表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第6章 みんな大好きモコモコ村!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

309/312

第309話 下層域とはこれ如何に


「ハァァァッ!?」と(やかま)しいニコルと四バカをシルシルの背中(せなか)にくくりつけ、やはり自分たちも連れて行けと(すが)るルンゲたちを超硬化(ハードニング)硬直(こうちょく)させる。そして「町のことはお願いします」と(かれ)ら全員に頭を下げ、堂々と出発します。


 目指すは『源初(げんしょ)回廊(かいろう)』の最下層(さいかそう)。木の根が広がった地中深くにのみ生成されるという『カリチノニウムの結晶(けっしょう)』を最終目標としたダンジョン攻略(こうりゃく)が始まります。しかしダラダラしている時間はありませんので、ナルハヤで攻略(こうりゃく)を進めてまいりましょう!


 居住区で数日分の食材を購入(こうにゅう)した(おれ)たちは、その足ですぐさま回廊(かいろう)の入口に立った。各々が入口に()を向け、高台から望む美しい風景を(なが)めながら、「どうか無事に(もど)ってこられますように……」と手を合わせる。そうしていると不意に何者かが声を()けてきた。


「おやおや、(だれ)かと思えば、生意気なご貴族(きぞく)様と貧乏(びんぼう)冒険者(ぼうけんしゃ)諸君(しょくん)ではありませんか。ルンゲなどという(おろ)(もの)のために、わざわざこんな場所に入ろうだなんて、これまた(おろ)かな話ですねぇ?」


 雁首(がんくび)(そろ)えていたのはララバイと数名の衛兵たちで、どうやらわざわざサヨナラを言いにきたらしい。

 (うれ)しそうに(はら)の肉を()らして高笑いした男は、四バカとニコルの顔を一瞥(いちべつ)するなりプッと()()し、部下の衛兵と目を見合わせ、足を()()らして爆笑(ばくしょう)した。


「これは滑稽(こっけい)だ、まさかこの者たちと下層(かそう)を目指すだと!? お仲間はFランク冒険者(ぼうけんしゃ)に毛が生えた程度のザコと、トリの獣人(じゅうじん)だけときたものだ。これは可笑(おか)しい、いちいち笑わせてもらえますなぁ、ハッハッハ!」


 笑いすぎて(なみだ)(ぬぐ)ったララバイは、フゥフゥ呼吸(こきゅう)を整えながら失礼と前置きし、わざとらしくも深々と頭を下げて挨拶(あいさつ)をした。そして悪意に満ちた目を向け、「期間はこれより一週間、是非(ぜひ)無事にお(もど)りくださいませ」と真顔で述べ、もう一度部下たちと声高(こわだか)爆笑(ばくしょう)しながら帰っていった。


「なんなのよあれ、根性(こんじょう)から全部(くさ)ってるわね」


 (こし)に手を当てて(いきどお)るマーロンさん。

 あの(あお)りっぷりにはニコルや四バカも(はら)が立ったらしく、先程(さきほど)までの不安はどこへやら、鼻息(あら)(おこ)っているようです。

 しかしまぁ我々(われわれ)がすべきことは一つです。ララバイが絶対に不可能だと信じて提示したアイテムを、一週間で根こそぎ手に入れてやる。そして高笑いしている野郎(やろう)の鼻先に()きつけ、最後はこっちが全員で高笑いだ!


「よぉし、それじゃあ行こうか!」


『ヨッシャー!』と全員が声を合わせて右手を(かか)げる。

 良くも悪くも、全員の心が一つにまとまったのは不幸中の幸いかな?


 こうして(おれ)たちは、たった一週間という短期間で、近隣(きんりん)諸国(しょこく)屈指(くっし)難関(なんかん)ダンジョンである『源初(げんしょ)回廊(かいろう)』の攻略(こうりゃく)へと乗り出した。

 しかし当たり前といえば当たり前だが、一筋縄(ひとすじなわ)ではいかない事態が待ち受けていることなど、この時の(おれ)たちには知る(よし)もなかった――



    ★ ☆ ★ ☆ ★



 出発から一日後 ――



 見覚えのある景色(けしき)辿(たど)った先に、これまでの明るさとは打って変わったような(やみ)が広がっていた。緊張(きんちょう)か、それとも武者震(むしゃぶる)いか、軽く(ふる)える(くちびる)()んだ男は、欠けて切れ味の悪い(けん)片手(かたて)(やみ)(おく)見据(みす)えていた。


「……な~んて(ひた)っているとこ悪いんですが、キミら四人、ちっとも役に立たないじゃないのよさ。うわ~とか、ひえ~とか、()げて悲鳴あげるばっかで、それでも本当に冒険者(ぼうけんしゃ)なの?」


 シュンと(かた)を落とす四バカと、ただひとり(かれ)らに同情しているニコル。

 よくよく聞けば、(かれ)らは回廊(かいろう)のほんの上層(じょうそう)にしか入ったことがないらしく、道案内どころか足手まといにしかならず、常に魔物(まもの)(おび)える子羊状態だった。


「だ、旦那(だんな)ぁ、無茶言わねぇでくださいよ。(おれ)たちゃこう見えて、本当にそのへんにいる冒険者(ぼうけんしゃ)なんすよ。アンタらみてぇなバケモノとは(ちが)うんだ!」


 反論(はんろん)したバーサムに(はげ)しく同意する三人+ニコル。

 しかしそれにしたってザコすぎませんかね……。


「お店では生意気に(から)んできたくせに……」


 マーロンさんにトドメの一撃(いちげき)()されてグロッキーな四人がズゴンと(ひざ)を落とした。しかしそんなことはどーでもいいので、さっさと先へ進みましょう。


 通路が暗くなっていくにつれ、先日初めて千年樹に足を()()れた(あな)底が近付いていることを再確認(かくにん)する。ニコルや四人は「ここでハグレる=死」を自覚しているため、一時たりとも油断する素振(そぶ)りはみられない。可能でしたら、いつもそれくらい緊張(きんちょう)していただきたいものです。


「にしても(あに)さん、アンタどうして一切(いっさい)迷わずここまでこれたんです?」


 ランドの疑問(ぎもん)にニコルも同調する。


「そんなの簡単(かんたん)さ。一定距離(きょり)ごとに進路の目印を付けてあるんだよ。もし目印を(こわ)されても、シルシルに(にお)いで(さぐ)ってもらうだけだけどさ」


「目印ぃ? そ、そんなもん、どっかにありました!?」


 (かべ)を指さし、以前自分がつけておいた岩盤(がんばん)()()み(※(かべ)を加工した)に()れ、コレだよと教えてやる。


「コレだよって、こんな()()み、そこら中にあるじゃねっすか!?」


「いや、ちゃんと魔力(まりょく)付与(ふよ)してあるし」


「ハァ? 魔力(まりょく)って、そんなもん普通(ふつう)見てもわかんねっすよ!」


 ウンウンとニコルも(うなず)く。

 どうやらこれはアレだな。また自分が特殊(とくしゅ)であることがバレる原因になりそうだ。今後は気をつけよう。


 しかしそんなことはどーでもいい。

 目印にしていた(かべ)のキズがなくなり、自分たちが(あな)底に到達(とうたつ)したことを知る。いつしか周囲は完全な(やみ)に包まれ、通路も少しずつ(せま)くなっている。いよいよだね。


「ようやくスタートラインといったところか。村長殿(どの)、……はいいとして、貴様(きさま)ら、これより先は何が起こるかわからぬ。決して気を()かぬことだ」


 小型化したシルシルが4+1人を鼓舞(こぶ)し、「ハ~イ!」とポンチョが返事をした。そこには(いん)(よう)の見事なコントラストが()かんでおり、(おれ)は思わず顔を反らして笑いをこらえた。

 松明(たいまつ)(くわ)えたシルシルを先頭に、回廊(かいろう)の〝合流点〟に到達(とうたつ)した(おれ)たちは、いよいよ千年樹の地下、下層(かそう)(いき)へと足を()()れるのだった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

もし少しでも面白いと思っていただけましたら、

評価やブックマーク等を頂けますと励みになります。

多分ポンチョも喜びます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ