言葉が漏れ出た。
さっきのはただ、風船プードルを作っただけ。
戦闘中の想定外の行動に、オキミも呆然として攻撃を忘れていたが。
向こうだって何もしていない。
「何がしたかったんだよ、お前」
ボ厶ドは答える代わりに、そのプードルを床に置いた。
すると、風船のプードルが歩き始めたのだ。
「は?」
のこのことゆっくり、オキミの方へと歩み寄る。
「は?は?はあ?」
呆然としつつも、ゆっくり後ずさる。
その動きに合わせて、プードルも近づいてくる。
1mほどの距離まで近づいてきた時、プードルが爆発した。
それだけではなかった。爆発と同時に、中から粘着質のピンクの液体が噴き出し、全身にかかった。
「うええっ!何だよ、これ!?」
拭おうとするも、ねっとりしすぎて取れない
「フフフフフ、それは狒々川の特製スライム。粘着力がとても強く、一度付いたら取れませんよぉ」
足首から何かがゆっくり流れ落ちる感覚がした。
見下ろすと、スライムが床とオキミの足をまるごと包み込んでいるのが見えた。
嫌な予感がする―――。
足を上げようと試みたが、全然持ち上がらない。
粘着力が非常に高く、どれだけ力を込めても上げられない。
「くっそぉぉぉ・・・・・・!」
それでも足を持ち上げようと、進もうとする。
「くっ、うぅ、ぐぅぅ―――」
ダメだ―――重すぎる。
「フフフ、無駄なことを。さて、そろそろ終わりにしましょうかねぇ」
ボ厶ドはボールを片手に6個ずつ、計12個持った。
「ぐっ―――」
一輪車のタイヤを少しずつ動かし、ゆっくり近づいてくる。
全て爆発されたら、無事ではすまないだろう。
このピンチ、どう切り抜けるか―――
考えていようが、容赦はしてくれない。ついにボ厶ドが目の前まで迫ってきた。
「オキミさん。体が丈夫なあなたなら死ぬことはないでしょう。まあ、敗北は確実ですがね」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
ボ厶ドは己の勝利を確信している。
最後に挨拶くらいしよう。それが礼儀というものだ。
「それではさようなら、オキミさん」
全てのボールを軽く放るように、オキミに投げる。
(爆発しろ)
ボ厶ドが脳内で爆破を命じたと同時にボールは爆ぜ、オキミの姿は爆煙に包まれた。
(意外と呆気なく終わったなぁ)
まだモクモクと立つ煙を眺めながら、ふとそんなことを考えている。
あまり戦った気がしない。こちらが一方的にいたぶっていた気もする。
唯一やられたと思ったのは、サイコキネシスだ。
もともと少ないオキミの戦闘データの中に、その情報は全く入っていなかった。
(まさか【念力】以外の能力もあるなんて)
てっきり【念力】で押してくるのだとばかり、思っていた。
「一発屋じゃなかったんですねぇ・・・・・・」
「誰が一発屋だ、クソピエロ」
後ろから彼の声が聞こえた。
「え―――?」
信じられない。
だってスライムで動けないはずで―――
振り返った瞬間、再び衝撃波にやられた。
今度は壁にめり込むくらい、威力が強い。
「ぐわっ!」
「てめぇ、よくもやってくれたな」
後頭部からボディが割れる音がした。そのせいか、ディスプレイの映像が乱れ始めた。
「どういうことだ―――」
睨みつけるようにオキミの姿を捉える。
彼はボロボロだった。
左足首が一周するくらい捻れているし、鼻から大量の血を流している。
どの怪我も爆発によるものではなさそうだ。
いつ、どこで、どうしてできたのか。
ボ厶ドは体を起こしながら考える。
「なんでオレが不意打ちできたのか、爆弾と関係ない怪我ができてるのか、そんなこと考えてんだろ?種明かししてやるよ」
「種明かし?敵に手の内を明かすと?」
どういうつもりなのだろうか。
意図の読めない提案に、少し身構える。
「そんな警戒すんなよ。こっちはもう、ボロボロ。満身創痍ってやつだ。説明しようと思ったのは、相手を納得させてから終わらせないと、オレの気が済まないからだぜ」
「そうですか」
「ふぅ―――」
オキミはため息を一つついて、説明し始めた。
「まず、12個の爆弾を攻略した方法はテレポート。いわゆる瞬間移動だ。で、そんときに足が捻れた。反撃はさっきよりも威力を高めたサイコキネシス。これが種だ」
「テレポートも使えたのですか」
「いや、本当はもっと色々使える。世間が言うところの『超能力』がオレの術の形式だ。ただし。使うと体に負荷がかかって、怪我を負うことになる」
「超能力・・・・・・なるほど」
ボ厶ドは納得したように見せた。
しかし、本当は超能力がどんなものなのか、よく分かっていない。
中にあるデータには『超能力』の情報が一切ない。
そして、自分達には検索機能が備わっていない。
オキミの言い方からして、超能力は様々な異能の総称と考えられる。
今分かっているのはサイコキネシスとテレポート。
彼が言うに、まだ他にも存在するようだ。
能力が分かっていない以上、相手に攻撃の隙を与えたくない。
こうなったら―――自爆してやる。
実は、ボ厶ドの下腹部には自爆装置が入っている。
オキミに近づき、己の上半身と下半身を切り離した瞬間に、装置を起動する。その後すぐに、胸部に内蔵されている車輪を出して彼から遠のく。
こうすれば、オキミだけが爆発に呑まれ、こちらの勝利となるという寸法だ。
ボ厶ドが覚悟を決め漕ぎ出そうとした、その時。
トマトのような、水気を帯びた物が潰れる音がした。
「ぐっ―――!」
突然、オキミが苦しそうな声を出した。
左目から大量の血を流しているのが見えた。
すぐに理解した。何かしらの能力を使ったのだ。
「何を使ったんですか」
「千里眼だよ、千里眼」
千里眼。もちろん分からない。目に関する能力だと予想はできるが。
すると、今度は手をこちらに伸ばしてきた。
手の平を向けている。まるで何かを放つように。
「何をするつも―――」
「全霊砲!」
オキミが唱えた瞬間、彼の手の平から青白い光線が飛び出し―――ボ厶ドの胸を貫いた。
『バッテリーが損傷しました 機能停止』
バッテリーの損傷を知らせる警告と、機能停止の通知がディスプレイを埋め尽くした。
(ああ、やられた・・・・・・)
ボ厶ドはゆっくり前に倒れた。
「やった・・・・・・のか?」
オキミは慎重に、動かなくなったボ厶ドに近づく。
左足を引きずりながら。右腕を押さえながら。
軽く左手でペチペチと、起こすように叩く。
「おい、起きてんのか?それ演技か?マジか?」
反応はない。
「おーい!悔しかったら起きてみろよ!」
大声で煽ってみた。それでも反応はない。
どうやら本当に動けないらしい。
(勝った?オレが、勝った・・・・・・のか?)
信じられなかったけれど。
動かないボ厶ドを見ているうちに、じわじわと実感が湧いてきた。
勝てたのだ。爆弾使いの人造妖怪に。
嬉しいのに、何も言葉が出てこない。
自分が、人生のほとんどを人間として生きてきた自分が。
妖怪に勝ったのだ。それも初めて―――
「ひぐっ!!ああああああああ!!」
安堵と喜びに浸っていると、忘れていた激痛がやって来た。
それだけじゃない。
「はあ、はあ。はあっ―――」
必死になって足りない酸素を取り込む。
今の彼はそれくらい疲弊していた。
最後の全霊砲は、己のエネルギー全てを一つの光線に変換して放出する攻撃だ。
下手をしたら死ぬ可能性もある、彼の最終手段。
(体がおも・・・・・・い)
ふっと糸が切れたように静かに倒れた。
瞼がゆっくり下りてくる。
(ダメ、だろ・・・・・・立って歩いて、ドアから出ねぇと。でももう、動け、ねぇ―――)
残り少なかったエネルギーもぶっ放してしまった。
そのため、彼の体は何よりも休息を優先している。
オキミの意識はそこで途切れた。
▲ ▲ ▲ ◆ ▲ ▲ ▲
「あ〜。潰れちまったかぁ」
別室でオキミの様子を観ていた、剛が呟いた。
「お〜い、輪尾。オキミを運んでやれ」
「承知いたしました」
秘書の輪尾に、オキミを運ぶよう指示を出す。
「ん〜。まさかボ厶ドが、こんなにもあっさりやられるなんてな。オキミの奴、結構やるなぁ」
オキミの能力に感嘆しつつ、画面を切り替える。
そろそろ、あいつが部屋に到着した頃だろう。
実は人造妖怪達の入室時間をずらしてある。
理由は単純、三試合を同時に観られないからだ。
「さぁて、あいつはどうなるかなぁ?」
空になった湯呑に煎茶を注ぎ、再び画面に注目する。
覚えていますか?《再現粘土》。
気になる方は『彼は何処に』をお読みください。




