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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第3章 雪雪危機一髪!

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第079話 村長です


魔物(まもの)と取引だと? ふざけたことを。そもそもそんな保証がどこにある。そいつらが冒険者(ぼうけんしゃ)たちを(おそ)わないという証拠(しょうこ)など、どこにもありはしない」


「だからこそ、(わたし)とローリエ殿(どの)がいるのだ。双方(そうほう)の証人として、我々(われわれ)見届(みとどけ)人となって契約(けいやく)を結べばいい。そうすることで、一方的に契約(けいやく)破棄(はき)することはできなくなる。お前たちもそれで良いのだろう?」


 マーロンさんの質問に、シルシルが深く(うなず)いた。しかしまさか魔力(まりょく)を用いた契約(けいやく)まで持ち出すとは思っていなかったのか、「ちっ」と舌打ちするテーブルが面食らっているのがよくわかった。


双方(そうほう)にメリットはあるはずだ。マイルネとしては南国へすぐにでも間者を送りたいが、(かれ)らウルフの存在(そんざい)がネックとなっていた。しかし(かれ)らとて、それが本意ではない。これまでの行いの罪が晴れるというのなら、これ以上の障壁(しょうへき)にはならないと約束してくれた」


「ふん、しかし南へ()ける冒険者(ぼうけんしゃ)(おそ)えなくなったのなら、(やつ)らはこれからどうするつもりだ。()扶持(ぶち)もなく、帰る場所もない者が、一体どうして生きていける!? 十中八九、別の場所に移って冒険者(ぼうけんしゃ)(おそ)うだけだ。それではなんの解決にもなっていない、(ちが)うか?」


 (いきどお)ったテーブルがヒートアップしているのを見計らって、(おれ)はタイミングよくパンと一つ手を(たた)いてやる。「なんだキサマ」と不機嫌(ふきげん)(かれ)を「まぁまぁ」となだめた(おれ)は、(かれ)らに一つ提案をしてみせる。


「そこで皆様(みなさま)におひとつご相談が。そんな行くアテがなくなってしまった(かれ)らについて、どうか()が村に連れていく許可をいただけませんか。もちろん、まだ定住すると決まったわけではありませんが、その終着点に向けて前向きにお話をさせていただきたいなと思っており。どうです、悪い話じゃないですよね?」


「なん、だと? ……ボアに続き、貴様(きさま)らウルフまで(かこ)()もうというのか。フン、馬鹿(ばか)げている。そんなことが可能なものか!」


「しかし(かれ)らは(われ)らと(おもむ)くことを同意してくれた。()が村の者たちが同意することが条件ではあるが、(わたし)たちとしては(かれ)らにも村に定住してもらいたいと考えている。当然そうなれば、これまでと同様、マイルネの町とは相互(そうご)の関係として良い付き合いをしていきたいと思っている。どうだろう、考えてもらえぬか?」


 マーロンさんの提案に、シルシルは絶対服従(ふくじゅう)を示す腹這(はらば)いの格好で(おれ)に頭を()でられながら(うなず)いた。そのあまりに不可思議な光景にローリエさんは目を回すばかりで、もはやフラフラのグロッキー状態だ。ごめんなさい、ローリエさん!


「どんな方法を使ったか知らんが、シルバーグロウウルフまでも懐柔(かいじゅう)したというのか……。ふざけた(やつ)め」


 な~んて口では色々言ってるものの、残念ながら(おれ)は知っている。

 この提案は、(かれ)らギルドにとって(わた)りに船。面倒(めんどう)事が一つ解決できるうえ、何よりギルドも町も余計な損害を(こうむ)らなくて()む。だが、これだけではまだ弱い。そこで(おれ)は一本指を立て、(かれ)らに追加の提案をしてみせる。


「ならばもう一つ、こんなのはどうでしょう。南の国へ向かうマイルネの面々に、(かれ)らウルフの仲間を同行させましょう。(かれ)らの機動力は人や馬と(ちが)って雪道でも関係なく歩を進めることができます。何より(かれ)らの動きはとても速い。マイルネの間者を運ぶには、(かれ)ら以上の適役はいないと思いますよ」


「なに? そ、そんなことが可能なのか」


 シルシルに話を聞くと、事も無げに(うなず)いてみせた。「問題ないそうです」と返事したマーロンさんは、(おれ)に目で合図をしながら改めてテーブルに質問した。


「もう一度聞きます。(かれ)らに間者の邪魔(じゃま)をさせない代わりに、これまで述べた条件を(みと)めていただけませんか。もちろん町に迷惑(めいわく)をかけませんし、何かあれば我々(われわれ)も責任を負います。ですからお願いです、(かれ)らの願いを聞き入れてください、お願いします!」


 深々と頭を下げるマーロンさん。

 ぴょんと彼女(かのじょ)の前に飛び出したポンチョも、同じように頭を下げた。……まったく、そんなことされたら(おれ)もやらないわけにいかないじゃんよぉ。ぺっこり90度!


「……ちっ、どうしてアンタらが、魔物(まもの)であるそいつらのためにそこまで。魔物(まもの)が死のうが()えようが、アンタらには関係のない話だろうが。(ちが)うか!?」


「確かにそうですね。……ただ、(わたし)(わたし)(たよ)ってくれた者たちを無碍(むげ)見捨(みす)てることをしたくない。それだけです」


 うわっ、マーロンさんイケメン!

 ……じゃない、イケジョ! (おれ)()れちゃいそうです!


「アンタがどう思おうが、そんなのはアンタの勝手だ。後で(いた)い目をみようが、殺されようが、(おれ)は知らん。悪いがこの件、ギルドとしてはアンタらのことについての保証はしかねる。よってギルド側は一方的にそっちの提案を享受(きょうじゅ)することにはなるが……、それでいいならのんでやる」


「構いません。我々(われわれ)はギルドが(かれ)らをターゲットとしないことを約束いただけるのなら、それだけで……」


「いいだろう、しかし勘違(かんちが)いするなよ。もしお前らがおかしな行動を取れば、そのときは直ちにギルドの冒険者(ぼうけんしゃ)を動かす。何より当然契約(けいやく)()わさせてもらう。口約束では意味がないからな」



 こうして双方(そうほう)同意の上で()わされた契約(けいやく)によって、シルシルたちの村への移動、(およ)びギルドによる身元の保証(※無干渉(かんしょう))が(みと)められた。しかもギルド側としては移動手段(しゅだん)+同行する間者の安全保証付きとなり、これ以上ない条件のはずだ。


我々(われわれ)のわがままを聞き入れていただき感謝する。ローリエ殿(どの)も、いつも無理を言って()まないな」


 マーロンさんの謝罪にプクッと(ふく)れたローリエさんは、ポンチョを(かか)え、「なんだかもう慣れてきましたよ!」と嫌味(いやみ)に言った。するとそこで、「あっ」と声を上げたマーロンさんが、二人(ふたり)に伝えることがもう一つありましたと付け加えた。


「な、なんだよ。まだ何かあるのか。そろそろいい加減にしてくれ……」


()が村について、このたび新たな村長を(むか)える運びとなりましたのでご報告を。こちら、()が村の村長となりましたハクです。以後お見知り置きを」


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