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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第6章 みんな大好きモコモコ村!

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第304話 愚かな作戦


(ひど)い……」と絶句するマーロンさん。

 だからこそララバイを(たた)いてほしかったとこぼすシーリカは、それも(かな)わないと(あきら)めて天を(あお)ぐ。そして……。


「アタシらは他国の冒険者(ぼうけんしゃ)だ。安いとはいえ、仕事をもらえるだけまだいいよ。だが商業区の(やつ)らはそうもいかねぇ。国のためって大義名分を(たて)に、食いもんを得る(すべ)がない(やつ)らを、さらに安い金でこき使ってやがんのさ。しかもそれをしてんのが、かつて仲間だったはずのララバイときたもんだ。……で、ルンゲの(やつ)が立ち上がったってわけ。必然だろう?」


 (すべ)てを嘲笑(あざわら)うかのようにクククとこぼすシーリカ。「何が可笑(おか)しいの!?」と(いきどお)るニコルを()しのけ、「これが笑わずにいられる?」と両手を広げた。


「まさかアンタら、ララバイの(やつ)が気付いてないとでも思ってんの? ルンゲも馬鹿(ばか)(やつ)だよ。まさか今日(きょう)最期(さいご)になるとも知らずにさぁ」


「最後……? 最後って何よ!?」


「言葉の通りよ。アイツはルンゲが武器を(かく)()ってることも、打って出ようとしてることも知ってんのさ。満身創痍(そうい)なバカ共の計画なんて、全部筒抜(つつぬ)けさ。そんなバレバレの計画、野郎(やろう)見逃(みのが)すとでも思う?」


「こうしちゃいられない」とニコルがルンゲを(さが)して()けていった。「(ひど)い」と(つぶや)いたマーロンさんに、「ひでぇよな」と(うなず)いたシーリカは、「だからといって」と項垂(うなだ)れた。


「国の主導権(しゅどうけん)は完全に(にぎ)られちまってる。そのうえ情報まで筒抜(つつぬ)けじゃあ、打つ手すらねぇよ。……もう()んでんのさ」


 だからこそ、状況(じょうきょう)を打開できる何かが必要だったと()めたシーリカ。

 どうやら彼女(かのじょ)はその役目を(おれ)たちに望んでいたみたいだけど、それはさすがに無理ってものだ。

 もし(おれ)(かか)われるとすれば……。


「だからって犬死にさせるわけにはいかないよ。悪いんだけど、少し手伝(てつだ)ってもらえるかな」



 (あわ)てるニコルの襟首(えりくび)(つか)まえて回収(かいしゅう)した(おれ)たちは、いよいよ行動を開始させる。気怠(けだる)そうに(おく)れてやってきた四壁(しへき)の三人に概要(がいよう)を伝えた(おれ)は、いよいよ(せま)った時計(とけい)(はり)見据(みす)えた。すると時間きっかりになって、町の中央にある広場の方角から多数の咆哮(ほうこう)(ひび)(わた)った。


「じゃあ四人とも、手筈(てはず)通りに(たの)んだぞ」


「いや、(たの)んだじゃねっすよ! そんなのあっしらじゃどーにも!?」


「いいから(だま)ってやる。(たの)んだぜ」


 四人を持ち場に散らした(おれ)たちは、(かれ)らから得た情報を元に、ララバイが姿(すがた)を現すという商業区へと向かった。商業区内の開けた場所には、(すで)発起(ほっき)した町の住民たちが武器を片手(かたて)に集まっており、今にも暴発せんほどに(ふく)らんでいた。しかし……。



「ふん、(おろ)かな民衆(みんしゅう)どもめッ!」



 どこからか(ひび)いた声とともに、突如(とつじょ)多数の衛兵たちが商業区を取り囲む形で姿(すがた)を現した。

 武装(ぶそう)し集結していた民衆(みんしゅう)は、意図せぬ形で周囲を固められ、()()なく集結するしかない。


貴様(きさま)らぁ、だ~れに断ってここに集まっている! ここが取引の場だと知っての狼藉(ろうぜき)か!?」


 中央に備えられた高台の上で人影(ひとかげ)()れた。

 マーロンさんより小柄(こがら)背丈(せたけ)で、太った不摂生(ふせっせい)(きわ)まりない身体を(ふる)わせて現れた派手(はで)な男は、部下である衛兵を左右に(したが)え、集結した民衆(みんしゅう)をギロリと見下ろした。そして周囲を取り囲む衛兵たちに武器を構えるよう指示し、右腕(みぎうで)を高々と(かか)げた。


「バカな(やつ)らめ、情報が筒抜(つつぬ)けとも知らずに。おいルンゲ、いるんだろ、出てこい!」


 太った身体を()らしてララバイが(さけ)んだ。

 その姿(すがた)(いか)りを(あら)わにした民衆(みんしゅう)が「(やつ)()て」と(さけ)ぶも、すぐに取り囲んだ衛兵に()さえられてしまった。


「ムダ、ムダムダ! ちゃちな素人(しろうと)が武器を手にしたところで、()(くに)(ほこ)精鋭(せいえい)部隊に(かな)うと思ったか。逆らうようなら皆殺(みなごろ)しにしてしまうぞ、キサマら!」


 ()()さえた民衆(みんしゅう)(たて)にルンゲを()びつけるララバイは、出てこなければ人質(ひとじち)一人(ひとり)ずつ殺していくと恫喝(どうかつ)した。

 簡単(かんたん)に計画が頓挫(とんざ)し、民衆(みんしゅう)の武器を持つ手も自然と(しず)んでいく。血気(さか)んに(たけ)っていた民衆(みんしゅう)の列も散り散りになり、一瞬(いっしゅん)の高鳴りが(うそ)かのように静まり返っていく。


「ルンゲ、さっさと出てこい。それともキサマの仲間が死ぬのを見なければ出てくることもできんか」


 おいと合図を出したララバイの命令に続き、衛兵が無抵抗(むていこう)な女性二人(ふたり)を選別してララバイの前に(ひざまず)かせた。(なみだ)を流して慈悲(じひ)を願い出る二人(ふたり)正座(せいざ)させて頭を()さえた衛兵は、全員に見えるよう、大袈裟(おおげさ)に首元にロングソードを構えた。


冗談(じょうだん)だと思っているようだな。ならば仕方ない」


 衛兵から(けん)を受け取り、ララバイが高々と剣先(けんさき)(かか)げた。「やめてくれ!」と(さけ)民衆(みんしゅう)()(さけ)ぶ女性の声が(ひび)く中、「待て!」という野太い男の声が広場を()けていく――



「待てララバイ。(わたし)はここだ、その者たちを(はな)せ」


 モーセの海()りのように人々の列が()れ、その間をルンゲが歩いてくる。

 その姿(すがた)に満足気なララバイは、ようやく現れたターゲットを見下ろし、ガハハと笑った。


「どこにコソコソ(かく)れているかと思えば、ゴミどもを(たて)にしておったわけか。無様なキサマらしい醜態(しゅうたい)だな」


「なんとでも言うがいい。キサマらゴミにどう言われようと、(われ)ら民の(いか)りが消えることはない!」


 ルンゲの言葉に不機嫌(ふきげん)な表情を()かべたララバイだったが、何かに気付き「うん?」と(まゆ)をひそめる。目下に(せま)った宿敵の姿(すがた)()(かく)れする違和感(いわかん)。そしてその正体に気付き、思わず()()った。


「き、キサマ、足を(いた)めていたはず……!? ま、まさかこの(わたし)(はか)ったか!」


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