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臆病な魔法使いは、小学部で目立たず生きたいのに巻き込まれていく ――言えなかった想いが、少しずつ世界を変えていく  作者: 南山


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第50-1話 雪合戦~二年生の挑戦 作戦会議

ガイルのトラブルを切っ掛けに、

「実力と作戦」で雪合戦に挑むことになった二年生。

クラスは同じ方向を向き、三年生との試合に挑みます。


でも、うまく行かないこともあり……。


さて、立てた作戦は通用するのか?

いつものように ドタバタと大騒ぎになるのか?


騒がしい一幕ですが、一緒に楽しんでください。


――作戦――



外では、雪が静かに降り続いている。

教室のストーブはあたたかく、窓ガラスは白く曇っていた。

大粒の結露が窓を伝い、静かに窓枠を濡らしている。


二年生の教室では、雪合戦大会に向けて作戦会議が始まっていた。


レオが腕を組む。

「じゃあ......みんなで作戦を考えるか」

するとガイルが手を挙げた。

「突撃!じゃ、ダメなんだよな?」


「当たり前でしょ」即座にエマがツッコむ。


クラスのあちこちから笑い声が上がった。


ケントが思い出したように言う。


「去年はどうだったっけ?」


「ダミー壁だな」

レオが答える。


土魔法を応用して、雪の壁をいくつも作った。

旗を守るための防御壁だ。


「迷路型のカマクラも作ったよな」

「あーあったあった」

思い出したように声が上がる。


カマクラは、前日に小さな炎魔法で軽くあぶり、

夜の冷気で凍らせて強度を上げていたのだ。


「去年、先輩たちの攻撃はどんな感じだった?」


レオが少し真剣な顔で聞いた。

「俺さ、自分たちで精一杯でさ……。

先輩の作戦まで見てなかったんだ。

誰か知ってる?」


するとミナが手を上げる。

「今の三年生なら、お姉ちゃんがいるって言ったでしょ。

今年は違う作戦らしいわよ。

教えてくれないけど」


みんなが顔を見合わせた。


「雪壁っていくつ作っても別に決められてないよなあ」

「そう。時間内に旗を取った方が勝ちだから。」

「戦っている相手のカマクラを壊すことは良いけど、

他の学年の陣地のカマクラは壊したら即失格だったよねえ。」

今年の作戦も気になるが、ルールの確認も大事だ。



――今年はどうする――



「僕、できることある?」ユウトがオズオズと横からいう。

「......雪玉なら作れるかも。去年もやったよ僕。」

雪玉作りは試合開始と同時だ。

事前準備はできない。それがルールだ。

狙われにくいが、ものすごく忙しい役目だ。

「決まりだな。頼むよ」

レオが大きく笑った。


レオとガイルとケントは、前線に出る前衛となる。

攻めつつ旗も取りに行く。


オリバーとエマ、リリカはその後ろで指示を出しつつ後衛と、陽動も行う。


ユウトは一番後ろで雪玉を作る。

ルーカスとミナは雪玉の補給。


役割が決まった。


「動きは流動的に頼む。 相手は十人。俺たちは九人。カバーするしかない!」

レオが言うと、みんなでうなずいた。

「分かってるよ!」

「やるか!」




――練習――



自分たちの区画にカマクラを作り始める。

レオが壁を作る、そのまま壁から天井まで壁を曲げる。

「そんなこともできるの?」オリバーが驚く。

「家で練習したんだよ」小さな声で呟く。

壁も去年と比べて固い。

立ったまま出入りできる大きさの、雪の部屋ができた。

……これは カマクラというより。

出来栄えに見惚れてしまう。

エマも雪の壁を触ったり天井を見たり。レオを見たり……。

目線が熱っぽい気もするが、レオは全く気が付いていない。

……見守るのがいいかな。


ユウトが雪玉を作る。

雪玉作りがうまくいかない。

手が冷たい。「去年も確か冷たかったね。そういえば」

ユウトは そばのロウソクに火をつける。

「これで少しはいいかな」

手をあぶりながら雪玉を握る。


レオとガイル、ケントは前線だ。

雪壁を作って相手の雪玉を避ける。

少しずつ前に壁を作って前進していく作戦だ。

「まずはレオが先な。そんで小さくてもいいから壁を作ってくれ」

「分かったよ。ケント」


オリバーとエマ、リリカは前衛を守る。

レオ達が進みやすいように、相手を見ながら援護する。

相手の気をそらすようにレオ達と逆方向に飛び出したりする。

ここに女子が二人入った。

エマは積極的で判断が早そうだ。

リリカは静かに状況を見ているがその後の判断は的確だ。

オリバーは気恥ずかしさよりも、エマとリリカの動きに注目してしまう。


ただ、問題はあった。

雪壁作りが、レオの壁とガイルの壁に差ができて、ダミー壁にならないことだ。

去年はレオもみんなも壁が粗く、手でも簡単に壊せた。

「迷路は迷路のままにしておこうか。

陽動で誘いこんで味方だけ出るのは難しいかなあ」オリバーが小首傾ける。


「何だかうまくいかないね。」

「二年生じゃまだ勝つのは無理かも。」

「個人の力は上がっても作戦が立てられないのは致命的だよ」

そんな声も出てくる。


「やらなきゃ分かんない。まだ負けたわけじゃない。」

とガイルは校庭の隅でひたすらに 雪壁を作っていた。




――ひょっとして――



ガイルの雪壁とオリバーの雪壁。

レオと比べると違いは歴然だが、ガイルとなら。

いける。見た目似ている。

オリバーの壁はガイルの壁より少し柔らかい。

だからこそ、ダミーに使える。


ダミー壁+迷路作戦いけるかも。

陽動も使って誘いこむ。

オリバーはレオとケント、エマ、リリカにそっと 耳打ちをする。

みんなの目が驚き、そして次の瞬間、光った。

さて当日の朝は雪。静かに降っていましたが大会が始まると一変吹雪に。

その中に何か黒いものが飛んで?


試合は作戦通りいくのか?

三年生の動きを見て作戦を変更するエマ。

リリカも頼もしい。


またもやガイルがしでかして?


寒い冬の中、暖かな いや熱い気持ちになるオリバー。


二年生は少しずつ子供から少年に変わる時期。

九人のクラスメイトも少しずつ成長していきます。


お楽しみに

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