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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第6章 みんな大好きモコモコ村!

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第307話 二言はない!


 やっぱりだー!!

 ちょいとマーロンさん、アナタ勢いに飲まれて何を言っちゃってるんですか!?

 アタシたち、他国の部外者なんですよ!!?


「ちょ、ちょ、ちょ、ストーップ。マーロンさん、少し落ち着きましょうか!」


(わたし)は落ち着いている。ララバイ殿(どの)、その条件はこの(わたし)が責任をもってお引き受けしますわ」


「タンマタンマ。その話ストップ! おいオッサン、この話は一旦(いったん)なしで!」


 こちらの制止を無視しマーロンさんを品定めしたララバイは、ニタァと卑猥(ひわい)()みを()かべながら「ほほぅ」と(つぶや)く。あかんて、アタシら、そんなんしてる場合やないんですって!?


「なるほどぉ、獣傑(じゅうけつ)狩人(かりうど)様が、小奴(こやつ)らゴミクズのために一肌脱(ひとはだぬ)いでくださると! これはこれは、(たみ)思いのご貴族(きぞく)様ですこと。さすがは公国の(たから)でございますなぁ」


 パンパンと手を(たた)き、「望むところだ」と鼻息(あら)く顔を()()けたマーロンさんと視線(しせん)を交差させるララバイ。ダメだ。魔物(まもの)が相手なら言った言わないは誤魔化(ごまか)せるけど、相手がヒューマンじゃ、どうやっても誤魔化(ごまか)せない!


 ルンゲを一瞥(いちべつ)してウヒャヒャと高笑いしたララバイは、「ご貴族(きぞく)様に礼を言わんとなぁ」と男の(かた)(たた)き、ご満悦(まんえつ)に目を見開いた。


「まさかまさか、獣傑(じゅうけつ)の二つ名を持つ貴方(あなた)様に二言はなかろうな?」


「二言などない!」


 デコを()()わせて(にら)()いを始める両者。

 えらいこっちゃ、えらいこっちゃやで!


「これはこれは、()()()()()()()があって以来、お国に明るい話題がなかったものの、これは久しく愉快(ゆかい)なお話だ。わかり申した、貴方(あなた)様の提案を受け入れましょうぞ!」


 いや、待てって!

 そんな提案、受けてもらっちゃ(こま)るんですけど!?


(わたくし)どもが求める項目(こうもく)については、また後日改めさせていただきます。もうしばしお待ちいただけますよう。……獣傑(じゅうけつ)の、ともあろう御方(おかた)が、よもやお()げにならぬよう」


「くどい!」と念を()したマーロンさんの言葉に満足し、ララバイは大層(たいそう)満足そうに全身を(ふる)わせ喜びを表現しながら兵を引き上げ帰っていった――



 しかししかし、これは(こま)ったことになってしまった。

 ただでさえ時間がないのに、まさかの足止めに加えて、ガッツリ他国の国政に(かか)わることになってしまった。キュリオス王国のことだけでも大概(たいがい)なのに、また別の第三国にまで喧嘩(けんか)を売るなんてどうするつもりだよ!?


 しかしルンゲの肩代(かたが)わりをすることになったマーロンさん自身は気にする素振(そぶ)りもなく、「どんな無理難題(むりなんだい)を言ってくるのかしら」と去っていくララバイの姿(すがた)を遠く見据(みす)えている。まったくこの人は……。

 ですが、ちゃんと(くぎ)()すところは()しておかねばなりません。(かた)を上下させて興奮(こうふん)している彼女(かのじょ)(かた)をポンポンと(たた)いた(おれ)は、彼女(かのじょ)のオデコにポーンとチョップし、目の前に人さし指を立ててやる。


「マーロンさん、……(おれ)の言いたいこと、わかりますよね?」


 オデコを()さえながら正気に(もど)った彼女(かのじょ)は、周囲の視線(しせん)状況(じょうきょう)を見回してから、シュンと(かた)をすぼめ、「……ごめんなさい」と謝罪した。


「まったく……。どうして貴女(アナタ)はいつもいつも」


 そうして説教を始めようと思いきや、「悪いと思ってます」と(うつむ)彼女(かのじょ)

 しかしそんな彼女(かのじょ)に対し、突如(とつじょ)(ひざまず)く人物がいた。それはルンゲとその()()きで、中には(なみだ)を流しながら忠義(ちゅうぎ)を示すように片膝(かたひざ)をつき、頭を下げている者もいる。……どうしたの?


「よもや貴方(あなた)様が隣国(りんごく)の高名なる冒険者(ぼうけんしゃ)獣傑(じゅうけつ)狩人(かりうど)様だとは存じ上げず、(われ)ら何たる無礼を。(つつし)んでお()び申し上げます」


 だがルンゲはどこか複雑な表情で、ララバイ襲撃(しゅうげき)が失敗に終わったことをまだ()いているのだろう。(わず)かに(かた)(ふる)わせながら(うつむ)いたままだった。

 しかしその時、(おれ)たちの前に()って入る者がいた。そいつは(ひざまず)くルンゲの前に立つと、男の襟首(えりくび)をたくし上げ、思い切り(ほお)を張った。そしてさらに両(えり)(つか)み、「アンタ、何考えてんのよ!?」と(なみだ)ながらに(さけ)んだ。


「に、ニコル……」


「アンタ、死ぬ気だったでしょ。どうして、どうしてアンタはいつもそうなの!?」


 もう一発、重たい一撃(いちげき)が男の(ほお)(たた)く。

 地面に()()した(かれ)をそのままに、改めて(おれ)たちの前に直立したニコルは、深々と頭を下げながら言った。


「この人のこと、助けてくれてありがとう。……アンタたちには本当に悪いことをしたと思ってる。だけど、もうアタシには頭を下げることしかできない」


 (ほお)を伝う(なみだ)が地面に落ちる。

 するとマーロンさんは、「(わたし)(わたし)の思うままのことをした。それだけよ」と彼女(かのじょ)の目も見ずに答えた。いつもながらのイケメンぶりです。


「いいえ、それだけじゃアタシの気が()まないわ。……アイツがどんな難癖(なんくせ)をつけてくるかわからないけど、アタシも命を()けてアンタたちの手伝(てつだ)いをするわ。任せてよ!」


 任せて、と言われましても。

 唖然(あぜん)とする(おれ)とは対照的に、マーロンさんは彼女(かのじょ)(かた)にそっと()れ、「ありがとう」な~んてさ。

 うぐぅ、これじゃあ(おれ)だけ文句を言いづらいじゃないか!


 などと心の葛藤(かっとう)()(かえ)していると、ニコルが思い出したように「あっ」と声を上げた。そしてマーロンさんの(かた)(つか)み、「アレはどういうことだったのよ!?」と質問した。


「アレって……?」


「アレはアレよ。あの()()()()()よ。どーして武器が、全部花火になっちゃってたの!?」


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