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元チート級暗殺者のもこもこ村開拓記 ~すでに2度死んでる最強の殺し屋ですが、新たな人生はもふもふケモナーさんに囲まれた優雅で静かなスローライフを送りたい!  作者: THE TAKE
第5章 みんな大好きキノコ作り!

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第218話 いざダンジョンへ!



    ◇ ◆ ◇ ◆ ◇



 村を出発してから、(すで)に半日が過ぎていた。

 シルシルの()()られた(おれ)たちは、三度目となるガーンビア地下迷宮(めいきゅう)へ向けて歩を進めていた。


 自分たちも一緒(いっしょ)に行くと(さわ)ぐ村人たちをどうにか(いさ)め、マーロンさんと(おれ)(+ポンチョ)の少数精鋭(しょうすうせいえい)で、どうにか『双龍(そうりゅう)(きば)』に接触(せっしょく)(はか)るため頭を(なや)ませたが、やはりいい考えは()かばず、二人(ふたり)して(むずか)しい顔になってしまう。


 ギルドの登録上、(おれ)冒険者(ぼうけんしゃ)ランクはBで、マーロンさんがAランク。

 残念ながら(おれ)のランクではテーブルの求めるレベルに足りず、最下層(さいかそう)領域(りょういき)に足を()()れることはできない。かといってマーロンさんひとりに行かせるわけにはいかず、どうにかその場にいるであろうテーブルを口説き落とす以外に入る方法はなさそうだ。しかし、


「今回ばかりはテーブルといえど(みと)めちゃくれないだろうなぁ。あれでも一国のギルドマスターだし、何よりそのために(おれ)たちをわざわざ()()して(きば)二人(ふたり)に情報を展開(てんかい)させたんだ。正面からじゃ到底(とうてい)無理だと思う」


 かと言って(だま)()ちでダンジョンに侵入(しんにゅう)するなどもってのほかだ。

 仮に下層(かそう)でうまいこと(かれ)らと会えたとしても、その事実は必ず明るみに出てしまう。そうなれば(そく)アウト。間違(まちが)いなくペナルティを受け、最悪の場合、冒険者(ぼうけんしゃ)資格の剥奪(はくだつ)すら考えられる。


「なら双龍(そうりゅう)(きば)のメンバーが帰ってくるのを待つしかないってことだよね?」


「うん。そうなんだけどねぇ、どうしたものか……」


「ならばいっそ(われ)が門番どもを蹴散(けち)らしますか」とシルシルが。

 いやいや、そんなことしたら、さらに問題が大きくなるだけだからね!?


「ギルドを通さない『無敵の人』が相手って部分が、さらに大きな問題なんだよ。その人個人に限っては自己(じこ)責任で終わる話だけど、追ってる(おれ)たちからすれば条件が悪すぎるんだ。そんな不確かな人物を(さが)すためにダンジョンに入りたいと説明したところで、拒否(きょひ)されるに決まってる。ヤバいよなぁ、下手(へた)したら本当に死んじゃうぞ……」


 ハッキリ言って、今のダンジョンは相当ヤバい。

 (かれ)らがSランクパーティーであったため(おれ)も四の五の言いはしなかったが、『双龍(そうりゅう)(きば)』がAランクに毛が生えた程度の連中ならば、(おれ)も全力で止めていた。


 そこにきて、実力の知れない単騎(たんき)のはぐれ冒険者(ぼうけんしゃ)

 普通(ふつう)に考えて、生きて帰ってこれる想像ができねぇって!


「どうしたものか、どうしたものか……」


 頭を(なや)ませてみるが、やはり解決策(かいけつさく)は見当たらない。

 そんなことを言っている間にも、(いま)だ雨が()り続く砂漠(さばく)地帯を(すべ)るように進んだ(おれ)たちは、いよいよガーンビア地下迷宮(めいきゅう)のあるオアシス地帯の一角に足を()()れていた。


 数日前からさらに変化した周囲の様相に(おどろ)いてしまう。砂漠(さばく)地帯には通常存在(そんざい)しない一級河川(かせん)のような水の流れに加え、ボトム状に(くぼ)んだ(あな)がいくつも増えていた。中でもダンジョン入口へと続く(あな)の周辺は、蟻地獄(ありじごく)のように周囲の(すな)をえぐり、さも隕石(いんせき)が落下したかのような巨大(きょだい)なクレーターのようになっていた。底のあたりでは、()まった水を除去(じょきょ)しているギルド関係者らしき者が出入りし、今なお(いそが)しく走り回っている。


 よく見てみれば、入口の空間確保のため、奔走(ほんそう)しているテーブルの姿(すがた)があった。

 正面から入口を突破(とっぱ)するとなると、(かれ)に見つかってしまうことは確実だ。姿(すがた)(かく)す以外で、ダンジョン内部に()()む方法は皆無(かいむ)といったところだ。


「マーロンさん、……どうしようね」


「どうもこうも、ちゃんと相談するしかないと思うよ」


「だけどさぁ……。だからこそ大人(おとな)しく入れてくれるはずない気がするよ」


 (くぼ)みの(ふち)に身を(かく)しながら項垂(うなだ)れる。

 正面突破(とっぱ)隠蔽(いんぺい)も、結局アウトになるのが目に見えてる。だったら……


「今回ばかりは(あきら)めますか?」


「…………」


 どうやらマーロンさんも(なや)んでいるみたい。

 頭上で()ているモコモコさんはいつものように無関心ですが、少しは(おれ)たちの(なや)みも聞いてほしいものです。


 次の行動を決めあぐねている間にも、雨はまた強くなり始めていた。

 分厚く重なった空の雲は、()の光を(さえぎ)ったまま、しとしとと雨粒(あまつぶ)だけを()らし続けていた。


「いつまで続くんだろうね、この雨も」


 そう(おれ)(つぶや)いた時だった。

 (あな)底の方が突然(とつぜん)(あわ)ただしくなり、(だれ)かの声が聞こえてくる。(おれ)たちは顔半分を(へり)から出し、聞こえてくる声に耳を(かたむ)けた。


「どうしたんだろう。なんだか(あわ)ててるみたいだけど……?」


 距離(きょり)が遠くて聞こえないまでも、テーブルが身振(みぶ)手振(てぶ)りで部下に何か伝えている。これまで配置についていた者が、急に(あわ)てて走り始めた。何かが起こっている?


「ここでジッとしてても何も始まらないよね。ならどうするのがいいと思う?」


 マーロンさんに聞いてみる。

 すると彼女(かのじょ)(おれ)の頭上からポンチョを()()げ、「行こう」と(うなず)いた。


 (すな)(へり)()り、(あな)底へ(すべ)()りる。逆方向へ()()がっていくギルド関係者の顔からは悲壮感(ひそうかん)のようなものが(ただよ)っており、否応(いやおう)なしに(いや)な予感がつきまとう。なんだってんだよ!?


「急げ、救護班(きゅうごはん)を向かわせろ、今すぐにだ!」


 〝救護班(きゅうごはん)〟という言葉に加え、〝すぐに〟ときた。

 これはもう緊急事態(きんきゅうじたい)しかあり得ない。

 無意識的にマーロンさんの一歩前に出た(おれ)は、司令役として指示を出しているテーブルに()()り、「何があったんですか?」と声を()けた。しかし(かれ)(おれ)一瞥(いちべつ)だけして、視線(しせん)でダンジョンの入口方向を示してみせた。


 人だかりができている。

 その中心では、血を流した人物が、声高(こわだか)に何かを(さけ)んでいた。



『 (たの)む、助けてくれ! 』



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